<ライブレポート>レヴィン・カリ、唯一無二な極上グルーヴで魅了した初来日公演

2023年5月19日 / 20:30

 レヴィン・カリが、初来日公演を2023年4月19日にビルボードライブ大阪、4月21日にビルボードライブ東京にて開催した。
 
 R&Bやネオソウル、ヒップホップを取り入れた最先端のサウンドでリスナーだけでなく、ビヨンセなど名だたるアーティストからもラブコールを受けるシンガーソングライター/プロデューサー、レヴィン・カリ。オランダに生まれ、サンタモニカで育ったレヴィンは、2017年にシングル「Joy」を自主リリース。その後もドレイクや、スノー・アレグラ、スクリレックスらとの共作を経て、2018年にジ・インターネットのシドをフィーチャーしたシングル「Do U Wrong (feat.Syd)」が世界的なスマッシュヒットとなった。プロデューサーとしても、自身の作品を世に出し続ける傍らティナーシェやカイル等と楽曲を制作。2022年には、ビヨンセの最新作『ルネッサンス』に収録されている4曲を共作・プロデュースし、そのうち「PLASTIC OFF THE SOFA」が第65回グラミー賞にて、最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンスを受賞している。本稿では、記念すべき初来日となった東京公演・2ndステージの模様をお届けする。

 今回レヴィンの初来日との事もあり、彼のステージを一目みようと会場にはファンが集っていた。オンタイムを迎えると、黒い衣装を身に纏ったバンドメンバーのパフ・スカボロー(Gr)、ソロモン・ファゲンソン(Ba)、キャメロン・ジョンソン(Dr)が先にステージに登場し、セッションを始める。そこにレヴィン(Vo/Key)が満を持して登場すると温かい拍手と声援が贈られ、そのままレヴィンはマイクを手に「Sumwrong」を歌い出し、ショーはスタート。ソウルフルでスウィートな歌声とバンドが奏でるグルーヴが会場を早速包み込む。その極上サウンドにオーディエンスもたまらず身体を揺らし、1曲目から圧巻のパフォーマンスで魅了した。

 その後のMCで、レヴィンは笑顔でメンバー紹介や挨拶を経ると、「日本にこれるのはすごく大きい事、事前にみんなに伝えたいことを準備したんだ」と自身のスマートフォンの翻訳機能で日本語に変換し「東京、今夜はきてくれてありがとう。今夜は楽しみましょう!」「一緒に歌おう、私と一緒にダンス。パーティーしよう!」とオーディエンスにスマホの日本語音声を届けると、温かい歓声と拍手が沸き起こった。そこからレヴィンは「Eek」のイントロを鍵盤で奏で、甘くメロウな歌声を届けると再び心地よいグルーヴィーなサウンドに包まれる。レヴィンは時折、踊りながらアフロコームで髪をとかし、バンドメンバーと笑顔でパフォーマンスを楽しんでいる姿が印象的だった。そして「Everything of Joy」へと繋げ、曲を終えるごとに歓声と拍手が沸き起こった。

 そこからステージ後ろのカーテンが開くなか届けた「Get By」、「Nunwrong」とパフォーマンス。そして、レヴィンが「次の曲はもしかしたら一番のお気に入りかもしれないんだけど、今回が初披露だ。自分にとっても特別だよ。皆も楽しんでくれるといいな」と観客にスタンディングを促し、重厚なギターサウンドが印象的な「Get By」を披露。そして、打って変わってファンキーなダンス・ナンバー「Let it Rain」と立て続け、バンドメンバーと紡ぐ唯一無二な極上グルーヴで会場中を踊らせた。ジ・インターネットのシドをフィーチャーした「Do U Wrong」では、シドのパートをレヴィンが歌い上げ、初めてライブで披露した「Forever」から「Joy」までパフォーマンス途中も歓声が沸き起こる程、会場のボルテージは鰻登りに。ラストは「Smile」を届け、盛り上がりが最高潮のなか「i love you! 来てくれてありがとう!」とステージを後にした。

 温かい拍手で迎えたアンコールでは「Mine」を披露し、大盛況のなかステージに幕を閉じた。コンポーザーとしてだけでなく、シンガーソングライターとしてのレヴィン・カリの初来日公演はまさに圧巻の約60分だった。

Text by Rumi Miyamoto
Photo by Masanori Naruse

◎セットリスト
【Leven Kali】
2023年4月21日(金)東京・ビルボードライブ東京
1. Sumwrong
2. Eek
3. Everything of Joy
4. Tears of Joy
5. Nunwrong
6. Get By
7. Let it Rain
8. Do U Wrong
9. Forever
10. Thursday
11. Joy
12. Smile

-En
En1. Mine


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