【2023年ライブレポまとめ】King Gnu/SUPER BEAVER/THE ALFEE/ハリー・スタイルズら話題のライブを振り返る

2023年12月31日 / 12:00

 多くのアーティストが待望の“声出し解禁”を実現するなど、数年前までは普通だった光景がやっとライブシーンに戻り始めた1年となった2023年。当記事では、2023年に国内で開催された公演のライブレポートをまとめてプレイバックしていく。

 冒頭で触れたように、今年のライブシーンを象徴するトピックとして“声出し解禁”をまず挙げる必要があるだろう。LUNA SEAはキャリアを総括するベストライブで3年ぶりに歓声を浴び、Saucy Dogは全公演がソールドアウトしたホールツアーで声出し解禁の喜びを噛み締めた。また、LiSAは22年11月にリリースしたアルバムを携えて約4年ぶりに声出しOKのツアーを開催。HYDEは声出しを含むコロナ禍で導入された様々な制限を撤廃し、見事「あの時からの続き」を魅せた。

<ライブレポート>LUNA SEA、3年ぶりの歓声と共に奏でた感動のベストライブ
<ライブレポート>Saucy Dog、声出し解禁の喜びをリスナーと共に噛み締めたホールツアー東京公演
<ライブレポート>LiSA“声出し解禁ツアー”完遂「最高な幕開けを何度でも迎えよう!」
<ライヴレポート>HYDE、幕張メッセのツアーファイナルで奏でた「あの時からの続き」

 ライブシーンがかつての活気を取り戻す中で、その勢いにマッチするように自身最大規模の公演に挑むアーティストも多数見受けられた。Vaundyは全公演即日完売のホールツアー、SUPER BEAVERは山梨・富士急ハイランド コニファーフォレスト、そしてEveはさいたまスーパーアリーナでそれぞれ自身過去最大規模の公演を成功させた。

<ライブレポート>Vaundy、全能感に満ちたホールツアー完遂
<ライブレポート>SUPER BEAVER、自身最大キャパで過去最大の“アイラヴユー”を届けた富士急2DAYS
<ライブレポート>Eve、自身最大規模のワンマンで観客と巻き起こした“花嵐”

 今年も多くのアーティストがそれぞれのキャリアの節目を祝った。シドは結成20周年イヤーを駆け抜け、上坂すみれは音楽活動10周年を立川ステージガーデン2デイズで振り返った。ばってん少女隊は地元・福岡で8周年記念ライブ、NEMOPHILAは東京ガーデンシアターで4周年ワンマンでこれまでの歩みをファンと分かち合った。そして、梶浦由記は自身の濃密なキャリアを詰め込んだ30周年ライブツアーを展開。

<ライブレポート>「俺は歌うぞ! まだまだ歌えるぞ!」――シド結成20周年イヤーが開幕、かつての“渋公”で迎えた新たな船出
<ライブレポート>上坂すみれ、音楽活動10周年を迎えた東京公演「最強のオタクとなりし、お主ら」
ばってん少女隊、8周年記念ライブのレポート到着 オフィシャルファンクラブ開設の発表も
NEMOPHILA、4周年ワンマンライブのレポート到着
<ライブレポート>梶浦由記のパレードはこの先も続いていく――30周年ライブ東京公演を振り返る

 周年関連の公演は他にも多く開催された。BAND-MAIDは約8か月にわたりアメリカ、メキシコ、日本で結成10周年記念世界ツアーを回り、横浜アリーナでフィナーレを迎えた。SUPER★DRAGONはグループの9周年イベントで念願のメジャーデビューを発表。未来への希望の詰まった日となった。また、急逝した櫻井敦司にとって残念ながら最後のツアーとなってしまったが、BUCK-TICKもデビュー35周年のアニバーサリーイヤーを故郷・群馬で開催した貫禄のステージで締めくくったことにも触れておくべきだろう。

BAND-MAID、結成10周年記念世界ツアーを横浜アリーナ公演で完遂 2024年夏にはフルアルバムリリースも決定
<ライブレポート>SUPER★DRAGON、9周年イベントでメジャーデビュー発表「これからも愛情を込めて音楽と向き合っていくのでついてきてください!」
BUCK-TICK、メンバーの故郷・群馬でデビュー35周年を締めくくる

 2023年に“初”を成し遂げたアーティストも多数いた。Adoは自身初の全国ツアー、菅田将暉は初めての日本武道館公演を開催した。また、MAISONdesと結束バンドはそれぞれ初ライブを見事成功させた。また、共に昨年新メンバーが加入した私立恵比寿中学と超特急は、それぞれ新体制での初全国ツアーを完走した。

