<ライブレポート>GOT7、果たした約束と新たに交わした約束 6年ぶりコンサート【NESTFEST】最終日

2025年2月10日 / 17:00

 GOT7の6年ぶりのコンサート【2025 GOT7 CONCERT〈NESTFEST〉】が1月31日~2月2日に韓国・SKハンドボール競技場で開催、ぞれぞれ違う事務所で活躍する7人は久々に集結し、新旧ナンバーでファンと“音楽の祭典”を楽しんだ。

 今年1月20日に3年ぶりのアルバム『WINTER HEPTAGON』を発表した彼らを一目見ようと、会場には世界中からアガセ(ファンネーム)が集まった。プレミア化したチケットを求めて、早朝から当日券を求める長蛇の列もできたようだ。会場に足を運べなかったアガセは、Beyond LIVEの生配信を通じてライブに参戦し、グローバルな人気の高さは今も昔も変わっていない。

 そして、エッジーなギターサウンドとドラムビートとともにLEDの扉が開くと7人の姿が。喝采を浴びながらオープニングを飾ったのはグループ随一のダンスナンバー「Hard Carry」。ジャクソンを筆頭にそれぞれのパートが順に披露されると観客は思いのままに叫び、会場を埋め尽くす緑色のライト(通称アガボン)の動きも激しくなる。パンチのあるダンスとビート、シャウトが続き、一曲目から息が上がった。ハードモード全開の「Girls Girls Girls」と「Stop Stop It」、7人のストレートなアプローチを思い出して耳が赤くなる「A」、センターステージで7人が思うままに立ち振る舞う「Just Right」に続いた「Lullaby」にはメンバー名を呼ぶお決まりのコールがプラスされて、ライブ序盤ながら早くもハイライトが何度も生まれた。

 初期の楽曲が7人全員で数年ぶりに披露されたわけだが、耳に残るメロディーと終盤に向けて盛り上がりを作っていく構成の素晴らしさ(ボーカル面、ダンスパフォーマンス含め)を2025年にあらためて実感しつつ、それぞれが得意とするパートが現在の7人によって最高のかたちで繰り広げられたことで、過去一の勢いがそこにはあった。昨年11月に除隊したばかりのジニョンは表舞台から離れていた間にどこまで歌とダンスに触れていたのか不明だが、ボーカルとダンスは常に安定しており、それはこの日最後まで続いた。

 どのK-POPグループも迎える事務所との7年契約を更新せず、7人全員で前事務所JYPエンターテインメントを退所する道に進んだのが2021年。前例も成功例も少ないだけに、全員での活動再開はないと思われていたところ、その翌月に配信シングル「ENCORE」でその常識を覆し、2022年にグループ名存続でK-POP界隈を驚かせたミニアルバム『GOT7』を発表、ユニットを含むすべての商標権を自分たちのものにするという、前例のない偉業を次々と成し遂げた(譲渡において、リーダーのJAY Bが主に関係各所と調整をはかり、必要な書類の準備や手続きを完了させた)。そして、音楽配信サービス「MelOn」やレーベル事業を展開するカカオエンターテインメントから最新アルバムがリリースされたのが、JAY Bとジニョンの除隊からわずか2か月後という、異例のスピードで完全体カムバックを果たしたのだ(新作アナウンスとともに、前事務所が作ったSNSアカウントの復活が大きな話題に。ここでもJAY Bがアカウントの譲渡をJYP代表のJ.Y. Parkに直接相談、快諾されたことが本人の口から明かされている)。口約束や夢物語で終わらせることなく、GOT7の決意の固さと行動力が何度も証明された。

