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都市型フェス【CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2025】が、2025年4月4日、5日、6日の3日間、横浜で開催された。
このイベントは、「日本の響きを世界へ」をコンセプトに、海外からも注目を集めるアーティストや、アニメ、テクノロジーなどの多彩なエンタテインメントが横浜の街に集結する新しい音楽フェス。会場はKアリーナ横浜、横浜赤レンガ倉庫 赤レンガパーク特設会場、KT Zepp Yokohama、臨港パークと広範囲で、横浜の街そのものが巨大なフェス空間となった。このレポートでは、横浜赤レンガ倉庫 赤レンガパーク特設会場にて5日および6日の2日間行われた「Echoes Baa」ステージの模様をお届けする。
同ステージは、2024年9月に設立された新レーベル「Echoes」がキュレーションするイベント。メインとなるライブには、YOASOBI、MAISONdes、Aoooら所属アーティストだけでなく、他レーベルからスペシャルゲストとして招かれた豪華アーティストがラインナップ。また、「Echoes」は音楽とクリエイションが好きな人たちが集まるコラボレーションプラットフォーム「MECRE」の運営も手掛けていることもあり、ライブのみならずDJイベントやワークショップの開催など、様々なクリエイティブで表現される新しいエンタテインメント体験も用意されていた。
ライブ開始前に会場を巡ってみると、フィールド後方にある巨大なアートウォールが目を引いた。COIN PARKING DELIVERYやSIMONといった気鋭のアーティストが手掛けた作品で、多くの人が訪れてフォトスポットとなっていた。YOASOBIと移動式書店BOOK TRUCKのコラボによる「旅する本屋さん YOASOBI号」も登場。YOASOBI関連書籍や、Ayaseとikuraが選書した書籍に加え、Echoes Baa出演アーティストにゆかりのある書籍も用意されていた。また、イベント両日ともに「スキルに関係なく誰でも参加できる楽しいDIY」をテーマとしたワークショップも実施された。「Echoesオリジナルグラフィック」をTシャツなどに自らプリントできるシルクスクリーン体験、「Echoes」限定オリジナルのラグ作りができるタフティング体験が用意されており、ライブ開始前の時点で予約がいっぱいになっているほどの人気を博していた。さらに、初のポップアップショップ「Echoes Maaket」も出店され、数量限定のEchoesオリジナルグッズ販売も実施。ショップの前には「Echoes」のロゴが入った様々な缶バッジが出てくる大きなガチャも設置されており、こちらも早々に売り切れとなるなど大人気の様子だった。
【DAY1】
◎YOASOBI
今年の日本初ライブとなるステージは、いきなりの「アイドル」で爆発的にスタート。ikuraが「トップバッターの我々のライブがこのフェスのエナジーの基準です!」と、開会宣言ともいえるMCで盛り上げる。「夜に駆ける」「ハルジオン」「群青」に加え、最新曲「PLAYERS」までのヒット曲連発で最高のイベント幕開けとなった。MCでは、前日4月4日が誕生日だったAyaseをみんなでお祝いする場面も。
また、メインステージのライブ転換中には、DJブース前で21歳の気鋭シンガー・ソングライターGakuが弾き語りパフォーマンスを披露(両日出演)。終日、メインステージと交互に登場したAiobahn、Aiobahn +81、DJ和、tomadが様々な曲で楽しませていた。
◎KAFUNÉ
ボーカルの人生と、トラックメーカーのTakakuzoによるユニットKAFUNÉは、「大人ごっこ」に始まり「脳内反省会」で観客と声を合わせて巻き込んだ。ダークなトラックに乗せて歌う強烈なリリックが海風に運ばれて昇華されて行く。「最後はブチ上がって帰ろう!」と「メルティラブ」でファルセットを響かせた。
◎NOMELON NOLEMON
