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ドージャ・キャットの新曲「ペイント・ザ・タウン・レッド」が1位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
「ペイント・ザ・タウン・レッド」は、9月22日に発売予定のニュー・アルバム『スカーレット』からのリード・シングルとして8月4日にリリースされ、8月19日付で15位に初登場した後、8月26日付で15位、9月2日付で5位にTOP10入りして、9月9日付で3位、そして今週(9月16日付)登場5週目で首位に到達した。
Hot 100での首位獲得は、2020年5月16日付で初の1位を記録した「セイ・ソー feat. ニッキー・ミナージュ」以来約3年ぶり、2曲目のタイトルで、以下に続く7曲目のTOP10入りを果たしている。
1位「セイ・ソー feat. ニッキー・ミナージュ」(2020年)
3位「キス・ミー・モア feat. シザ」(2021年)
8位「ニード・トゥ・ノウ」(2021年)
7位「ウーマン」(2022年)
3位 ポスト・マローン「アイ・ライク・ユー(ア・ハッピー・ソング)with ドージャ・キャット」(2022年)
10位「ベガス」(2022年)
1位「ペイント・ザ・タウン・レッド」(2023年)
史上1,155番目の首位を獲得した「ペイント・ザ・タウン・レッド」は、今週の集計期間(9月1日~9月7日)にエアプレイが3,210万回(14%増加)、ストリーミングが2,770万回(10%増加)、セールスは8,000(32%増加)をそれぞれ記録して、ストリーミング・ソング・チャートで2位をキープ。デジタル・ソング・セールス・チャートで6位から5位、エアプレイ・チャートでも17位から15位に最高位を更新した。
ジャンル別では、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートで、それぞれ3週目の首位を獲得。前者では「セイ・ソー」に続く2曲目、後者では初の1位を獲得した。
Hot 100でラップ・ソングが1位を獲得するのは、2022年8月27日付でNo.1デビューしたニッキー・ミナージュの「スーパー・フリーキー・ガール」以来54週間ぶりで、2023年では初のタイトルとなる(ラップ・ソングの定義はラップ・ソング・チャートにランクインした曲とする)。
なお、その間にはリル・ダークの「オール・マイ・ライフ feat. J.コール」(2023年5月27日付)、ドレイクの「サーチ・アンド・レスキュー」(2023年4月22日付)、ドレイク&21サヴェージの「リッチ・フレックス」(2022年11月19日付)がそれぞれラップ・ソングとして最高2位を記録しているが、首位には到達しなかった。
ラップ・ソングとしては、1999年7月24日付で1位を獲得したウィル・スミスの「ワイルド・ワイルド・ウェスト feat. ドゥルー・ヒル&クール・モー・ディー」から、2001年2月3日~10日付の2週を記録したシャギーの「イット・ワズント・ミー feat. リカルド“リックロック”デューセント」まで、79週間という最長期間を空けて以来のブランク記録となる。
8月初週から今週までの首位獲得曲は以下のとおりで、ドージャ・キャットは先週まで4曲連続(6週間)で1位を独占していたカントリー勢をおさえ、ラップ/ヒップホップ・アーティストとしてトップに立った。
8月5日:ジェイソン・アルディーン「トライ・ザット・イン・ア・スモール・タウン」
8月12日~19日:モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」
8月26日~9月2日:オリヴァー・アンソニー・ミュージック「リッチ・メン・ノース・オブ・リッチモンド」
9月9日:ザック・ブライアン「アイ・リメンバー・エヴリシング feat. ケイシー・マスグレイヴス」
9月16日:ドージャ・キャット「ペイント・ザ・タウン・レッド」
また、初登場ではなく下位から上昇して1位に到達したのは、4月29日付に登場19週目でトップに立ったシザの「キル・ビル」以来20週間ぶりで、その間に首位を獲得した以下のタイトルは、モーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」を除き、すべて初登場1位だった。
4月29日:シザ「キル・ビル」
5月6日~7月8日:モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」
7月15日:オリヴィア・ロドリゴ「ヴァンパイア」
7月22日:モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」
7月29日:JUNG KOOK「Seven feat. ラトー」
8月5日:ジェイソン・アルディーン「トライ・ザット・イン・ア・スモール・タウン」
8月12日~19日:モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」
8月26日~9月2日:オリヴァー・アンソニー・ミュージック「リッチ・メン・ノース・オブ・リッチモンド」
9月9日:ザック・ブライアン「アイ・リメンバー・エヴリシング feat. ケイシー・マスグレイヴス」
9月16日:ドージャ・キャット「ペイント・ザ・タウン・レッド」
なお、シザの「キル・ビル」は4月14日にリリースしたリミックスにドージャ・キャットがゲストとして参加しているが、リミックスがオリジナルのポイントを上回らなかったため、チャートの記録上ドージャ・キャットのクレジットは外されている。
「ペイント・ザ・タウン・レッド」には、1964年にリリースされたディオンヌ・ワーウィックの「ウォーク・オン・バイ」がサンプリングされていて、同曲のソングライターであるハル・デヴィッドとバート・バカラックは、ディオンヌが同64年にリリースした「ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム」のカバーをサンプリングしたトゥイスタの「スロー・ジャムス feat. カニエ・ウェスト&ジェイミー・フォックス」(2004年2月21日付)以来、約19年ぶりの首位を獲得した。
今年の2月8日に死去したバート・バカラックは、1960年代、70年代、80年代、2000年代、2020年代の5年代で自身が手掛けた以下の8曲が首位を獲得している。
