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ロッキング・オン・ジャパンが主催・企画制作する日本最大の野外ロックフェスティバル【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023】(以下【RIJF】)が、千葉市蘇我スポーツ公園にて8月5日、6日、11日、12日、13日の5日間にわたって開催された。
2022年に開催地を千葉県蘇我に移した【RIJF】。蘇我での開催2年目となる今年は、計4つのステージに全108組のアーティストが出演した。本記事では、最終日となる13日の模様を厳選してレポート。雷雲の接近で一時中断を余儀なくされたものの、タイムテーブルを一部変更し、出演予定だったすべてのアーティストがステージに立った。
今年CDデビュー10周年を迎えるSHISHAMOは、意外にも今回が【RIJF】初出演。リハーサルから「タオル」でフロアを温め、開演時間になるとSAKEROCKの「URAWA-City」とともにメンバーが登場する。吉川美冴貴(Dr.)が繰り出すパワフルなビートを背に、宮崎朝子(Gt./Vo.)が「はじめまして、SHISHAMOと申します。最後までよろしくお願いします!」と挨拶。オープニング・ナンバー「恋する」から、間髪入れずに「君と夏フェス」「君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!!」とキラーチューンを次々と繰り出し、パンチの効いたアンサンブルで会場のテンションをぐいぐい引っ張り上げていく。
「10周年イヤーに初めて出られて嬉しいです」と喜びを語る宮崎。中盤はミドルバラードの「ハッピーエンド」、四つ打ちが痛快な「夏恋注意報」と、タイプの違った夏の恋歌を連投し、手数の多さを見せつける。スクリーンに歌詞が映された「明日も」では、口ずさむオーディエンスの姿も多く見られた。このままポジティブなムードでライブを締めくくるのかと思った矢先、ラストソングに選ばれたのは「明日はない」。しかめっ面をしながら<どいつもこいつも腹立つな>と言い切るその痛快さたるや、デビュー10周年の貫禄を感じさせた。
BiSH解散後初の【RIJF】出演となるアイナ・ジ・エンドは、バックバンドと2人のダンサーを引き連れ<PARK STAGE>に登場。雷雲の接近により出演時間が1時間押してしまうハプニングに見舞われながらも、ステージに現れるや否や、大雨に濡れたオーディエンスに「みんな大丈夫ですか?待ってくれてありがとう」と優しく声をかけた。かと思いきや、その直後「待たせたな!もう1回ビチョビチョにしてやるよ!」と人が変わったかのように絶叫。好戦的な態度でオーディエンスを扇動し「ZOKINGDOG」へとなだれ込んだ。
「BLUE SOULS」では強かな声色で伸び伸びと、「Red:birthmark」ではヒリヒリとダイナミックに、「名前のない街」では棘を持ちつつも繊細に、まるで服を着替えるかのように曲ごとにさまざまな表情を魅せるアイナ。ラストの「サボテンガール」は渋谷系を思わせる軽やかなサウンドで、サビの手を小刻みに振るダンスがキュートだった。唯一無二の歌声と、見る人を惹きつける多彩な表現力。もっといろいろなパフォーマンスが見たいと掻き立てられるステージだった。
大量のスモークが焚かれた<GRASS STAGE>に登場したVaundyは、「恋風邪にのせて」でライブスタート。スモーキーな声質に圧倒的な歌唱力、ステージ上での堂々とした立ち振る舞いからは、若手とは思えぬ風格を感じさせる。そんな印象とは裏腹にMCは気さくで、客席エリアに向かって「暑いよね?」と駄弁るシーンも。「でもここからもっと熱いぜ!」と、人気曲「napori」をドロップすると、オーディエンスはゆらりゆらりと心地よく体を揺らした。
「ギア上がってねえんじゃねえの!」と語尾強めにオーディエンスを煽り「CHAINSAW BLOOD」のイントロが始まると、GRASS STAGEに一段と大きな歓声が沸き上がる。自身もジャンプしながらバウンスを誘うと、フロアの熱気はどんどん上昇。横殴りの雨さえもステージをヒートアップさせる特効のように機能し、盛り上がりにさらに拍車をかけていく。
「俺と一緒にいると時間が早く過ぎるみたい。またどこかで会おうぜ!」と得意げに語りかけ、ラストは「花占い」で閉幕。かと思いきや、「おい、まだ元気じゃねえか? みんな出しきるんじゃなかったのか? みんななぜ立てている!」と声を張り上げ「怪獣の花唄」へ。疾走感溢れるリズムと華やかなメロディが祝祭ムードを奏で、オーディエンスは思い思いのダンスを踊り、歌う。しかしここでもまだライブは終わらず、とどめを刺すかのように新曲を披露。大きなステージに映えるダイナミックなロックチューンで、鮮烈にこの日のライブを締めくくった。
2023年の【RIJF】大トリを飾るのは、現在ビルボードジャパンチャートでも前人未到の20連覇中のYOASOBI。三階建ての特設セットの中央には、ユニット名のサインロゴが一際大きく光っている。ikuraの「YOASOBI、始めます!」のかけ声とともに、ライブは「祝福」で火蓋を切った。フロアを行き交うレーザーライトや四つ打ちのキックが高揚感を煽るなか、追い打ちをかけるようにikuraが「おい!おい!」とかけ声を煽り立てる。この日のYOASOBIはオーディエンスを焚きつけるMCが多く、今年の【RIJF】を最高の盛り上がりで締めくくろうとする気合いが伝わってきた。
Ayaseが「【RIJF】で一番、いや、この夏一番の思い出作ろうぜ!」と叫んだ「三原色」では、さまざまなアーティスト名が描かれたタオルがフロアを埋め尽くす。「去年はみなさんの心の声をクラップや拳から感じていましたが、こうやってみなさんの本当の声が聞ける日が来て本当に嬉しいです。みんな、こんな熱い声を持っていたんですね」と感慨深げに語るikura。続く「たぶん」では、スマートフォンのライトが客席エリアいっぱいに広がり、幻想的な景色を作り出した。
そしてアンコールでは、ステージがビビッドなピンク色に照らされ、重厚なクワイアが鳴り響く。オーディエンスが期待を募らせるなか、ikuraが「一緒にぶちあがってくれる?」と煽り「アイドル」のイントロが始まると、会場の空気が明らかに変わるのを感じた。<天才的なアイドル様!>とikuraがキメた次の瞬間、火花の特効が飛び出し、オーディエンスは狂喜乱舞。本物のアイドルライブかのごとく会場中に雄叫びが響き渡り、大熱狂のなか5日間にわたるフェスティバルは幕を閉じた。
なお2024年の【RIJF】は、8月に千葉県蘇我、9月に茨城県ひたちなかの2箇所で全10公演を開催予定だ。
◎イベント情報
【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023】
2023年8月5日(土)、6日(日)、11日(金・祝)、12日(土)、13日(日)
千葉・千葉市蘇我スポーツ公園
<8/13セットリスト>
■SHISHAMO
01. 恋する
02. 君と夏フェス
03. 君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!!
04. ハッピーエンド
05. 夏恋注意報
06. 明日も
07. 明日はない
■アイナ・ジ・エンド
01. ZOKINGDOG
02. NaNa
03. BLUE SOULS
04. Red:birthmark
05. 名前のない街
06. サボテンガール
■YOASOBI
01. 祝福
02. 夜に駆ける
03. 三原色
04. セブンティーン
05. ミスター
06. たぶん
07. ハルジオン
08. ツバメ
09. 怪物
10. 群青
11. アドベンチャー
EN. アイドル
※Vaundyのセットリストは非公開です。
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