『サウンド・オブ・ミュージック』より美しく鮮明に刷新 不朽の名作を4Kデジタル・リマスターで観た

2025年11月19日 / 18:00

 名作『サウンド・オブ・ミュージック』が公開から60年を経て、4Kデジタル・リマスターで11月21日から特別劇場公開される。

 これまでも40周年の際にデジタル・リマスター版が制作され、現在はブルーレイやDVD以外に配信でも観られるようになっているが、当然だけれど、4Kは圧倒的に映像が美しい。その違いは随所で見られる。まずは自然豊かな風景だ。映画の舞台は、東アルプス山脈を臨むオーストリアのザルツブルク。オープニングから空撮された山や森、湖がスクリーンいっぱいに映し出されるのだが、森の緑も、水面に映る山の姿もとにかく色が鮮やか。そこに続くマリア(ジュリー・アンドリュース)がひとり大きく手を広げて丘で歌うシーンはとても有名で、ポスターや映像商品のジャケットにもなってきたけれど、映像が美しくなったことで臨場感が増している。修道院の院長に礼拝に間に合わなかった理由として、マリアが「空は青く、緑がむせかえるようでした」と話すのだけれど、その歓びをより深く共感できるのがうれしい。

 また、全体に光と影のコントラストがさらに明確になったことで、登場人物の表情が読み取りやすく、セリフだけではなく、表情からも感情がより伝わってくるようになっている。たとえば、ラブシーンがそうで、トラップ家の長女リーズル(シャーミアン・カー)が郵便配達の少年ロルフ(ダニエル・トゥルーヒット)と月夜にデートするシーンでは16歳の少女の表情がキラキラしているし、ブルーの瞳がより輝いて見える。また、彼女の父親であるトラップ大佐(クリストファー・プラマー)がパーティーの夜にパティオでマリアと踊るシーンでは、2人がお互いに好意を寄せている気持ちに気付き、戸惑う様子がより浮き彫りになっている。さらにマリアがトラップ家に家庭教師としてやってきた初日の夜、雷鳴に眠れない子供達がマリアの部屋のベッドで体を寄せ合って、雷を怖がるシーンは、子供達の背中の影がより怖さを強調することにもなっていて、リアルに彼らの感情とそこから芽生えたマリアとの絆がもっと強く感じられる。

 映像が美しくなることで、こんなにも没入感が違ってくるのかと驚く。そして、それによって心奪われるポイントが異なってくるのではないかと思う。

 『サウンド・オブ・ミュージック』はミュージカル映画の名作で、本作から今も愛され続けている「サウンド・オブ・ミュージック」「ド・レ・ミの歌」「私のお気に入り」「エーデルワイス」などの名曲が生まれている。このほかにも修道院で歌われる讃美歌も美しく、音楽もデジタル・リマスタリングで音質がかなり向上している。

 そんななかでも、音楽祭で一家が「エーデルワイス」を歌うシーンには、今の時代だからこそ気付かされる価値がある。ナチスが台頭するドイツとオーストリアが併合されて、戦争の足音によって国が分断されていく時代、一家も音楽祭のあとで亡命するわけだけれど、そのステージで大佐が国を愛する気持ちを込めて、「エーデルワイス」を一緒に歌うように観客にうながす。ドイツ軍に会場を監視されているなかで生まれた静かな一体感は、音楽の力をあらためて教えてくれる。

 先に公開された全米では異例のヒットを記録したこの4Kデジタル・リマスター。その理由は、映像の美しさだけではない。時代を超えて愛され続けている名作の感動を大音量も魅力の劇場でぜひ体験していただきたい。2週間限定公開の貴重な機会をお見逃しなく。

Text by 服部のり子

◎公開情報
『サウンド・オブ・ミュージック』(4Kデジタルリマスター)
2025年11月21日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか公開
上映素材:4K DCP(素材は4K映像ですが、スクリーンによって2Kになることがございます)
アスペクト:FLAT
音:5.1ch
監督:ロバート・ワイズ
出演:ジュリー・アンドリュース、クリストファー・プラマー、エリノア・パーカー、ペギー・ウッド、ニコラス・ハモンドほか
配給:カルチャヴィル合同会社
(C) 2025 20th Century Studios.
“THE SOUND OF MUSIC”(C)1965 20th Century Studios, Inc. All rights reserved

〈上映劇場〉
★2025年11月21日(金)~12月4日(木)期間限定公開

11月21日(金)~
北海道:TOHOシネマズすすきの
東京:TOHOシネマズ日比谷、109シネマズ二子玉川
千葉:シネマイクスピアリ
茨城:イオンシネマ守谷
栃木:宇都宮ヒカリ座
石川:イオンシネマ金沢
福井:福井メトロ劇場
愛知:イオンシネマ名古屋茶屋、イオンシネマ常滑
大阪:大阪ステーションシティシネマ、109シネマズ箕面
広島:八丁座
福岡:イオンシネマ福岡
宮崎:宮崎キネマ館
沖縄:桜坂劇場、ファミンチュシアター

11月23日(日)、12月1日(月)
山口:山口情報芸術センター[YCAM]

11月27日(木)~
鹿児島:ガーデンズシネマ

11月28日(金)~
東京:109シネマズ プレミアム新宿
神奈川:109シネマズ港北
栃木:小山シネマロブレ
愛知:ミッドランドスクエア シネマ
兵庫:塚口サンサン劇場
山形:鶴岡まちなかキネマ
熊本:Denkikan

11月29日(土)~
千葉:キネマ旬報シアター


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