Z世代の学生が作り上げた卒業ライブ

2023年2月10日 / 12:00

【7m!n】『日本工学院専門学校×JOL*PLUS+「White Rabbit」』(2023年2月1日@Zepp Haneda) (okmusic UP's)

今春に卒業を控える、日本工学院専門学校・蒲田キャンパス / コンサートイベント科の2年生にとって集大成となるイベントが、各日テーマを分けた形で1月31日、2月1日の2日間に渡り、Zepp Hanedaにて開催された。Z世代と呼ばれる感性、目線で構築されるライブは、企画、制作、音響、照明、舞台、ケータリングに至るまで、ライブを開催するにあたって必要と思われる全てのパートを学生が担っている。このライブレポートも学生の手によるもので、拙い言葉で綴られてはいるが想いは響く。
【2023年1月31日】  『日本工学院専門学校×HIGHWAY STAR presents INTO→』

まず初日は『日本工学院専門学校×HIGHWAY STAR presents INTO→』と題され、フロントActに登場したのはshuri。ステージはアコースティックギターとカホン、そしてshuri(Vo)のシンプルな3人編成。J-POP2曲のカバーからスタートした。shuriの武器である力強い歌声は、それでいて女性らしく囁くように寄り添い観客の心を一瞬にして鷲掴みにする。彼女のオリジナル曲「終わらない」では、”くじけそうだ、自分は駄目なのかもしれない、と抱え込んでいる人へ後押しがしたい”、そんな音楽にかけた思いを乗せた楽曲だ。最後のサビ前、マイクを通さない生の歌声は、叫ぶような力強さで私たちを魅了し、たった3曲と短い時間ではあったが、15年という活動期間で得た様々な感情を一瞬でぶつけられた。「音楽が好きだ」という彼女の想いが観客に届いたのだろうか、止まらない拍手の熱気に包まれ舞台を後にした。

【Shuri セットリスト】

1.ひたむき

2.Curtain Call

3.終わらない
続いては、今年初ライヴのLONGMAN。SEに合わせて灯りが照らされると、観客のクラップと共にメンバーが登場。タイトル通りの「OPENING」を演奏すると会場のボルテージが一気に上昇する。男女ツインヴォーカルということで、さわ(Ba&Vo)の伸びのある声とひらい(Gu&Vo)のパワーある声、ほりほり(Dr)が叩く軽やかなドラムの音が加わり、爽やかでエネルギッシュな演奏を魅せる。「Mind Of Past」では元気にステージ上を駆け回るさわ(Ba&Vo)のはしゃぐ姿が子供のようで、観客もつられて体が揺れる。MCでは、過去に日本工学院のライブに出演した際の話に。「当時担当だった学生さん同士が結婚して挨拶に来てくれた!もしかしたら今日もあるかも…」と恋愛エピソードで会場を和ませ聞かせたのは、ドラマの主題歌にもなった青春ラブソング「愛を信じたいんだ」。これがライブでの初披露ということもあり、客席からは抑えきれない喜びの声が溢れていた。ラストスパートの後半戦、疾走感のあるLONGMANに遅れまいと次々と観客が拳を突き上げる。そして、観客が共に造り上げた一体感のある熱いライブは、トリを飾るnano.RIPEへとしっかりとバトンを繋いでいく。

【LONGMAN セットリスト】

1.OPENING

2.WITH YOU

3.Mind Of past

4.ライラ

5.愛を信じたいんだ

6.Hole up

7.1919

8.Replay

9.Hello Youth

10.Just A Boy

11.WALKING
「こんばんは。nano.RIPEです!」と挨拶の掛け声から演奏が始まると、中毒性のある透き通ったきみコ(Gu&Vo)の声と音圧のあるササキジュン(Gu)のギターが聞く者の心をグッと引き寄せる。「虚虚実実」では、リズムよく刻まれるベースの演奏から展開され思わず身体が反応する。MCでは「多くの学生が携わっていて、愛のこもった1日だった」と話すきみコ(Gu&Vo)。その言葉に私は、制作してきた数か月間の愛を伝えることが出来たと感じて、恥ずかしながら泣いてしまいそうになった。きっと彼女たちの音楽は、あまり知らない人達でも聴き入ってしまうと思う。nano.RIPEのライブをスタッフとして支えることができ、心の底から嬉しく思った。最後のMCで「会いたくなったら会える場所を音楽でつくる」と、重みのある言葉を観客に届けると、ラストとなる「クエスト」を芯のある歌声で響かせ、きみコの世界に引き込んでいく。ラスサビには紙吹雪が会場をキラキラと輝かせ、ラストにふさわしい華やかさで初日のライブを締め括った。

