ヴィレッジ・ピープル創設者、トランプ次期大統領による「Y.M.C.A.」使用を阻止するのは“気が引けた”と明かす

2024年12月3日 / 16:15

 ヴィレッジ・ピープルの創設者であるヴィクター・ウィリスが、1970年代の大ヒット曲「Y.M.C.A.」を巡る2つの論争、ドナルド・トランプ次期米大統領が2024年の大統領選挙キャンペーンでこの楽曲を使用したことと、この楽曲が“ゲイの賛歌”として特徴づけられていることについて再び自身の考えを表明した。

 現地時間2024年12月2日に73歳のシンガー・ソングライターはFacebookに長文を投稿し、次期大統領が11月の勝利に至るまでの集会やイベントで「Y.M.C.A.」を使う許可を出した理由についてさらに踏み込んだ説明を行った。2020年の選挙戦ではトランプに止めるよう求めていたウィリスだが、トランプが「Y.M.C.A.」を“心から気に入って”おり、“とても楽しんでいる”ように見えることを実感し、その使用を阻止するのは“気が引けた”と述べた。さらに彼が指摘したように、このダンス・ナンバーはトランプが選挙戦に組み込んで以来、チャート順位と売り上げの両面で“大きな利益”をもたらしている。

 ウィリスは、「だから次期大統領による“Y.M.C.A.”の使用継続を許してよかったと思っている。そして私の曲を使用することを選択してくれたことに感謝している」と綴った。

 彼はまた、トランプがBMIから同曲を再生するのに必要なライセンスを取得していたと指摘した。10月のプレス・リリースでも彼は、トランプが「Y.M.C.A.」を合法的に使用できると述べていた。2024年の選挙では民主党の対立候補であるカマラ・ハリス米副大統領を支持していた彼だが、トランプがこの曲を使用することを阻止するための手段は一切講じないとも述べ、そうすることが“愚かで、ただただ憎たらしい”からだと説明した。

 トランプによる楽曲の無断使用を巡る論争は目新しいものではなく、2016年の大統領選挙キャンペーン・イベントで楽曲を無断で使用しないよう求めていた多くのアーティストの中にはウィリスが考えを変える前のヴィレッジ・ピープルも含まれていた。今年だけでも、ビヨンセ、セリーヌ・ディオン、フー・ファイターズ、ジャック・ホワイト、そして他にも数組のアーティストがトランプを非難する声明を発表した。さらには、故アイザック・ヘイズの遺産管理団体は、複数の集会で「Hold On, I’m Coming」を使用したとして、8月にトランプを相手取って訴訟を起こしたほどだ。

 しかし、ウィリスが投稿で指摘しているように、トランプのプレイリストに載ることは利益をもたらす可能性がある。11月には、「Y.M.C.A.」がリリースから40年以上を経て、米ビルボードの“Top Dance/Electronic Digital Song Sales”チャートの首位に上り詰め、2週間1位を維持した。そしてウィリスによると、この楽曲は”次期大統領が継続的に使用するようになってから、推定で数百万ドルの収益が見込まれている”という。

 次に、トランプが「Y.M.C.A.」の使用を継続している中で“さらにヒートアップしている”という別の件について、ウィリスはこの楽曲を“ゲイの賛歌”としてブランディングすることは“完全に誤解を招く”ものであり、“曲にとって有害である”と書いている。また、2025年1月以降に“不当にそう呼ぶありとあらゆる報道機関”に対して法的措置を取ることも示唆している。ただし彼個人としては、「ゲイの人々がこの曲を自分たちのアンセムだと思ってくれるのは構わない」とも述べている。

 彼は、「この思い込みは、YMCAがどうやらゲイのたまり場として使われていたという事実にも基づいていて、また作詞者の1人(ジャック・モラリ)がゲイであり、ヴィレッジ・ピープルのメンバーにもゲイがいることから、この歌はゲイの人々へのメッセージに違いない(となってしまった)。それに対して私はもう一度言いたい。下品な考えは捨てろ。そうではない。そのような考えは、その曲の歌詞が暗示するような(不法な)行為を前提としているが、そのような行為は歌詞には書かれていない」と書いている。

 「Y.M.C.A.」は長年にわたり、LGBTQコミュニティに広く受け入れられてきた。多くの人が歌詞を、かつてYMCAジム・チェーンが人気のいわゆる“ハッテン場”(cruising spot)であったという評判を引用したものと解釈している。さらにこの曲は1978年のアルバム『クルージン』に収録されている。それでもウィリスがこの曲をゲイの賛歌というレッテルから遠ざけようとしたのは今回が初めてではない。2020年のFacebook投稿で彼は、「“Y.M.C.A.”を自分たちのもの、あるいは自分たちのアンセムだと主張できるグループは存在しない。私の象徴的な曲をそのような枠にはめ込むことを許さない」と書いていた。

 それ以来4年間、ウィリスはその姿勢をまったく変えていないようで、「真の賛歌は、トランプ次期大統領を含むあらゆる層の人々を魅了する“Y.M.C.A.”の魅力だ。しかし、この歌は一部の人々が誤って示唆している以外にはゲイの賛歌というわけではない」と月曜日の投稿で結論づけた。


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