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2022年12月公開され、現在も全国の劇場で上映中の大ヒットアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』。長い時を経ての映画化、しかも原作者である井上雄彦が監督・脚本であるというセンセーショナルなニュースの後、そのオープニング主題歌をThe Birthdayが飾り、10-FEETがエンディング主題歌を担うという驚愕の一報は音楽ファンのみならず世間をもざわつかせました。映画は言わずもがなの傑作。今回はその映画を構成する音楽作品をフィーチャー、ネタバレなしです。
「LOVE ROCKETS」(’22)/ The Birthday
主題歌発表時のチバユウスケのコメントには「オファーが来て正直びっくりしました」や「スラムダンクのイメージも、読んだことがなかったので勝手に真逆の場所にいると思ってた」という言葉と、2012年8月21日の井上雄彦公式Twitterの投稿「暑いのでヘッドホンでThe Birthday聞きながら原稿、おお、はかどる」と、映画におけるこの曲の扱われ方の緻密さから察するに、この事件は監督からの熱烈ラブコールで実現したものと推測します。経緯はどうであれ、この起用によって我が子が属するミニバスケットボールチームの練習時にThe Birthdayが爆音で流れるようになりました。音楽とアニメとスポーツの繋がりを感じる日常での出来事。衝撃的な現実に涙がこぼれそうです。
「第ゼロ感」(’22)/10-FEET
この曲の疾走感。これこそが、映画『THE FIRST SLAM DUNK』作者・井上雄彦の言葉「知らない人には初めての、知ってる人には、知ってるけど初めて見るスラムダンク」を音楽で具現化していると言えるのではないでしょうか。スラムダンク世代と言われる筆者は過去のアニメ放送からくる“『スラムダンク』=ビーイング”という強固なイメージを持っていましたが、映画予告動画で目にした新たな画と耳にしたこの曲によって過去のイメージはスッとなくなり、まさに“知ってるけど初めて”な、不思議なくらいフラットな感覚で作品を楽しめました。なお、10-FEETはこの曲でバンド初となるストリーミング累積再生回数1億回を突破。結成25年で新境地を切り開く姿勢に勇気づけられます。
「Double crutch ZERO」(’22)/ 10-FEET
映画のエンディングは作品を決定づけると言っても過言ではありませんが、バンドが「エンドロールが終わるまでが映画だという思いで制作しました」とコメントしているとおり、映画『THE FIRST SLAM DUNK』のそれにガチっとはまりきっているこの曲の効果も相まって、エンドロールの最後の最後まで号泣させられました。映画を見終えた時の感情は毎回違いますが、この映画では薄暗い客電が点いた劇場を放心状態で後にした時、心がじんわりと温かくなっていくのがとても心地良かったのでした。なお、この曲は「第ゼロ感」が生まれる過程で生まれた作品だそうで、「第ゼロ感」のデモ音源ができ、この曲が生まれた後に「第ゼロ感」が生まれたそうです。
「Slash Snake」(’22)/10-FEET
映画『THE FIRST SLAM DUNK』の劇中音楽は、武部聡志と10-FEETのTAKUMAが手掛けています。そのため、オープニング主題歌以外の、映画のほぼ全域にわたって起用されている音楽の大部分が10-FEETの音世界で構成されているように聞こえるほどの統一感があります。このインスト作品「Slash Snake」も映画を彩る重要な楽曲のひとつで、シーンに登場するキャラクターの内面とそのキャラクターが置かれた状況を音で巧みに表現しています。ただ、映画は現在公開中なので、ここではこの曲がどこで登場するかなどの具体的なシーンについては触れずにおきます。映画『THE FIRST SLAM DUNK』をまだ観ていない人は、曲のみ予習して劇場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
「BLIZZARD GUNNER」(’22)/ 10-FEET
先にピックアップした「Slash Snake」と同じくインスト作品で、映画『THE FIRST SLAM DUNK』の重要シーンで起用されている「BLIZZARD GUNNER」。この曲が流れるシーンではキャラクターが過去を振り返る姿や、過去の出来事と区切りを付け、気持ちを切り替える場面が描かれており、観る者の涙を誘います。「いつもの10‐FEETでは絶対に出てこない音階や音色がでてきました」というバンドのコメントにもあるように、これが10-FEETのサウンドなのかという驚きも。今回ピックアップした映画『THE FIRST SLAM DUNK』で起用されている10-FEETの4作品は、2022年12月14日にリリースされた9thアルバム『コリンズ』に収録されています。次作が早くも待ち遠しい、新たな映画『SLAM DUNK』の世界。今後もその音楽にも注目です。
TEXT:早乙女‘dorami’ゆうこ
早乙女‘dorami’ゆうこ プロフィール:栃木県佐野市出身。音楽を軸に、コンサート制作アシスタント通訳、音楽プロモーション、海外情報リサーチ、アニメや人形劇の英語監修及び翻訳、音楽情報ウェブサイトにて執筆。
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