 発売と同時に2日間のチケットが即完売(その需要の高さから高額転売も数多く報告されたようだ)、直前に1日追加された今回のコンサートでは、最新アルバムの収録曲や過去のタイトル曲はもちろん、メンバーが手がけた人気楽曲、個々がリリースした楽曲まで、彼らが持つ豊富な楽曲カタログの中から、余すところなく披露された(本編22曲に対して、アンコールが15曲という事実に気づいたとき、思わず手が止まった)。そこに終わりの見えないトークや突拍子もない行動(ライブ前に何を食べたか、2015年の出演ドラマ『Dream Knight』のBamBamの不思議な髪型は痛んで切れた前髪を隠すためだったという仰天話、パンツを履き間違えたため本番中に着替えに行こうとするジニョンなど)が加わったため、16時開演ながらライブが終わったのは20時半という、これまた珍しい大ボリュームで、ファンと会えなかった時間をしっかりと埋めた。

 歌い踊り叫んだあとは、「PYTHON」のミュージックビデオにも滑り台が登場するほど特別な意味を持つ「Playground」、ジニョンがアガセとメンバーと会えなかった時間を思って書いた「her」と、ともに過ごした年月を噛み締める時間に。特に後者はコーラスしない構成のため、一人ひとりの気持ちが歌声を通して伝わってきた。マークらしさが曲調に滲み出る「OUT THE DOOR」で勢いを取り戻し、メンバーもアガセも大好きな「Thursday」、コロナ禍のリリースだったため、ファンの前でリアル披露するのはまだ数度目の貴重な「Breath」で第一章の幕が閉じた。

 ここからはここ数年それぞれが専念していたソロ楽曲のコーナーへ。披露曲のヒントを与えるVCRで視線を集めると、アメリカ育ちのマークらしいUSポップロック調「Carry Me Out」、ジニョンは兵役前に未来の自分を想像して書いたバラード「Letter」、『アイアンマン』の名台詞を引用したジャクソンのラブソング「I Love You 3000」、JAY Bの真骨頂が現れたディープなR&B「Cloud nine」、グループいちのダンスキッド、ユギョムが最後にニュージャック・スウィングに合わせて踊った「SHINE」、ヨンジェの王子様ルックと伸びやかな歌声に全員が惹かれたポップス「Vibin」、記念すべきソロデビュー曲をプレイフルに演出したBamBam「riBBon」と、7つの音色を味わう時間が流れた。好む音楽も影響を受けた音楽も届けたいメッセージも全員異なりながら、7人一緒になると自然に、見事に調合されるのが不思議だ。

 「PYTHON」のテレビパフォーマンスで見せたストリート風のオールホワイトに身を包んだ7人が登場。体調不良のため収録に参加できなかったジャクソンが頭をすっぽりと覆うふわふわ帽子を被って登場すると一際大きな歓声が会場に響いた。ジャクソンにとっても久しぶりの韓国での活動となったため、古巣で6人と一緒にステージに立つのはひとしおの思いがあるだろう。

 ステップが特徴的な「If You Do」をJAY Bとヨンジェのシャウトで締めたあとは、お待ちかねの「PYTHON」。BamBamが手がけたヒップなサウンドと“7”を両手で作る振付でカッコよく決めたと思えば、6人がBamBamを押し倒し、ちょっかいをかけて彼の奇声で幕を閉じた。なんとも自由なグループだ。

 メンバーの手書きメッセージを受け取り、胸に刻んだあとは、現在の7人の本心とアガセへの感謝、未来への約束が詰め込まれた珠玉のナンバー「Yours Truly,」へ。アガボンが放つ緑色の光の波が恋しかったこと、時間はかかってしまうが待っていてくれれば必ず戻ってくるという言葉は、彼らの行動結果を見れば信頼できる。

 やはり簡単ではなかったというアルバム制作と準備、待ち焦がれていたアガセとの再会など、様々なことを思い出してか、初日に大粒の涙を流したリーダーは、最終日はグッと前を向き、カムバックはアガセがいたからできたと繰り返す。BamBamは、GOT7はどこにも行かないため悲しむ必要はなく、想像よりもっと早くまた姿を見せる日が来ることを伝え、何か発表があることをほのめかした。

 幸せという言葉を繰り返したジニョンは、先輩グループから活動を継続することの難しさを聞いていたが、幸せそうなアガセたちの表情をこの3日間見て、この先10年、20年も活躍する自分たちの姿が想像できたという。