<ライブレポート>Ado初の全国ツアー【蜃気楼】過去と未来をつなぐ、今この瞬間の決意
<ライブレポート>菅田将暉の初武道館ライブに見た、挑戦し続ける表現者の矜持
<ライブレポート>MAISONdesが初ライブ開催――「ヨワネハキ」が転機となったasmi「人生を変えてくれたと言っても過言ではない」
<ライブレポート>『ぼっち・ざ・ろっく!』の初ライブ、結束バンドが鳴らしたロックの快哉
私立恵比寿中学、10人新体制初となる全国ツアー完走
超特急、“8号車の日”に新体制初全国ツアー完走「僕たちを、僕たちでいさせてくれてありがとう」

 振り返ってみると、アリーナやスタジアム規模に初めて到達したアーティストが多く観られたのも2023年の特徴と言えるだろう。King Gnuは初のスタジアム公演を東京ドームで開催し、UVERworldは日産スタジアムのステージに初めて立った。香取慎吾はソロシンガーとして自身初のアリーナ公演で計2万人を動員。M!LKも初のアリーナ公演を横浜アリーナで開催し、ファンを熱狂させた。さらに、YOASOBIやINIもそれぞれアリーナ規模のツアーに初めて挑むなど、人気の拡大をライブを通して強く証明する形となった。

<ライブレポート>King Gnuが辿り着いたセレモニーの終着点、初のスタジアム公演を振り返る
<ライブレポート>UVERworld 7万2000人と叫び、歌い、誓った初の日産スタジアム公演【THE LIVE】
<ライブレポート>香取慎吾、自身初のソロアリーナ公演で見せた変幻自在のエンタテイメント・ショー
M!LK、初のアリーナ公演に1万2千人が熱狂「いつまでもみんなの近くにいることを約束します」
<ライブレポート>YOASOBI、圧倒的なパワーで作り上げた“夢のような体験” 初のアリーナツアー【電光石火】埼玉公演
<ライブレポート>INI、初のアリーナツアー締めくくった武道館公演「皆さんをもっともっと大きな舞台に連れて行きたい」

 “初”もあれば“久しぶり”もある。ポルノグラフィティとthe GazettEはそれぞれ約8年ぶりに日本武道館公演のステージに立った。BABYMETALは約2年ぶりにライブシーンに舞い戻り、稲葉浩志は約7年ぶりのソロライブを開催。かつて同じグループのメンバーとして活動していた黒宮れいと金子理江は、新ユニットREIRIEの初ライブにて5年ぶりに再集結した。また、サザンオールスターズは10年ぶりに【茅ヶ崎ライブ】を復活。hide with Spread Beaverは25年ぶりワンマンライブを開催するなど、ベテランアーティストによる感動の公演も話題になった。

<ライブレポート>ポルノグラフィティ、8年ぶりの武道館で新しい“暁”の光を見せた【18thライヴサーキット “暁”】
<ライブレポート>the GazettE、約8年ぶりの日本武道館公演で魅せた『MASS』に込めた想い
<ライブレポート>BABYMETALと“ライブ”が復活した一夜
<ライブレポート>稲葉浩志、約7年ぶりとなるソロライブで再認識したファンとの“縁”「生まれ変わったような気分です」
REIRIE(黒宮れい&金子理江)1stライブで5年ぶりに並び立つ「“愛してる”を教えてくれたから“愛してる”を伝えたい──」5月から全国ツアーも
<ライブレポート>サザンオールスターズ、10年ぶり【茅ヶ崎ライブ】でファンと再会した歓喜と狂乱の宴
<ライブレポート>hide with Spread Beaverがワンマンライブを開催、全員で迎えた25年目の“春”

 当たり前かもしれないが、ライブに欠かせないのが会場だ。今年はその会場に深いつながりを持った公演も開催された。新たにオープンしたZepp Shinjuku (TOKYO)のこけら落とし公演初日をSUPER BEAVERが担当し、ゆずがKアリーナ横浜のこけら落としを2デイズで見事に盛り上げ、今後首都圏のライブシーンを支えていくであろう会場の歴史に名を刻んだ。また、めでたい節目を迎えたのはTHE ALFEE。12月23日に開催した公演がなんと日本武道館での100回目のライブとなった。初めて同会場で公演を行ったのは1983年。40年の時を経て成し遂げた偉大な記録だ。

<ライブレポート>SUPER BEAVER、Zepp Shinjuku (TOKYO) “正真正銘のこけら落とし”で見せつけたライブバンドの矜持
<ライブレポート>ゆず「誕生おめでとうございます!」Kアリーナ横浜こけら落とし公演初日に見せた真摯なメッセージと祝祭のパフォーマンス
<ライブレポート>ゆず、Kアリーナ横浜こけら落としDAY2は興奮と感動のエンターテイメントショーに
THE ALFEE「これからも自分たちだけの道を歩んでいこう」奇跡の初回公演から40年──100回目の日本武道館 完全ライブレポート公開

