<ライブレポート>チャーリー・プース 観客と共に歌い創り上げた5年ぶりの来日公演

2023年10月30日 / 15:00

 シンガーソングライターのチャーリー・プースが、ワールドツアー【The “Charlie” Live Experience】のアジア公演として、2023年10月17日と18日に東京・有明アリーナにて来日公演を開催。大観衆と共に1時間半で17曲を歌い上げた。このレポートでは、17日のライブの模様をお届けする。

 2022年秋にリリースした3rdアルバム『CHARLE』を引っ提げて行われているこのツアー。来日公演は2018年以来じつに5年ぶりとなるということもあり、開演前から若い世代を中心とした観客が会場に詰めかけた。

 開演時間を過ぎ、SEでマイケル・ジャクソン「Don’t Stop ‘Til You Get Enough」が大音量で流れた後、場内が暗転。オープニングのイントロに合わせて、ド派手なレーザーライトが飛び交うと、黒のタンクトップにジーンズ姿のチャーリー・プースがステージに登場した。ものすごい大歓声に両手を広げて応えると、客席に向かって投げキッス。「Charlie Be Quiet!」の歌い出し<Charlie, be quiet, don’t make a sound>を一節歌うと、「Are You Ready, Tokyo!? Make some noise!」と煽ってライブがスタート。両手を耳にあてて歌声を求めると、会場中から大合唱が起こった。ショルダーキーボードを手にして、ギタリストと向かい合ってソロを聴かせ、さらに指を鳴らしながらリズムを取って合唱を促す。リズムもそのままに「No More Drama」へと続き、憂いのあるメロディとファルセットを使ったボーカルで魅了する。バンドは下手にキーボード、ギター、上手にドラム、ベースのシンプルな編成で、タイトな演奏がよりチャーリーの歌声を際立たせている。

 「5年振り! 元気だった!?」と呼び掛けて始まった「Attention」では、冒頭から合唱を促して、<runnin’ round, runnin’ round, runnin’ round>とリフレインに声を合わせる等、ライブ全般を通して、随所でマイクを向けてオーディエンスと一緒に歌うシーンが目立った。共同制作したザ・キッド・ラロイとジャスティン・ビーバーのコラボ曲「STAY」を披露すると、オーディエンスはコール&レスポンスに大反応。総立ちの客席はオープニングからずっと湧きっぱなしだ。曲のエンディングでは、ドラマーの凄まじいソロがフィーチャーされ、バンドのプレイヤーたちの力量も示された。

 BTSのJUNG KOOKとのコラボ曲「Left And Right」のコーラスパートが流れると、ツアータイトルの【Live Experience】にかけて、「スネアがこう鳴って、ギターがこう」と、曲の成り立ちを語りながら歌唱へと進む。横ノリのリズムに体を揺らすオーディエンスに対して、左右のスタンドごとにコール&レスポンスを求めて最後は全員でコーラスを取るように呼び掛ける。歌の力で会場全体を1つにするステージングはさすが。立ったままキーボードをリズミカルに叩きながら歌う「BOY」の途中、右手で鍵盤を弾きながらスキャットでユニゾンしてみせるチャーリーにどよめきにも似た歓声が起きる。段違いの歌の上手さと凄みを見せつけたシーンだった。「Light Switch」のエンディングではギタリストがエモーショナルなソロを聴かせる。続いてキーボードの前に立ち「Dangerously」を歌うことが告げられると、大歓声が沸き起こる。静かに鍵盤を弾きながら歌い、サビの<Baby I loved you Dangerously〉を歌うことを求めるチャーリーに応えて、ステージと客席が1つになって歌いあげた。

 おもむろに歌い出した「We Don’t Talk Anymore」は、曲間に80年代~90年代に活躍したシンガー・セレーナのメロウナンバー「Dreaming of You」、マリオ・ワイナンズの「I Don’t Wanna Know」をそれぞれマッシュアップして、その都度「We Don’t Talk Anymore」のサビに戻る演出も。歌い出しのコーラスからドッと湧いた「I Don’t Think That I Like Her」は、もちろん大合唱に。ギタリストが弾くアコースティック・ギターの優しい音色も相まって、ハートフルな空気に包まれる中、会場中が両手を頭上で叩きながら一体となった。もの悲しい旋律が胸に迫る「Loser」、見事なファルセットボーカルとベーシストの超絶ソロも印象的な「Done For Me」と、16ビートの躍動的な演奏に乗せたボーカルが続き、ひと際ダンサブルな「How Long」へ。後半、ショルキーを持ち80’sサウンドを連想させるシンセソロを聴かせて興奮を加速させ、バンドの演奏が続く中でステージを後にした。

 「チャーリー!!」コールに応えてすぐにステージに戻ると、「One Call Away」を力強く歌い上げて、会場中が手を叩きながらの大合唱。曲の最後はロングトーンのシャウトを聴かせて拍手喝采となった。改めてバンドを紹介して称えると、「もう1曲やろうか」とピアノを弾き出したのは、バラード曲「See You Again」。1曲まるごとチャーリーと共に歌うオーディエンス。バンドの音が加わった終盤ではステージから金テープが飛び、腕を左右に振りながら一体となり、感動的なフィナーレとなった。オープニングからエンディングまで、常にオーディエンスと共に歌ってステージを作り上げた、最高に一体感のあるライブだった。

 

Text:岡本貴之
Photo: Aysia Marotta

◎公演情報
【The “Charlie” Live Experience】
2023年10月17日 東京・有明アリーナ

◎セットリスト
1. Charlie Be Quiet       
2. No More Drama       
3. Attention    
4. Stay (The Kid LAROI(Cover))
5. Left and Right       
6. Boy           
7. Light Switch       
8. Dangerously       
9. We Don’t Talk Anymore   
10. I Don’t Think That I Like Her  
11. Cheating On You      
12. That’s Hilarious       
13. Loser           
14. Done For Me
15. How Long 
Encore    
16. One Call Away       
17. See You Again


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