ツミキが「今日は優勝しにきました!」と叫ぶと、「rem swimming」「どうにかなっちゃいそう!」とダンスチューンを連発。4月からEchoes所属となることを明らかにすると、みきまりあは「世界をびっくりさせる音楽を作りたい」と意気込んだ。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の挿入歌として、ユニットの名を一躍広めた「ミッドナイト・リフレクション」や、ライブ定番曲「SAYONARA MAYBE」などキャッチーな曲で心を掴んだ。
◎asmi
カラフルな衣装で軽やかに登場すると、「みんなで最高の時間を作っていきましょう!」と「ドキメキダイアリー」でライブ開始。「こっち向いてほい」等、言葉数の多い歌詞がポップなメロディとアンニュイかつよく通る声で届けられた。中盤はミディアム曲でじっくり聴かせると、彼女も4月からはEchoesに所属することを報告。ラストは「PAKU」で愉快に観客と踊り、会場が一体となった。
◎syudou
「インザバックルーム」をアカペラで歌い出し、ステージ前にしゃがみ込んで挑発的なパフォーマンスから幕を開ける。今回が自身初の野外ライブであることを明かし「熱いライブを約束します!」とオーディエンスを刺激するひと言から、「ビターチョコデコレーション」ではクラップで盛り上がり、「爆笑」では「俺がsyudouだ!」と雄たけび。「ギャンブル」で締めくくる激熱なライブを見せた。
◎MAISONdes
初日のトリ、MAISONdesのステージは「あなたのための部屋が見つかりますように」との管理人の言葉から開始。asmi&すりぃ、乃紫&かやゆー、Pii&meiyo、りりあ。、水槽、みきまりあ、れん、『ユイカ』&KAFUNÉ、アユニ・D、くじらと、様々な色の扉から住人が紹介された。終盤『少年サンデー』および『サンデーうぇぶり』コラボの新アーティストプロジェクトである“日曜日のメゾンデ”の礼衣が2曲を披露すると、バーチャルシンガーの花譜が前方モニターに姿を現し、ツミキのドラムとともに「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」を熱唱。最後はasmiが再びステージに上がり「ヨワネハキ」で締めくくった。
【DAY2】
◎FRUITS ZIPPER
雨もものともしない大歓声で迎えられた7人は、華やかなダンスで舞い踊り「NEW KAWAII」でライブをスタート。メンバー紹介曲「うぇるかむとぅ~ざ▽ふるっぱー!」(※)で初めてのお客さんにも全力アピールしてみせると、代表曲「わたしの一番かわいいところ」ではバズを巻き起こしたサビのダンスを真似する観客もあちこちに見受けられた。大観衆にキュートな魅力を振りまいて、フェスの始まりにふさわしい明るい雰囲気で会場を包み込んだ。
◎Luov
続いて登場したのは、2025年2月始動、東京拠点の3ピースバンドLuov。雨が上がり、春の陽差しがステージを照らし出すと、Natsumiのドラムから前日に出演したKAFUNÉのメンバーでもあるTakakuzoの太いベースへと続き、HALDONAがギターをかき鳴らして歌い出す。「大脱走計画」からデビュー曲「透明シャボン」へと、青空と海に囲まれた会場に爽やかな歌声が広がっていく。“自由に”という意味を持つバンド名そのままに、既存の音楽に捉われない、まさに自由な歌とサウンドで楽しませた。
すっかり晴れて日差しも強くなり気温が上がってきた会場では、【CENTRAL】の開催を記念して登場した『TAG LIVE LABEL』とフェス出演アーティストによるオリジナルラベルドリンクの自販機に行列ができていた。Echoes Baaステージ会場内に設置された自販機では、同ステージの出演者であるAooo、KAFUNÉ、NOMELON NOLEMON、MAISONdes、YOASOBI、Luovの6組のオリジナルラベルドリンクが、レモンスカッシュとウーロン茶の2種類で販売。また、オープニングおよび転換時には、サブステージのDJブースでシンガー・ソングライターGaku(前日、4月5日公演にも出演)と、歩く人、DJ To-i(from DISH//)、dshino(篠田利隆 from 異次元TOKYO)、yuigotのプレイで、会場に途切れることなく音楽を響かせていた。
◎Chevon
