<ライヴレポート>HYDE、全員が[INSIDE]に堕ちた120分「この狂った芸術を愛してくれてありがとう」

2024年11月10日 / 17:06

 HYDEが、10月26、27日に千葉・幕張メッセで【HYDE [INSIDE] LIVE 2024 -EXTRA-】を開催した。

 本公演は、6月22日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で開幕したライヴハウスツアー【HYDE [INSIDE] LIVE 2024】の延長戦だ。また、タイトルに付けられているように、5年ぶりにリリースされた最新アルバム『HYDE [INSIDE]』を引っ提げたライヴとなっている。2024年も【OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL】【DEAD POP FESTiVAL】など日本各地のフェスへ精力的に参加したHYDE。ロック界の最前線を走り、尊敬される身でありながらも、同じ目線で戦うライバルも多い。さらに、年々進化し続けているライヴパフォーマンスによって、幅広い層を虜にしているのだ。

 カウントアップから時刻は17:06(16:66)となり、オープニングSEが流れた後に「LET IT OUT」でライヴの幕が上がる。昨年のツアー【HYDE LIVE 2023】でもオープニングを飾ることが多かった楽曲だが、今回は登場方法もスケールアップ。高くそびえる演説台に立ち、上から観客席を見下ろすHYDE。スワロフスキーがあしらわれた軍帽を纏い、鋭い眼光がこの日の“興奮”を予感させてくれる。続く「AFTER LIGHT」では、HYDEの声に負けないぐらいの合唱が聞こえ、すでにオーディエンスの準備はできているようだ。ライヴ初披露から約1年の時を経てアルバム『HYDE [INSIDE]』に収録された「I GOT 666」では、<I’m aware!>という歌詞と共にヘドバンが巻き起こり、一気に会場の熱が急上昇する。

 「ようこそ【HYDE [INSIDE]】へ! 現実を楽しもうぜ!」と第一声を発したHYDE。カメラ目線で様々な表情を見せた「BLEEDING」や、フラッグを掲げて風に靡かれ歌い上げる「ON MY OWN」など、序盤から強烈なサウンドで魅了していく。緩急をつけるように一転して、キーボードの哀愁漂うアルペジオから自然な流れで始まった「THE ABYSS」。さらにTVアニメ『「鬼滅の刃」柱稽古編』のエンディング・テーマとして書き下ろされたMY FIRST STORYとのコラボ楽曲「永久 -トコシエ-」が、HYDEソロバージョンとして披露された。変幻自在にリズムが切り替わるドラムと、始終読み聞かせをするようなHYDEの歌い方がマッチして世界観が広がっていく。改めてHYDEの表現の幅広さを痛感させられた。

 中盤に差し掛かり、「幕張ではこれまでたくさんやってきたね。その中でも1番のカオスを見てみたい」と張り切り、「6or9」では「Sit down! みんな一つになるよ」とオーディエンスを座らせる。そのままHYDEはオーディエンスの様子を伺いながら、スタートのタイミングを見計らい、楽曲がスタートすると、今日一番のジャンプが一斉に起こった。続く「MAD QUALIA」ではHYDEが観客席に飛び込み、1 vs 約1万という構図が出来上がる。本日のステージはサーカス・テントのように四方にストリングライトが垂れ下がり、バックには垂れ幕に“HYDE”という文字の電飾看板が煌びやかに光っていた。まさに、サーカスの団長となったHYDEがオーディエンスを飼いならしているようだ。違う視点だと、オーディエンスがモンスター=HYDEを楽しんでいるようにも見える。そんなエンターテインメントの最高峰を見せてくれるHYDEも「今日は熱い。すごい伝わってくる!」と興奮状態だった。

 アルバム『HYDE [INSIDE]』の核でもあり、メタル色が強い「SOCIAL VIRUS」では、この日のハイライトとも言える景色を見せてくれた。間奏では重くのしかかるような低音に続き、HYDEがオーディエンスを左右に分け始める。<I’ve gotta find a way, to see the light of day>という歌詞とともに、オーディエンスがウォール・オブ・デスでぶつかり合い、獰猛なグロウルとバンドメンバーのブレイクダウンがカオスな空間を作り上げていた。そして、本編最後を飾ったバラードソング「LAST SONG」では、顔面血だらけで歌うHYDEとステージ上に無数の真っ赤な紙吹雪が舞う演出で、心の中に住み着く感情を表現していく。

 幕が下り、しばらくするとバンドメンバーによるギターソロが披露される。そして、移動式のドラムセットが観客席に現れ、舞台は客席フロア真ん中のステージへ。オーディエンスの「HYDE―!」という声に応え、巨大なパンドラの箱から飛び出したHYDEは「PANDORA」を歌い始める。「みんな本当一つになってるよね」と嬉しそうな表情を見せていた。そして「残りの人生やりたいことをやりまくってね。忖度とか関係なく、自分の好きなことやっていきたいなと思います。ついてこれる人はついてきてください」と話すと、大きな拍手が送られる。「世の中辛いことばっかじゃないですか。ほんとね、幸せなオーラに包まれたい!」と、ここでなんと、サプライズゲストとして先日結婚を発表したばかりのHiro(MY FIRST STORY/Vo.)を呼び込んだ。HYDEがHiroに煽りを頼むと「勘がいい皆さんならお気付きだと思いますが、僕がここに出てきたということは…」と、TVアニメ『「鬼滅の刃」柱稽古編』のオープニング・テーマ「夢幻」がスタート。二人の掛け合いやハモリはもちろん、HYDEがHiroの胸倉を掴んでシャウトパートへ向かうなど、ベストパフォーマンスを見せてくれた。

 「この狂った芸術を愛してくれてありがとう」

 「BELIEVING IN MYSELF」「GLAMOROUS SKY」とラストスパートに火をつけるHYDE。残り何曲と宣言することで、一曲一曲に集中させ、熱狂的なフロアが出来上がっていく。この空間をさらにブーストさせたのがラストの「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」だ。「見せてくれよ!」と、喉が潰れる程のHYDEの叫びとオーディエンスの声が重なっていく。そして「はっちゃけたな! 忘れんなよ! また一緒にはっちゃけよう! 次会うまで首洗って待ってろよ!」とドラムセットを破壊してHYDEは去っていった。

 今回の公演で、HYDEは始終一貫として“一瞬の大切さ”を問いかけていたように感じる。きっとそれは、 [INSIDE]=HYDEの内面にも繋がるものであり、それ以上は人それぞれの解釈に任せたい。HYDEは現在ワールドツアーも敢行中だ。年末までまだまだ目が離せない。

Text by Tatsuya Tanami
Photo by 岡田貴之/石川浩章

◎公演情報
【HYDE [INSIDE] LIVE 2024 -EXTRA-】
2024年10月27日(日)
千葉・幕張メッセ
<セットリスト>
M1 LET IT OUT
M2 AFTER LIGHT
M3 I GOT 666
M4 DEFEAT
M5 BLEEDING
M6 TAKING THEM DOWN
M7 ON MY OWN
M8 THE ABYSS
M9 永久 -トコシエ-
M10 6or9
M11 MAD QUALIA
M12 SOCIAL VIRUS
M13 MIDNIGHT CELEBRATION II
M14 LAST SONG
M15 PANDORA
M16 INTERPLAY
M17 夢幻 (with Hiro from MY FIRST STORY)
M18 BELIEVING IN MYSELF
M19 GLAMOROUS SKY
M20 SEX BLOOD ROCK N’ ROLL


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