【nano.RIPE セットリスト】

1.面影ワープ

2.ノクチルカ

3.虚虚実実

4.リリリバイバー

5.ハナノイロ

6.ハロー

7.クエスト
【2023年2月1日】 『日本工学院専門学校×JOL*PLUS+ 「White Rabbit」』

ガラッとコンセプトが変わった2日目。こちらは『日本工学院専門学校×JOL*PLUS+「White Rabbit」』と冠し、ステージ上はカラフル、ポップという言葉が相応しいセットが組まれ、今注目されているメンズグループ3組、THE SUPER FRUIT、世が世なら!!!、7m!nの3組が出演し、チケットは即ソールドとなった公演。トップバッターは、世が世なら!!!。「Zepp Haneda準備はいいかー!」の掛け声からステージ上でいつもの円陣で気合を入れ、勢いに拍車をかけていく。オープニングは、Loopi・HMV限定盤ミニアルバム「世が世なら!!!」に収録されている「下剋上、はじめました。」この楽曲ではおんぶをする振付があったり、メンバーがはっちゃける姿が見られた。MCで「7m!nさんとのスリーマンライブー!」と叫ぶメンバー。普段から交流のあるTHE SUPER FRUITと初めての対バンとなる7m!nとのスリーマンに喜ぶその姿に、思わず笑みがこぼれた。彼らのライブのコンセプトは「ライブがエクササイズ」ということで、どの公演でも片手にカロリー消費測定バンドを装着していて、ライブの最後に発表されるという意外性もあり、発表を心待ちにするファンの姿が見られた。そして、終盤に向け勢い3曲を駆け抜け「はじめてのチュウ」を披露。客席へのチュウアピールでファンを魅了していく。最後にデビューシングル「鼓動のFighters」で締めくくった後、気になる消費カロリーを発表し、Zepp Hanedaに爪痕を残した。

【世が世なら!!! セットリスト】

1.下剋上、始めました。

2.Mo-Mo-No-Rock

3.無理無理無理

4.いとしき世界

5.Winter Prince

6.はじめてのチュウ

7.鼓動のfighters
会場の興奮さめやらぬまま、SEが響き「ヤッホー!」と元気に登場したのはTHE SUPER FRUIT。彼ららしいフレッシュなキレのあるダンスで会場を盛り上げていく。MCでは、ひとりひとり個性豊かな自己紹介で会場の空気を一気にスパフルカラーに染め上げる。公演当日が、7m!n白金倫太郎の22歳の誕生日ということもあり、ステージ上で「倫太郎くんおめでとうございます!!」とグループの垣根を超えたお祝いの言葉に会場は温かく包まれた。「君はリアコ製造機」では、目を合わせ歌っているその姿から、メンバーの仲の良さが垣間見えた。お決まりの台詞シーンを田倉暉久がバッチリ決め、会場のファンの胸を打ち抜いた。裏デビューシングル「馬鹿ばっか」では、息の合ったトリッキーなサビのダンスで圧倒する。そして、ラストは彼らのデビューシングルでもあり、TikTokでも大バズりした「チグハグ」で会場全体が一体となり、ボルテージは最高潮のまま大トリでもある7m!nにバトンを繋ぐ。

【THE SUPER FRUIT セットリスト】

1.Seven Fruits

2.学園天国

3.君はリアコ製造機

4.ボクらの夜明け(バラードver)

5.Someday

6.馬鹿ばっか

7.チグハグ
抜群の存在感を放ちながら「圧倒的なんばーわん!」のイントロと共にステージに立つ7m!n。ペンライトの揺れも大きくなっていく。《バタバタ、バタバタ》という歌詞に合わせた振付を、対バン相手でもあるTHE SUPER FRUITの「馬鹿ばっか」を連想させる振付にアレンジした姿を見て、ファンは驚きを隠せない。「buuuuuuun!」では蚊の“ブーン”という羽音に合わせた演出が組み込まれており、会場にはこらえきれず笑いが起きていた。MCでは、種明かしのようにアレンジした振付の話をしてくれ、ほかにも「チグハグ」「鼓動のFighters」のポーズをコピーしていたりと、対バンならではのパフォーマンスに感動を覚えた。そして、最後に歌うのはまもなく2周年になる7m!nのデビュー曲「クロノメーター」。エンディングということもあり、ファンが掲げるペンライトも今日一番の動きを見せる。ステージの中心で輪を作り腕を高くあげるシーンでは、ファンのペンライトとメンバーの動きがシンクロし、7m!nとファンの息の合ったパフォーマンスを目にすることができた。最後には、会場を銀テープが舞い余韻を残したまま本公演は幕引きとなった。

【7m!n セットリスト】

1.圧倒的なんばーわん!

2.なんちゃってね

3.近況ロードshow!

4.buuuuuuun! 

5.海老sorry 

6.REIWASAMURAI~令和はまだ終わんないしょ?~ 

7.ショートスリーシーパー  

8.クロノメーター
撮影:飯島見峰、平野伶、斉藤亮真

取材:朝生未知 、佐藤朱理


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