＜ライブレポート＞初の4デイズ&ドーム開催　【FM802　レディクレGS】Day2 12月26日　全10組レポート&フォト

 毎年大阪の冬を熱くするFM802主催のロック大忘年会・【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY】が、昨年の中止を乗り越えて2年ぶりに行われた。
　しかも今回は【FM802 ROCK FESTIVAL RADIOCRAZY presents THE GRAND SLAM】と題して、12月25・26・27・28日というイベント史上初の4日連続開催に。　加えて会場も初の京セラドーム大阪となり、例年とはひと味違ったビッグスケールで展開。万全の感染症対策が取られるなか、約1万人が沸いたライブ2日目の模様を出演全10組のショートレポート&フォトで紹介する。

●ハルカミライ
橋本曰く”今日の真のアラーム”となりシャウトと爆音で2日目の観客を覚醒。熱量高く爆走を続ける。また「PEAK’D YELLOW」などで聴かせる高らかなアカペラはほどよい緊張を走らせ、ヒリッとした感触もたまらない。ゆえに多くの拳が突き上がり、会場には極寒の日の一番手とは思えない熱気が。そして本人たちも給水時に”京セラドームで飲む水うめぇな”（橋本）とこぼすように大舞台を満喫している様子。気合十分のパンクは広大なドームの空間にも負けないものだった。

●キュウソネコカミ
本気のリハーサル&気がきくトークで会場は開始前から既に一つになって揺れ、フライングの凄まじい一体感。気分よく彼らの術中にはまったところで本編に突入すれば勢いを増して観客を圧倒し、一糸乱れぬダンスも。さらに「GALAXY」ではスマホのライトがドーム中にきらめいて今度は壮観な景色へ。変化球も交えつつ繰り広げるロックはお楽しみが満載で約35分はあっと言う間。”自分たちで（ドームの舞台に）来たいなあ”（ヨコタ）という願いがかなう日はそう遠くないだろう。

●KEYTALK　
彼ららしいトリッキーさや祭りムードを持つ曲たちは、それぞれの上昇気流を生んで会場のボルテージをぐいっと引き上げる。メンバーも2年ぶりの【RADIO CRAZY】出演に喜びを口にし、特に野球好きの八木はドームでの開催に”超うれしい！”と笑顔に。無論、今日も4人のプレイは切れ味鋭く2ボーカルも伸びやかで、メロディアスであやしげな世界観もお手のもの。最後の「桜花爛漫」では心で見る花吹雪を出現させ、スピードを緩めることなく全8曲を駆け抜けた。

●打首獄門同好会
今日の4番バッターの一打目は「新型コロナウイルスが憎い」で拳を掲げさせ、全員の心を一つに。すると早速いつものスクワットも要求して攻めの体勢を安定させ、大画面に流れる高品質のオリジナル映像で視線とハートを盗む。そして大澤の飄々としたしゃべりを挟みながら共感度も高いラウドなロックを鳴らし、今話題の「牛乳推奨月間」からは大和魂を呼び覚ますナンバーを立て続けてゴールへ。当然、頭の中で”あのコール”が大きくリピートしたのは言うまでもない。

●SiM
ダンサブルなナンバーでウォームアップし、「JACK.B」からダーグでアグレッシブな彼らの領域へ。骨太なサウンドを疾走させながら深みへと進めば、ヘドバンも起こってアリーナは大発散の様相。MAHが迫力の咆哮で人々の動きを操る様も圧巻だ。また球場ということで「BASEBALL BAT」をチョイスし、ドームの舞台でMAHがバットを片手に跳ねる場面も。さらに彼からは”ここからは上に行くしかない。来年はいい年になるよ！”といううれしい予言も放たれた。来年のSiMにも要注目だ。

●Creepy Nuts
DJ松永が東京オリンピック閉会式のパフォーマンスを彷彿とさせるルーティーンでボディトリックをキメるとR-指定が登場。「よふかしのうた」「合法的トビ方ノススメ」であっという間に後方まで完璧に盛り上げてしまう手腕はさすがだ。最近のライブ定番曲になりつつある「Bad Orangez」や最新作からのナンバーで、アルバムツアーを経て進化した歌心も存分に聴かせる。2021年は、ライブ初めとフェス収めともに大阪で迎えられたことに感慨深げな2人。ラストナンバーは彼らの生き様を込めた「生業」を選び、今年の経験値の集大成となったステージを締めくくった。

