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歌い手の吉乃が、自身初のカバーライブ【カサブランカ】を1月20日および21日に東京・恵比寿ザ・ガーデンホールで開催した。
今回の公演は自身初となるライブで、チケットが即完、それに伴って急遽2DAYS開催が行われていた。そしてライブ2日目である1月21日公演のMCにて、ポニーキャニオンよりメジャーデビューすることを発表。8月には初の大阪公演となる大阪・Zepp Namba、東京・Zepp DiverCity(2DAYS)でのカバーライブツアーを開催することもあわせて明らかになった。
また下記、同公演のオフィシャルレポートが到着している。
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吉乃はこれまでの活動で様々な楽曲を動画サイトで“歌ってみた”投稿を行ってきた。今までは動画上でしか聴くこと、見ることが出来なかった吉乃が待望のワンマンを開催することになり、発表後からも大変大きな注目を浴びた。
1月20日、21日、場所は恵比寿ザ・ガーデンホール。
吉乃にとっても、ファンにとっても念願となる吉乃の初LIVE【吉乃 1st COVER LIVE “カサブランカ“】が開催された。開場前から大勢の観客が会場に集まり、超満員で観客席が埋まった今回のLIVE。
オープニングがはじまると、ステージの幕が上がり、会場の中央に大きな筒状のカーテンが登場しその中から吉乃が姿を現すと、会場中から大きな歓声が巻き起こった。程なくして会場は、吉乃の“生の歌声” “生のパフォーマンス”に驚愕する。
1曲目に披露されたのは「ボッカデラベリタ」。吉乃が活動初期に動画投稿にて披露した“歌ってみた”楽曲。イントロが始まると、テーマカラーである紫のペンライトで会場は埋め尽くされた。と同時に、観客が彼女のステージパフォーマンスに一気に魅了されている様子が伺えた。低く攻撃的な歌唱でスタートし、囁くような声やサビでは響く高音を会場中に響かせる。1曲でいくつもの歌声を披露するだけでなく、間奏部分では、おそらく初披露となる吉乃によるリズミカルなダンスパフォーマンスで観客を一気にロックしていく。
ここからは、まさに「吉乃劇場」の開演と言わんばかりに、彼女オリジナルのパフォーマンスが次々と披露されていく。「ロウワー」では小刻みな歌声から一気に感情を強く込めた歌声に変化するなど、テクニカルな技術を使いながら、間奏では優雅なバレエを意識したダンスを。「デーモンロード」では妖しさを滲ませた歌声の中で人形のような動きを。「コールボーイ」では左右自由に揺れながら、魂を揺さぶる絶叫やがなり声を入れ、続く「Overdose」では伸びのある歌声を披露しながら、激しいダンスを披露。
1曲1曲が全く異なる世界観の楽曲を、歌声の抑揚とニュアンス、そして吉乃によるオリジナルのダンスをステージで披露し、観客を魅了していった。このスタートの5曲で彼女のライブの凄みを誰もが感じたであろう。
1つは、その歌唱表現力。
通常、曲ごとや、1番と2番、もしくは小節ごとで歌い方の違いを出し、楽曲に表現を与えていくのが通例ではある。しかし、吉乃は更に細かく“ワードごとに声のニュアンス”の違いを自身の歌唱方法で表現している。だからこそ、吉乃が歌うことによって、楽曲の新たな世界観や魅力に気づきを得られるため、リスナーは彼女の歌声に魅了される。それが生のステージで披露され、心に真っ直ぐに突き刺さり、驚きにも感じる感動を会場に集まった全員が感じたに違いない。
そしてもう1つは、吉乃の全身を使ったパフォーマンス。
今回初披露となる、彼女のダンスは、どの曲も彼女がとことん追求しながら考えたであろうと感じずにはいられなかった。楽曲によって動きが全く違う、他では見たことがない全て彼女オリジナルのダンスであり、パフォーマンスであった。だからこそ、会場にいた誰もが彼女に目を奪われたように感じられた。
なぜ吉乃が1曲1曲、1ワード1ワードにこだわったパフォーマンスが出来るのか……。