※()内は首位到達週
ドージャ・キャット「ペイント・ザ・タウン・レッド」(2023年9月16日)
トゥイスタ「スロー・ジャムス feat. カニエ・ウェスト&ジェイミー・フォックス」(2004年2月21日)
ディオンヌ&フレンズ「愛のハーモニー」(1986年1月18日)
パティ・ラベル&マイケル・マクドナルド「オン・マイ・オウン」(1986年6月14日)
クリストファー・クロス「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」(1981年10月17日)
カーペンターズ「遙かなる影」(1970年7月25日)
B・J・トーマス「雨にぬれても」(1970年1月3日)
ハーブ・アルパート「ディス・ガイ」(1968年6月22日)
2012年に死去したハル・デヴィッドも、バート・バカラックと共作した5曲(1960年代、70年代、2000年代、2020年代)が首位を獲得した。
ドージャ・キャット「ペイント・ザ・タウン・レッド」(2023年9月16日)
トゥイスタ「スロー・ジャムス feat. カニエ・ウェスト&ジェイミー・フォックス」(2004年2月21日)
カーペンターズ「遙かなる影」(1970年7月25日)
B・J・トーマス「雨にぬれても」(1970年1月3日)
ハーブ・アルパート「ディス・ガイ」(1968年6月22日)
ハル・デヴィッドは、自身の名を冠した米ソングライターの殿堂式典【ハル・デヴィッド・スターライト・アワード】が開催される等の功績が称えられ、両者は1972年に【ソングライターの殿堂】入りを果たし、1996年には<ジョニー・マーサー賞>を受賞している。
サンプリング曲「ウォーク・オン・バイ」を歌ったディオンヌ・ワーウィックは、1974年10月26日付で初の首位を獲得したザ・スピナーズとのデュエット「愛のめぐり逢い」以来約49年ぶり、2度目のNo.1タイトルを獲得した。なお、ディオンヌ&フレンズ名義の「愛のハーモニー」を含めると、3曲目の首位獲得曲となる。
タイトルに「ペイント(Paint)」、「タウン(Town)」、「レッド(Red)」のいずれかを含む曲としては、以下に続く通算11曲目の首位獲得で、「レッド」では35年ぶり、「ペイント」では57年ぶりの記録を達成している。
「ペイント(Paint)」
ドージャ・キャット「ペイント・ザ・タウン・レッド」(2023年)
ローリング・ストーンズ「黒くぬれ!(Paint It, Black)」(1966年)
「タウン(Town)」
ドージャ・キャット「ペイント・ザ・タウン・レッド」(2023年)
ジェイソン・アルディーン「トライ・ザット・イン・ア・スモール・タウン」(2023年)
リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」(2019年)
マーク・ロンソン&ブルーノ・マーズ「アップタウン・ファンク」(2015年)
リップス・インク「ファンキー・タウン」(1980年)
イーグルス「ニュー・キッド・イン・タウン」(1977年)
ジョニー・リバース「僕らの街(The Poor Side of Town) 」(1966年)
ペトゥラ・クラーク「恋のダウンタウン」(1965年)
「レッド(Red)」
ドージャ・キャット「ペイント・ザ・タウン・レッド」(2023年)
UB40「レッド・レッド・ワイン」(1988年)
ボビー・ヴィントン「涙の紅バラ(Roses Are Red)」(1962年)
「ペイント・ザ・タウン・レッド」が首位に到達したことで、先週1位に初登場したザック・ブライアンの「アイ・リメンバー・エヴリシング feat. ケイシー・マスグレイヴス」は2位にダウンしたが、今週も3,170万回と高記録を維持して、ストリーミング・ソング・チャートでは首位をキープ。ジャンル別では、カントリー・ソング・チャート、ロック&オルタナティヴ・ソング・チャート、ロック・ソング・チャートでも2週目の首位を獲得した。
また、「アイ・リメンバー・エヴリシング」を収録した最新作『ザック・ブライアン』も、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で2週連続の首位を獲得している。
先週まで8週連続で2位にランクインしたルーク・コムズの「ファスト・カー」も3位に順位を下げたが、前週とほぼ同率の7,780万回を記録して、エアプレイ・チャートでは2週目の首位をキープしている。
TOP3以下は、テイラー・スウィフトの「クルーエル・サマー」が5位から4位、モーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」は4位から5位に順位を入れ替え、デュア・リパの「ダンス・ザ・ナイト」が先週の9位から6位に上昇し、最高位を更新した。
先週7位にTOP10復帰したシザの「スヌーズ」は同位をキープして、R&Bソング・チャートでは8週目の首位を獲得。ガンナの「FukUMean」は10位から8位、オリヴィア・ロドリゴの「ヴァンパイア」は12位から9位、レマ&セレーナ・ゴメスの「カーム・ダウン」も11位から10位にそれぞれ上昇した。「カーム・ダウン」は、今週のアフロビーツ・ソング・チャートで首位獲得週を史上最長の54週目に更新している。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは9月15日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「ペイント・ザ・タウン・レッド」ドージャ・キャット
2位「アイ・リメンバー・エヴリシング」ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス
3位「ファスト・カー」ルーク・コムズ
4位「クルーエル・サマー」テイラー・スウィフト
5位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
6位「ダンス・ザ・ナイト」デュア・リパ
7位「スヌーズ」シザ
8位「FukUMean」ガンナ
9位「ヴァンパイア」オリヴィア・ロドリゴ
10位「カーム・ダウン」レマ&セレーナ・ゴメス
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