ジャンルやシーンを越えて存在感を放つ、気鋭の3ピースバンドChevon。その期待を表すように、開演直前にはドッとステージ前に人が詰めかけた。ライブは、ファンキーなワウギターのカッティングで始まる「ノックブーツ」からスタート。晴天を突き刺すような、変幻自在なボーカルでカリスマぶりを発揮する谷絹茉優に煽られて、会場中から力強く手が上がる。最新曲「さよならになりました」も交え、「Chevon第二章も、ここEchoes Baaから『大行侵』して参ります!」と高らかに宣言。約40分間を一気呵成に駆け抜けてみせた。
◎TOMOO
代表曲のひとつ「Ginger」でリズミカルに始まったライブは、リラックスムードと清涼感ある佇まいが海辺のステージによく似合う。横浜にまつわる自身の思い出から歌った「いってらっしゃい」、TVアニメ『アオのハコ』エンディング・テーマ「コントラスト」と、芯の強さを感じさせる歌声が空高く飛んでいく。「新鮮な心がいっぱい詰まっているような」このフェス、このステージに立てた喜びを語ると、最後は「Super Ball」で軽やかに、春風のようにステージをあたたかく満たした。
◎Aooo
石野理子(Vo.)、すりぃ(Gt.)、やまもとひかる(Ba.)、ツミキ(Dr.)と、それぞれキャリアを積み上げてきた4人が集ったバンドAooo。音出しの時点で大きく手が上がり、会場の期待値も高まるなか「アパシー」で幕を開けると、個性がぶつかり合うような楽器隊3人のサウンドに、「Casablanca」では時に切なく、「フラジャイル・ナイト」では時にロックバンドらしく乗る石野の歌声とのマリアージュが心地よい。TVアニメ『ウィッチウォッチ』エンディング・テーマである「魔法はスパイス」のライブ初披露で観客を驚きに沸かせつつ、最後は代表曲「サラダボウル」で締めくくった。
◎YOASOBI
2日間のステージを締めくくるのは、初日トップバッターも務めたYOASOBI。初手に繰り出された「アイドル」ではさっそく、ikuraの声をかき消さんとするばかりの力強いコールが沸き上がり、そのまま「UNDEAD」「セブンティーン」などキラーチューンで盛り上がりは加速。Ayaseの「みんな、日本の音楽って世界に届いてると思う? 絶対そうだよね!」「絶対にここが世界に音楽を届ける中心になる、俺は今日確信した!」との熱い言葉にいっそう会場の一体感が高まると、「祝福」からは、その後の「あの夢をなぞって」の歌詞に繋げるように、すぐ側の横浜港から花火が打ち上がる粋な演出も。最後は「群青」を会場全体で大合唱し、2日間のステージは煌びやかに幕を下ろした。
Text:岡本貴之
※「うぇるかむとぅ~ざ▽ふるっぱー!」の▽は白抜きハート表記が正
◎公演情報
【CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2025】Echoes Baa
2025年4月5日(土)、4月6日(日)
神奈川・横浜赤レンガ倉庫 赤レンガパーク特設会場
▼出演アーティスト
4月5日(土)
YOASOBI / MAISONdes / NOMELON NOLEMON / KAFUNÉ
Special Guest: asmi(from ROOFTOP)/ syudou(from syudou商店)
<MAISONdesゲストアクト一覧>
asmi、アユニ・D、花譜、KAFUNÉ、かやゆー、くじら、水槽、すりぃ、ツミキ、日曜日のメゾンデ(礼衣)、乃紫、Pii、みきまりあ、meiyo、『ユイカ』、りりあ。、れん
4月6日(日)
YOASOBI / Aooo / Luov
Special Guest: Chevon / TOMOO(from PONYCANYON / IRORI Records)/ FRUITS ZIPPER(from ASOBISYSTEM)
<DJフロア参加アーティスト>
4月5日(土):Aiobahn、Aiobahn +81、Gaku、DJ和、tomad
4月6日(日):歩く人、Gaku、DJ To-i(from DISH//)、dshino(篠田利隆 from 異次元TOKYO)、yuigot
<アートウォール参加アーティスト>
COIN PARKING DELIVERY、SIMON
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