<ライブレポート>WANIMA「たった一人のお前に届けます!」ライブバンドとしての矜持を見せたZeppHanedaワンマン

2024年6月24日 / 13:00

 6月18日、19日、WANIMAの全国ツアー【Catch Up TOUR -1 Time 1 Chance-】の東京・Zepp Haneda公演が行われた。2022年3月からスタートした本ツアー。本稿では、その78本目となる18日のワンマンライブの様子をレポートする。

 開演前より歓声が湧き、SEに「Catch Up」が流れるや否や大合唱のフロア。初っ端から大興奮状態で、メンバーを受け入れる体制は万全だ。やがてFUJI(Dr./Cho.)、KENTA (Vo./Ba.)、KO-SHIN(Gt./Cho.)がステージに登場。KENTAは早速ステージの端から端まで駆け回り、集まったオーディエンスとしっかりと目線を合わせ、密なコミュニケーションを取っていく。

 1曲目は「ONCE AGAIN」。FUJIによるパワーのみなぎるドラミング、KO-SHINによる高音のハモリが疾走感を生み出し、KENTAは熱情たっぷりに歌いながら低音の効いたベースで牽引する。「今日のWANIMA、めちゃくちゃ気合入ってます!」と叫ぶと、「舞台の上で」へ突入。会場はあっという間にクライマックス並の熱量に包まれる。演奏の合間に笑顔で手を振ったり、2階席や奥にいるオーディエンスまで、全員にレスポンスをしフレンドリーに振る舞うKENTAの一方、彼らが奏でるヘヴィなサウンドと背中を押す歌詞がなんとも頼もしい。

 「全曲最後の1曲くらいの気持ちで、たった一人のお前に届けます!」と喉がはちきれんばかりに叫ぶと、すぐさま「Japanese Pride」へ。ラップ調の楽曲でそれまでのロックチューンとはリズムを変え、KENTAはハンドマイクに切り替え縦横無尽に動き回る。度々この日の舞台である「羽田」に歌詞を変えつつ、この日しかないステージを、この日しかないオーディエンスとともに作り上げていた。尚SEから大合唱だったオーディエンスは、3人が演奏を始めるや否や歓声で応え、煽られるままに終始大合唱。ダイナミックな演奏を奏でる3人とともに、誰もが音楽を楽しみ自由に身体を揺らす、音楽愛、WANIMA愛に満ち溢れた空間が構築されていた。

 軽めの音色のギターがそれまでとは少々趣向を変えた「曖昧」に続くと、KENTAが歌い出した瞬間一段と大きな合唱が巻き起こる「アゲイン」へ。〈僕が大事に想う日は 空しさだけじゃ届かない 理屈や理由ならいらない このままじゃ終わりたくないから〉。WANIMAの奏でる音楽は、例え希望に続く灯がわずかしかなくてもそれを絶対に絶やさない、という決意と覚悟の音楽であるように思う。そんな音楽を力強く、優しくステージ上から奏でると、オーディエンスは共鳴するように力の限りともに歌っていた。

 「メロディーに乗せて、手を叩いて、なにも考えなくていい」とKENTAがオーディエンスを導きながら「Do you get it now?」に続き、「次の曲は頭振ろう」と「Chopped Grill Chicken」へ。音楽の乗り方、楽しみ方のバリエーションを次々と提供しながら、オーディエンスと一体となってライブを楽しんでいく。FUJIとKO-SHINは演奏しながら時折フロアを見やっては笑みをこぼし、KENTAは時々ハンドマイクに切り替えながら、音に身をゆだねるように身体を動かしながら歌う。「つづくもの」に繋がったところで本編も折り返し。ここまでノンストップという、驚異的な体力である。

 「眩光」を皮切りに本編後半になだれ込むと、パーティーチューン「ララバイ」「サシヨリ」、「LIFE」、「名もなき日々」、「サブマリン」と次々に畳みかける。ここでラストスパート前の小休止とばかりに短くMCを挟み、「人生一回きりやから。誰が何と言おうと自分のやりたいことをやってください。思いやりと配慮は忘れないようにね」と語りかけ、「JOY」へ。フロアのボルテージも最高潮になる中、「BIG UP」、「Damn away」に続き、嵐のような勢いで18曲を届け切った。

 アンコールでは、本ツアーのファイナルとして11月9日と10日に東京・有明アリーナ公演が、23日と24日には兵庫・ワールド記念ホール公演が行われること発表。そしてMCも束の間、アンコールだけで全10曲というボリュームで楽曲を次々と披露した。「Drive」、「花火」、「Hey Lady」、「リベンジ」、「1988」など懐かしい楽曲から最新曲まで、はじける笑顔を見せる3人と狂乱のフロアが、アンコールならではの自由で伸び伸びとした雰囲気を作り上げる。何度目かの「ラスト1曲!」の言葉から放たれた「いいから」で締めくくられた本公演。とにかくパワーに満ち溢れる、ライブバンドとしての矜持が溢れる公演であった。

Text:村上麗奈
Photo:Yukihide “JON…” Takimoto

◎公演情報
【WANIMA CatchUpTour – 1time 1Chance -】
2024年6月18日(火)
東京・Zepp Haneda

【Catch Up TOUR Final 2022-2024】
2024年11月9日(土)10日(日)東京・有明アリーナ
2024年11月23日(土・祝)24日(日)兵庫・ワールド記念ホール
https://wanima-live.com/catchupfinal22_24/


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