●MAN WITH A MISSION
ジャン・ケン・ジョニーの轟音ギターがドームの広大な空間を切り裂き、トーキョー・タナカの力強い歌声が響き渡る「Change the World」からスタート。10-FEET・TAKUMAともに披露された「database」では、フェスならではの共演に大熱狂！ハンドクラップと一体化した「FLY AGAIN -Hero’s Anthem-」では、モニターに左右に手を振るオーディエンスの笑顔がはじけ、恍惚感が2021年のすべての厄を洗い流してくれるかのよう。「INTO THE DEEP」では、つきあげるような怒涛のビートの渦の中へ。「コエヲダセルヒハチカイ！ライネンハモットイイトシ二！」マンウィズの楽曲が持つスケール感と空間がマッチした圧巻のステージだった。

●東京スカパラダイスオーケストラ
スカパラで踊る準備を整えたオーディエンスの前に登場したのは、白スーツでビシっとキメたTAKUMA！「閃光」で巨大なエネルギーが放たれ、お次はMAHとともに「GUNSHOTS」で身を揺らしたあとは、キュウソネコカミを呼び込んで「メモリー・バンド」。タクロウ不在の中、スーツ姿で歌う4人の姿にグっときてしまった。ジャン・ケン・ジョニーとトーキョー・タナカを迎えた「S.O.S. [Share One Sorrow]」では、究極の生命体とスカパラが時代の突破口を見出すかのようなケミストリーを生み出す。7曲中6曲がコラボとなったお祭り騒ぎの30分。世界に誇るライブバンドによる極上のエンターテインメントを体感した。

●マカロニえんぴつ
サウンドチェックから「粉雪」を熱唱し、気合十分。長谷川のピアノが心躍る「レモンパイ」では、表現力豊かなはっとりの歌声が会場の後ろまで伸びやかに響き渡る。「ドームは初めてです。広いなあ！」と会場を見回す姿が微笑ましい。「物理的な距離はあるけど、あなたに向けて精一杯歌います！」と宣言し、すべてのラジオラバーへとエモーショナルにプレイした「洗濯機と君とラヂオ」では、大きなハンドクラップが鳴り響いた。「出会えてうれしかったです。来年も走らせてください！」真摯にロックに向き合った堂々たるパフォーマンスに大きな拍手が送られた。

●10-FEET
他ステージで3曲熱唱し、大活躍のTAKUMAは疲れを見せることもなく「VIBES BY VIBES」からパワー全開！後方までジャンプの嵐となり、NAOKIの鬼回転も炸裂。「RIVER」では、スマホのライトでウェーブを誘導。眩い光がドームを埋め尽くす光景は感動的でKOUICHIも思わず演奏を止めてしまうほど。「アオ」のドラマチックな曲の力にひきこまれ、MCでは、ラジオへの愛とリスペクトを語るTAKUMAの言葉が心に響いた。本編ラスト「goes on」の演奏中にはサプライズが！突如ステージが回転し、 FM802のDJ陣とキュウソネコカミのメンバーが登場し大団円に。両者の信頼と絆が感じられる笑いと感動の名シーンとなった。アンコールは、割れんばかりのハンドクラップに包まれた「ヒトリセカイ」。ひとりひとりに語りかけるラジオのように、生の声で届ける想いの大切さに改めて気づいた忘れられない夜となった。

　なおFM802では2022年1月10日（月・祝）18:00より、今回の【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM】のライブ音源のみで構成する9時間の特別番組【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY HIGHLIGHTS】がオンエアされる。

Text by 服田昌子、岡田あさみ
Photo by FM802

◎イベント情報
【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM】
開催日：2021年12月25日(土)・26日(日)・27日(月)・28日(火)
会場：京セラドーム大阪
https://radiocrazy.fm/
◎番組情報
【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM HIGHLIGHTS】
●放送日時＝2022年1月10日（月・祝）18:00～27:00
【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM】(12月25日～28日・京セラドーム大阪）【FM802 RADIO CRAZY presents LIVE HOUSE Antenna-GSシリーズ-】(1月4日～6日・Zepp Namba（OSAKA））のライブ音源のみでお送りするスペシャルプログラム。

第1部 18:00-21:00　DJ 浅井博章×加藤真樹子
第2部 21:00-23:48　DJ 落合健太郎×田中乃絵
第3部 24:00-深夜3:00　DJ 土井コマキ×板東さえか