私は私、俺は俺! 胸を張ってそう言いたい人に捧ぐ5曲

2018年5月21日 / 18:00

ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲 (okmusic UP's)

“もっと自由に”“個性を大切にしよう”というスタンスが元来好きです。息苦しさを感じるシチュエーションも少なくない世の中のせいか、なんだか最近は多様性を尊重する楽曲がカウンター的に増えてきている気がしませんか? Creepy Nutsの「みんなちがって、みんないい。」以降は特に。なので、今回は『私は私、俺は俺! 胸を張ってそう言いたい人に捧ぐ5曲』を新譜ものから集めてみました。どれも今鳴らす意味がある名曲!
「アイム・ミー」(’18)/CHAI

今回のテーマでまず挙げるべきアーティストですよね。コンプレックスを個性、アートとして“NEOかわいい”を提唱する話題沸騰中の“ニュー・エキサイト・オンナバンド”CHAI。「アイム・ミー」みたいな自由で素直な曲を聴いていると、わがままの大切さがよく分かってきます。アグレッシブに攻めたサウンドの「N.E.O.」もお勧めだけど、バグルスを彷彿とさせるこの恍惚感&カタコトっぽい英語も◎。MVのダンスがまたキュートです! 3rd EP『わがまマニア』に収録。
「Easy Go」(’18) /エレファントカシマシ

続いてはド頭から痺れっぱなしな“俺”の歌。テレビ東京系ドラマ『宮本から君へ』の書き下ろし主題歌というだけですごい(主人公・宮本浩はエレカシ・宮本浩次の名前が由来)のに、エレカシのデビュー31年目のスタートを告げるのが魂振り絞るようなアップナンバーである事実にも震えます。自分らしく生きて、《転んだらそのままで胸を張れ》ばいいと教えてくれる名曲! サビを締める歌詞が《俺は何度でも立ち上がるぜ》なのですが、こんなにカッコ良い“ぜ”は聴いたことがありません。
「きみのみかた」(’18) /きゃりーぱみゅぱみゅ

「つけまつける」「もんだいガール」など、ここぞのタイミングで世に疑問を投げかけるような楽曲を発表して、聴き手をハッとさせてきたきゃりーぱみゅぱみゅ。こういう時の彼女は全てを超越した、妖精みたいな存在感を放っていますよね。いろんな“見方”を肯定してくれる、少数派の“味方”。J-POPのど真ん中で多様性を尊重する姿勢はさすがです! ラップ調の歌い回しと音のリズムが抜群で、深いメッセージをあくまでポップに仕上げた点も素晴らしい。4月にリリースされた配信シングル曲。
「FREAKS & GEEKS」(’18) /ナードマグネット

6月に発売されるナードマグネット史上初となる両A面シングル「FREAKS & GEEKS/THE GREAT ESCAPE」のタイトル曲。得意のエモーショナルで青すぎる泣きメロに乗せて、画一的な価値観が渦巻くスクールデイズの息苦しさを見事に表現しています。教室の隅っこにいるヤツのほうが、将来は面白くなったりするんですよね。しかしまぁ、こういう状況って社会に出てもままあるし、《アイツらが間違ってる》と思ったのなら自分のその直感を信じるべきでしょう。みんな同じじゃつまらない!
「フリースタイル全部」(’18) /ゆるめるモ!×DOTAMA

ゆるめるモ!とDOTAMAの初コラボ曲。ほのぼのしたトラックの上で自由に生きることをピースフルに歌っていて、聴き進めるうちにグッと勇気が沸いてくる、とても感動的なナンバーになっています。《同じようなラップ 同じようなアイドルに可愛さ 格好良さ ばっかだ》なんて踏み込んだラインも。《いつのまにか決めつけられ いつのまにか閉じ込められ 大人しく止まってたら このまま終わっちゃうよ》とか、考えさせられるポイントがいっぱいです! 5月リリースのシングル「HIPPY MONDAYS EP」に収録。
TEXT:田山雄士
田山雄士 プロフィール:フリーのライター。元『CDジャーナル』編集部所属。同誌の他、『okmusic UP’s』『ナタリー』『bounce』など、雑誌/WEBを中心にお仕事をしています。日本のロックバンド以外に、シンガーソングライターとか洋楽とか映画とかも好きです。


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