【深ヨミ】生前最後のリリースとなった作品が首位獲得 坂本龍一さんのアルバムの販売動向を調査

2023年4月16日 / 14:00

 2023年4月17日付のBillboard JAPAN週間“Top Albums Sales”で、坂本龍一さんの『12』が6,189枚を売り上げ首位を獲得した。(集計期間2023年4月3日~4月9日)

 『12』は坂本龍一さんの71歳の誕生日である2023年1月17日に発売され、前作『async』から約6年ぶりのリリースとなるオリジナル・アルバム。しかし、2023年3月28日に死去したため、生前最後のリリース作品となってしまった。本作はリリース週(1月16日~1月22日)に12,493枚を売り上げ3位を獲得した。そして本集計期間内の4月5日には、リリース後即完売となったアナログ盤のアンコールプレスがあったが、さらに訃報が届いたことで、10週ぶりのトップ10入り、及び初の首位獲得となった。

 ここでは、アルバム『12』の販売動向を、SoundScanJapanのデータを元に調査した。

 まず、『12』の初週から本集計期間の販路別(実店舗、Eコマース)の販売比率をグラフ化したものが図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/124145/2)である。

 リリース週である2023年3週(1月16日~1月22日)はEコマースの比率が72.3%である。最近は一般的な作品も初週はEコマースの販売比率が高くなる傾向にあるため、本作もそれにあてはまる。その後は48%から62%の間を推移し、ほぼ実店舗とEコマースは同等の販売比率となっている。しかし本集計期間においては、初週を上回る82.9%がEコマースでの販売となっている。実店舗に在庫を置く事が難しいアナログ盤のアンコールプレスがあり、Eコマースの比率が増える要素はあった。但し、当週の『12』のアナログ盤の販売比率は30%に過ぎず、多くの人が実店舗に足を運ぶよりも、在庫確認等が容易で、確実に入手できるEコマースを選択しているようだ。

 また、今回の訃報を受けて、坂本龍一さんの全ての作品や、YMOの作品も全体的にセールスが大きく伸びている。アルバムセールスランキングにもかなりの作品がランクインしており、トップ100には下記10タイトルが、トップ300までみると、実に41作品がランクインしている。

〇アルバスセールストップ100以内に登場した坂本龍一さん関連の作品(集計期間2023年4月3日~4月9日)
1位『12』坂本龍一
8位『Ryuichi Sakamoto:Playing the Piano 12122020』坂本龍一
24位『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』YMO
47位『async』坂本龍一
51位『戦場のメリークリスマス』坂本龍一
53位『UCYMO』YMO
64位『Ryuichi Sakamoto 映画音楽ベスト「UF」』坂本龍一
71位『BTTB』坂本龍一
81位『UTAU』A PROJECT OF TAEKO ONUKI & RYUICHI SAKAMOTO
97位『未来派野郎』坂本龍一

 更に坂本龍一さんとYMOの全ての作品の2023年のセールス枚数を調査したのが図2(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/124145/3)である。YMOの作品については折れ線グラフ、坂本龍一さんの作品については本作と旧譜を分けるために、『12』の販売枚数と、『12』を除いた坂本龍一さんの全作品の販売枚数を積み上げグラフとして表示している。

 このグラフを見ると、『12』のリリースがあった2023年3週(1月16日~1月22日)は販売枚数が大きく伸びているが、坂本龍一さんの他の作品は若干販売枚数が減少している。一方、YMOの作品は販売枚数を増やしている。その後は『12』と、YMOの作品は徐々にセールスが減少していくが、5週(1月30日~2月5日)あたりで坂本龍一さんの『12』以外の販売枚数が伸びている。これは、『12』リリース時はYMOのCDを同時に購入している人が多いが、『12』購入後は坂本龍一さんの他の作品を購入している人が多いという傾向が表れている。

 また『12』だけでなく、坂本龍一さんの作品、YMOの作品は14週(4月3日~4月9日)で大きく伸びている。YMOの作品は前週比11倍、坂本龍一さんの作品は前週比35倍、『12』に限ると前週比48倍となっており、偉大なアーティストであった坂本龍一さんの影響力の大きさが示された結果となっている。

 坂本龍一さんのご冥福をお祈りするとともに、彼が残した名曲の数々がこれからも人々にの心に残り続ける事を願う。


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