「ここまで歌い手文化を築いて頂いた皆様に祝福があるように」という意味で、花言葉の1つに「祝福」という意味がある「カサブランカ」を彼女は今回のLIVEタイトルにした。そのことからもわかるように、彼女は歌い手文化やボカロ文化に最大級のリスペクトを持ち、歌い手として活動できることへの感謝を、LIVEタイトルを通じて強く伝えている。だからこそ、1つ1つのワードも物凄く大切にし、こだわったオリジナルのパフォーマンスで、文化への「感謝」、そして楽曲への「愛」を表現しているかのようなLIVEだからこそ、会場中の誰しもの心に突き刺ささり、目が奪われたのではないだろうか。
そう感じずにはいられない“歌い手”吉乃のパフォーマンスが次々と披露されていく。
「神っぽいな」では伸びのある歌声と共に力強いRAPを、「浴槽とネオンテトラ」では寝ながら歌うが声量が全く変わらないという圧倒的な声量と技術を、「うつけ論争」「KICK BACK」「夜咄ディセイブ」では情熱的かつ、力強い歌声を披露。
「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」「ライカ」では、軽快なステップを交えながら、ビートに合わせたテンポ良い歌声を。「ダーリンダンス」では可愛く楽しく表現し、「可愛くてごめん」では更に甘くキュートな歌声を披露した……と思いきや毒のあるワードで悪意に満ちた声とパフォーマンスを行い観客ドキッとさせた。
そしてこの2日間ではそれぞれの日程で異なるAdoの楽曲も披露された。20日に披露されたのは「私は最強」。ステージの中心で君臨するかの如く、大きく両手を使った振りを入れながら、伸びのある歌声や高音、ファルセットを随所に使いわけていった。21日に披露されたのは「ウタカタララバイ」。歌うことが難しいとされている難解なRAPを今度は左右に自由に揺れながら、様々な声質を分けた高音を多用し歌いあげていった。また途中感情が溢れたかのようにしゃがみながら歌うなど、こちらも吉乃による楽曲への解釈によるパフォーマンスを展開していった。
また、20日は「千本桜」、21日は「ロストワンの号哭」、両日ともに披露された「アンノウンマザーグース」と、ボカロの大名曲も披露し、歌い手文化やボカロ文化への感謝を彼女なりに伝えているのがひしひしと感じ取れた。
「私は、私達は」では1つ1つの言葉を右手で強く表現しながら、まっすぐな歌声がダイレクトに心に響いてくる。間奏では掛け声と共に一転した可愛いダンスに惹きつけられた。
最後に披露されたのは先日動画投稿されたばかりの「劣等上等」。
全身を使い、言葉の1つ1つでニュアンスを変えていく、彼女のパフォーマンスの魅力が全て詰まったようなフィナーレとなった。
今回のLIVEを通じて、ステージで唯一無二のパフォーマンスを披露する“歌い手”吉乃という印象を強く印象付けたのではないだろうか。また21日、2日目公演のMC中も発表があったが“ポニーキャニオンよりメジャーデビュー”することが決まった。本公演ではカバー曲であったが、今後メジャーの舞台で、オリジナル楽曲でどのように表現されるのか注目せずにはいられない。
ちなみにLIVEタイトルの “カサブランカ”にはもう1つの花言葉がある。その言葉が「純粋」。彼女がそこに込めた意味は「歌うことが好きだという気持ちをいつまでも持っていたいという気持ちから」。2月に“歌い手”としての活動が5年になる吉乃。おそらく、今回会場に来た誰もが思うのは、歌い手として活動している吉乃への感謝であろう。そして今後もLIVE活動でそのパフォーマンスを早く観たいと思わせる2日間であったに違いない。
歌を純粋に愛し、その愛を持って1つ1つの楽曲に向き合う彼女の歌声やパフォーマンスを、投稿される動画はもちろんのこと、21日・2日目公演の最後で「次は夏にZeppでお会いしましょう!」との発表があったように、次回のLIVEではファンならずとも歌を愛する全てリスナーに会場で彼女のステージを目と耳と心に焼き付けて頂きたい。
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◎公演情報
【吉乃 COVER LIVE TOUR 2024 “爪痕”】
2024年8月7日(水) 大阪・Zepp Namba
2024年8月14日(水) 東京・Zepp DiverCity
2024年8月15日(木) 東京・Zepp DiverCity
Live Photo by 中原 幸
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