 大きな目標がないまま韓国に来たというマークは、練習生時代からそばにいる6人が自分に夢を与えてくれたことに涙ぐみながら感謝し、「Yours Truly,」で感情が高まり、涙が止まらなくなってしまったジャクソンは練習生時代を振り返った。JJ Project名義ですでにデビューしていたJAY Bとジニョン、マークとジャクソンの4人で進んでいたデビューの話が白紙となり、マークとジャクソンは帰国を余儀なくされたところ、JAY Bが冷蔵庫の前で2人に向かって「絶対に帰らせない。船出するときも沈没するときも、何をするにも全員一緒だ」と言い、会社を説得したという。「あれがなければ、今ここに立っていることもなかった。本当にありがとう、ヒョン」と、ジャクソンの計り知れない思いに耳を傾け、涙を流すJAY Bの姿があった。

 日本語と英語を勉強中で、語学習得の難しさを実感しているヨンジェは、流暢に韓国語を話す外国人メンバーの努力に感謝しつつ、言葉にしないと思いは伝わらないためもっと発言していく、人生には大変なことも多いがアガセには楽しい時間を届けたいという思いを明かした。今回の活動を心から楽しんだというユギョムは、メンバーの考えがみな似てきたのは家族だからで、アガセも家族の一員であること、家族一緒に過ごす時間をめいっぱい楽しむには健康が第一であるため、体を労わるよう求めた。一番若いメンバーからのお願いごとにどのアガセも大きく頷いた。

 エモーショナルな感情も全て受け入れて、「ENCORE」で7人の先ほどの言葉を再確認したあとのアンコールでは、さらなる楽しみが待っていた。7人の存在をあらためて世界に知らしめた「NANANA」、記念すべきデビュー作『Got It?』のオープニングを飾る「Hello」、JAY B作詞参加曲「FISH」に続いて、ジャクソンのソロ曲「Papillon」がついにお披露目(本人は嫌がったが、メンバーたちの要望で強行突破!)。手で“W”を作ったり大声で歌ったりするメンバーに押され、しまいには本人も歌唱するという、絆の深さを見せつけた。その後もその場のノリで各ソロ曲が決まり、ためらいもなく歌われていく。大量の水のかけ合い、アガセの大合唱とコール(そして、モップでステージを掃除するヨンジェとジャクソン)も相まって、どこもかしこも熱狂の嵐だ。

 急遽、2階席を走り回る行動を取ったため、会場がカオス状態になり、カメラが追いつかない事件が発生したのが2日目。スタッフからこっぴどく注意されたであろう大の大人たちは、2組に分かれて、行動も抑え気味にしてファンの近くへ。それでも、憧れのメンバーたちが至近距離に現れたため、平常心を保てたアガセは会場には一人もいなかった。

 「Page」「Go Higher」「Shopping Mall」と、ライブ恒例曲に続いたのは「Face」。2017年発表曲ながら、この日彼らが繰り返した言葉、永遠に続くこの関係性を代弁していたため、この日の帰り道には何度も再生してしまった。

 「Before the Full Moon Rises」のイントロが流れ、楽しい時間も終わりに近づく。しかし、アガセに悲しむ暇はなく、忙しい合間を縫ってカムバックとこの最高の時間を準備してくれたこと、そして何より、7人がGOT7としてステージに立ちたかったことに胸がいっぱいになったはずだ。7人は、限られた時間の中で、完璧にカッコいい姿を作品や映像に残すために尽力してくれたスタッフに感謝を述べ、最後にBamBamとジャクソンから近々アナウンスがあることが示唆された。リーダーも「終わりの時間ですが、“最後”ではありません!」と明言。合言葉「GOT7最高!」で固く手を握り、深くお辞儀したGOT7から、果たしてどんな発表があるのか。その日を楽しみに待とうではないか。

Text by Mariko Ikitake

◎公演情報
【2025 GOT7 CONCERT〈NESTFEST〉】
1月31日(金)~2月2日(日)韓国・SKハンドボール競技場

◎リリース情報
『WINTER HEPTAGON』
2025/1/20 DIGITAL RELEASE


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