<ライブレポート>≠ME、結成5周年を記念したコンサートを開催「≠MEとして皆さんに出会えたこともすべてが運命だったように感じています」

2024年3月11日 / 19:00

 指原莉乃がプロデュースを手掛けるアイドルグループ≠MEが、3月3日に結成5周年を記念したコンサート【≠ME 5th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT】を武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで開催した。

 自身最大規模となる初のアリーナ単独公演で、約1万6000人(昼夜2公演)を動員する今回のライブ。開演前から客席が熱気に包まれる中、Overtureでは大きなコールが響き渡り、センターステージのスポットライトの下に冨田菜々風が登場。純白のドレスに身を包んだ彼女が「天使は何処へ」の頭サビを圧巻の歌唱力で独唱すると歓声が上がり、続けて他のメンバーがポップアップから次々に姿を見せる。後半、冨田がステージ上段でオーラたっぷりに踊り、他のメンバーが下段でそれを支えるようにフォーマンスする構図になると「おー!!」という興奮の声が轟いた。

 続く「チョコレートメランコリー」は菅波美玲と谷崎早耶の小悪魔的なセリフに客席が沸き、「桃色デイブレイク」はセンターを務める櫻井ももがマイクスタンドを構えるポーズからスタート。櫻井の艶っぽく伸びやかな美声が響き、ファンは一斉にペンライトを振って盛り上げる。そして、炎の演出と迫力のダンスで魅了した永田詩央里センター曲「ワタシアクセント」、緑のレーザービームの中でダイナミックに踊った「アンチコンフィチュール」まで怒涛の勢いでオープニングブロックを駆け抜けた。

 ダンスナンバーに乗せたノリノリの自己紹介を挟み、ここからはガラッと雰囲気を変えたステージで≠MEのふり幅を見せる。蟹沢・川中子奈月心・櫻井・冨田の4人による「月下美人」は、大きな月の映像を背負ってエモーショナルに熱唱。繊細で切ない歌声が胸を震わせる。河口夏音、尾木波菜・落合希来里・菅波の4人が客席通路から探検隊風コスチュームで登場した「こちらハッピー探検隊」は、恒例の“雰囲気イリュージョン”を披露。川口を真っ二つにし、その後センターステージからメインステージへ瞬間移動させるというイリュージョンを“成功(?)”させ、会場をユルく楽しい空間に染め上げた。

 2人ユニットのコーナーは、昼公演でのオリジナルver.とメンバーをシャッフルしたサプライズ演出に歓喜の渦。鈴木瞳美&谷崎の「2時半ろけんろー」(オリジナルは永田&本田珠由記)、永田&本田の「ピオニーズ」(オリジナルは蟹沢&冨田)、蟹沢&冨田の「サマーチョコレート」(オリジナルは鈴木&谷崎)という組み合わせで、衣装もそれぞれオリジナルver.を着用。グループのポテンシャルの高さと進化をアピールするような≠ME初の試みに客席は大熱狂だった。

 スクリーンにピンク色の「WARNING」が映し出され、「超絶可愛い注意報が発令されました! 皆様、ただちに避難してください!」とアナウンスが流れると、メンバーが通路のお立ち台に散らばって「想わせぶりっこ」をキュートに。続く「てゆーか、みるてんって何?」はトロッコで会場を細かく回りながらファンとコミュニケーションをとり、鈴木がセンターを務める「ポニーテール キュルン」は力のこもった“ガチ恋口上”でボルテージが急上昇。会場中に笑顔の花が咲いた。

 ここで場内が暗転し、5年間の軌跡や想いを回顧するメンバーのインタビュー映像が流れる。リーダー・蟹沢の「この楽曲に出会わせていただけて感謝の気持ちでいっぱいです」という言葉が終わると同時に水色の新衣装に着替えたメンバーが登場。3月20日に発売される1stアルバム『Spring In You』のリード曲「ラストチャンス、ラストダンス」を初披露し、美しい桜の映像とともに青春感たっぷりのパフォーマンスを届けた。

 まだまだノンストップで進むライブ。「す、好きじゃない!」「はにかみショート」「初恋カムバック」はキラキラの笑顔で幸せを届け、メインステージに満天の星がきらめく中で歌った「まほろばアスタリスク」は情感豊かなボーカルが絶品。大サビでは大量の銀テープが舞い、盛り上がりに一層拍車をかけた。

 終盤、ここで初めて本格的なMCタイムに入ると、12人が順番に今の素直な想いを語る。絶対的センター・冨田は「≠MEに出会えたことも、≠MEとして皆さんに出会えたこともすべてが運命だったように感じています。(中略)大好きな皆さんを私たちが世界一幸せにできるように頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いいたします!」と力強く。そしてスクリーンに22時を指した時計が現れると本編ラスト曲「デートの後、22時」がスタート。柔らかな風が吹くようなナンバーを、最後の1秒まで全力で届ける姿が目に焼き付いた。

 アンコールは、川中子センター曲「君はスパークル」で再び熱気が上昇し、トロッコでファンに接近した「自分讃歌」、デビューミニアルバムのリード曲「秘密インシデント」で一体感あふれる空間を作る。そして本当に最後の1曲が始まろうとした瞬間…。「ATTENTION!!」の文字とともにアラート音が鳴り響き、ざわつくメンバーと観客の目に飛び込んできたのは、新たな全国ツアー【≠ME 全国ツアー2024「やっと、同じクラス」】の開催決定だった。開催地はメンバーの出身地で、これまでに行ったことのない鹿児島県などを含む全国8会場。しかもツアーファイナルは初の神奈川・横浜アリーナ。それらが発表されていく映像をファンと一緒に見つめ、喜びと驚きで動揺するメンバーが続出する中、蟹沢が「春から夏にかけて楽しみがたくさん待ってます。≠MEと最高の季節にしましょう!」と呼びかけた。

 うれしいサプライズで盛り上がりが最高潮に達し、その中で披露したグループ初のオリジナル「≠ME」は、「好きだー!!」と全員で声を合わせるシーンで今日イチの叫びがこだま。ライブのゴールテープを切る瞬間まで“青春”を感じさせてくれる瑞々しいステージで5周年のメモリアルなライブは幕を閉じた。全国ツアーは4月29日の東京・東京ガーデンシアターからスタート。2か月半後のファイナル・横浜アリーナでは、より大きく、頼もしく成長を遂げた彼女たちに出会えるに違いない。

Text by 川倉由起子

◎公演情報
【≠ME 5th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT】
2024年3月3日(日)
東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ


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