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2020年の米大統領選挙に立候補したカニエ・ウェストが、2024年の選挙戦には出馬しないようだ。
現地時間2023年10月19日に公開された米ローリング・ストーンの記事で、現在イェーと名乗るラッパーが2度目の選挙戦に打って出ることはないと彼の個人弁護士であるブルース・マークスが語った。まだ始まってもいないカニエの選挙活動を終了させるために動いていると報じられているマークス弁護士は、「彼は2024年の選挙候補者ではありません」と話している。米ビルボードはマークスにカニエの大統領選立候補の取りやめについてコメントを求めているが、現時点で回答は得られていない。
“カニエ2020”政治委員会が10月に連邦選挙管理委員会に提出した書類には、今年1月から9月までの直近の報告期間において、カニエの選挙活動が50州および米国領土すべてにおいて一次支出に充てた金額がゼロであることが示されていた。また、直近の報告期間において同政治活動が調達した金額がゼロであり、手元資金が2万5000ドル(約370万円)以下であることも示されていたようだ。
カニエは昨年、反ユダヤ主義的な憎悪に満ちた暴言を連発したことで、かつて圧倒的な成功を収めていた音楽とファッションのキャリアが崩壊した。それ以来、彼は控えめな活動を続けており、ホワイトハウスへの2度目の立候補が中止されたというニュースは、彼の最初の選挙戦が貧弱なものであったことを考えれば驚くべきことではない。
カニエは2020年7月4日にバースデー党(Birthday Party)の旗の下、大博打と言える大統領選挙活動を開始すると発表したが、そのタイミングがあまりにも遅かったため、わずか12州でしか候補になれなかった。選挙活動中の演説はたった1回、土壇場での2本の動画広告を出しただけだったこともあり、ポップ・カルチャー的な大看板を持ち、何百万人もの聴衆を取り込むことができたにもかかわらず、2期目を目指していたドナルド・トランプ前大統領とジョー・バイデン現大統領の選挙におけるカニエの得票数は合計6万票という結果に終わった。カニエはこの成功の見込みがほぼなかった選挙戦に900万ドル(約13億円)の私財を投じたと報じられている。
直近のカニエの大統領選挙活動は、5月に英国の右翼政治コメンテーター、マイロ・ヤノプルスが“YE24”キャンペーンの”政治活動責任者”であると宣言したことで、不安定なスタートを切った。米ローリング・ストーンによると、名誉毀損防止組合が「女性嫌い、人種差別的、外国人嫌い、トランスジェンダー嫌いの荒らし(troll)」と呼んでいるヤノプルスは、現在はカニエの政治団体から給料をもらっていない。同誌はまた、米国の政治活動で意思決定の役割を果たすために外国籍の人間を雇うことは合法なのかという深刻な疑問が今年初めに提起されたとも報じている。
また、匿名の関係者が同誌に対し、予測不可能なカニエの気が変わる可能性はあるものの、「そのような計画はない。(中略)選挙運動の体制も何も整っていない」と語っており、選挙活動の再始動の可能性は“ほとんどない”と述べている。現時点でカニエ本人は出馬断念に関するこの報道についてコメントしていないようだ。
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