 2023年も嬉しいことに海外アーティストの来日公演が実現した。【SUMMER SONIC 2023】のヘッドライナーを完遂したブラーとケンドリック・ラマーはそれぞれ9年ぶり・5年ぶりの来日となった。同じく5年ぶりに来日が実現したハリー・スタイルズは2日間を通して感謝と愛の気持ちを伝えた。他にもジョーイ・バッドアスやチャーリー・プースも5年ぶりに来日を果たし、ボブ・ディランも7年ぶりの日本公演でなおも進化し続ける凄みを見せつけた。

【SUMMER SONIC 2023】ブラー、完全体で魅せた9年ぶり来日公演<ライブレポート>
【SUMMER SONIC 2023】ケンドリック・ラマー、世界最高峰のラッパーが魅せる5年ぶりの来日公演<ライブレポート>
<ライブレポート>ハリー・スタイルズ、感謝と愛の気持ちで溢れた来日公演で18曲も披露
<ライブレポート>ジョーイ・バッドアスが5年ぶりライブで広めた“胸を張って自分を信じ、突き進むこと”
<ライブレポート>チャーリー・プース 観客と共に歌い創り上げた5年ぶりの来日公演
<ライブレポート>ボブ・ディラン来日公演に見た、今なお進化し続けるミュージシャンの凄み

 昨年に引き続き、K-popアーティストの来日も大いに盛り上がった2023年。ENHYPENは初の単独ドーム公演、Kep1erは初のアリーナツアーを開催。昨年のデビュー以降、日本でも音楽ファンから高い評価を受けているNewJeansは前述の【SUMMER SONIC 2023】にて日本のフェスに初登場した。デビュー15周年を迎えた2PMは約7年ぶりに来日し、SHINeeは5年ぶりにアリーナツアーを開催した。

ENHYPEN、8万人を動員した初の単独ドーム公演【ENHYPEN WORLD TOUR ‘MANIFESTO’ in JAPAN】
Kep1er、ファンからのサプライズに感涙 初のアリーナツアー開幕
【SUMMER SONIC 2023】NewJeansが待望の日本フェス初出演、魅力的な音楽とフレッシュなパフォーマンスにスタジアムが熱狂<ライブレポート>
<ライブレポート>2PMが7年ぶりに日本の地へ、笑いあり涙ありの3時間半超えステージはヒット曲と圧巻の連続
<ライブレポート>SHINeeの輝きが眩しすぎた5年ぶりツアー最終日、来るドーム公演の内容も自らネタバレ

 2023年は豪華な共演も実現した。NEMOPHILAは対バンツアー最終日に大先輩・デーモン閣下と共演し、一夜限りのスペシャルセッションを奏でた。マカロニえんぴつはバンドに大きな影響を与えた憧れの存在であるユニコーンとの対バンを実現させた。そして、ボーカル同士が兄弟であるMY FIRST STORYとONE OK ROCKによる“史上最大の兄弟喧嘩”【VS】が東京ドームで開催されたのも大きな話題を生んだ。

NEMOPHILA、デーモン閣下を迎えた対バンツアーファイナルの公式レポート到着
<ライブレポート>マカロニえんぴつが辿り着いた“あこがれ”ユニコーンとの対バンライブ
<ライブレポート>MY FIRST STORY VS ONE OK ROCK、対バンライブ【VS】で見せた魂と魂のぶつかりあい「俺たちの力でまた戻ってきます」

 始まりもあれば終わりや変化もある。乃木坂46の1期生として2011年から約12年間活動してきた齋藤飛鳥は2022年12月にグループからの卒業を発表。2023年5月17日~18日の東京ドーム公演がメンバーとしての最後のライブとなった。そして、現グループ名から改名することを発表しているSexy Zoneは、“Sexy Zone”としての最後のライブを同じく東京ドームにて12月25日に開催。終演後もファンはグループ名を叫び続け、その愛を全身全霊で伝えた。

乃木坂46【齋藤飛鳥 卒業コンサート】初日の公式ライブレポ到着、in 東京ドーム
乃木坂46【齋藤飛鳥 卒業コンサート】最終公演、“アイドル・齋藤飛鳥”のラストステージ「人生大満足です」
<ライブレポート>Sexy Zone、現グループ名義最後のライブで「完璧で究極」を体現

 昨年以上にコロナ前の姿にライブシーンが近づいた2023年。この勢いをそのままに、2024年はさらなる盛り上がり、そして進化が見られるのではないか。そういう期待感が生まれるような活気に溢れた1年だった。


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