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三浦大知の新しいミュージック・ビデオが、1月17日24時に突如公開された。いや、正しくはMVではない。なぜならば、音がないから。ボーカルもトラックも何ひとつ音が入っていない、無音の映像なのだ。映像の中では、全身黒の衣装を身に纏った三浦大知と男女10人のダンサーたちがキレキレのダンスで様々な表現を見せている。その間、三浦の口元は明らかに歌っている。これは所謂「無音ダンス」とは違う。新曲のMVなのかもしれない。だが、いつまで待っても音が聴こえてこない。最初は思わずスマホ、パソコンの音量を確認してしまったが、こちらのデバイスの不具合などではない様子。「なんだ、ああよかった」と安堵している場合ではない。この映像はどういう意図で公開されたのだろうか。時間にして3分45秒、無音のダンスパフォーマンスから、楽曲をイメージしながら考察してみた。
映像の冒頭、カメラは三浦を中心とした合計11人の姿を斜め上から捉える。その光景はまるで1本ずつ立てられたピンのようにも見える。視点が真正面に変わると、暗がりの中で激しい動きのシンクロダンスが始まった。出だしから、張り詰めた空気、緊張感が伝わってくる。三浦の表情はシリアスで、何かを訴えかけているようだ。横一列になったり円状に広がったりしながら躍動していたダンスが急に止まり、ダンサーたちは縦3列になった。三浦は、よろよろした足取りで列の間を縫うように歩いている。うつむきがちで冴えない表情はとてもネガティブに映る。この時点で、社会を取り巻く暗いムードの中に生きているのであろう、主人公の胸の内が浮かんできた。群れから離れるように隅に歩いていくと、何かを確かめるように独白している三浦。そして振り返り、躍動感を取り戻すと中央に立ち、ダンサーたちと共にパワフル且つしなやかなダンスを見せる。その姿は生命力に溢れていて、身体中から漲るエネルギーが、力強いメロディとサウンド、ビートを連想させた。ダンサーの距離は等間隔で、一人ひとりがこの世界の中に自分だけの立ち位置を持っている、もしくは持つべきだという人々へのメッセージにも思える。2番らしきパートでは、人々は倒れ、三浦は誰かの背中にもたれながら運ばれている様子が見られる。いずれも感情表現豊かな動きで、現代を生きる人間の社会との関係を歌っていること、個人の心情が描かれた楽曲であることを感じることができた。そして何より、全編で見せる三浦の圧倒的なダンスパフォーマンスに釘付けになった。
途中、映像が三浦の上半身のアップになると、前半と違った自信に満ちた表情で、グッと何かを引き寄せるような動きを見せた。ポジティブさを取り戻したようなアクションに勇気づけられる。そんな姿から、真っ黒な衣装は決して暗くネガティブな心の象徴ではなくて、どんな色にも染まらない、人間が持つ“強さ”の象徴であることが伺える。
7年ぶりのオリジナル・ニューアルバム『OVER』のリリースを2月14日に控える中で公開されたこの無音MV。これまでも全身を使ったハイクオリティな歌とダンスで、常に人々を感動させてきた日本屈指のアーティストが世に放つ、新たなメッセージとは。どんな楽曲のダンスパフォーマンスなのか、今後の展開に大いに期待したい。それはきっと、『OVER』の世界観を示唆していると共に、三浦大知の新たなフェーズを伝えてくれるはずだ。
Text by 岡本貴之
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