石橋凌、田中角栄役に「とうとう来たな」 松重豊と「ロッキード事件」を“再現”

2016年7月14日 / 18:43

 松重豊(左)と石橋凌

 NHKスペシャル「未解決事件 File.05 ロッキード事件」の試写会が14日、東京都内で行われ、出演者の松重豊、石橋凌、製作統括の松本卓臣氏らが出席した。

 「グリコ・森永事件」「オウム真理教」「尼崎連続殺人死体遺棄事件」など、社会に大きな衝撃を与えた事件を徹底検証するシリーズ「未解決事件」。第5弾は、40年前の1976年に、首相経験者が逮捕されるという前代未聞の展開となった「ロッキード事件」の全貌に迫る。実録ドラマでは当時、事件の捜査に当たった吉永祐介・東京地検特捜部主任検事を松重が、田中角栄・前総理大臣を石橋が熱演した。

 石橋は、役のオファーを受けた時に「とうとう来たなと、正直、思った瞬間があった」と告白。自身は、田中角栄に「どこか反感を持ちながらも、魅力を感じていたのは事実」としながら「私の父親が、私が12歳の時に他界して遺影があるのですが、誰かに似ているなと思っていたら角栄さんだった」と笑って明かし、「もしかしたら(自分は)その雰囲気を出せるのかなと思った」と撮影前の心境を振り返った。

 また、役作りに関して石橋は「単純に形態模写じゃダメだけど、特徴であるダミ声は人物の特徴を出すために(必要だった)」といい、「どの程度やるのか、監督から毎回指示を受けながらやった」と述懐。そんな石橋の演技を目の当たりにした松重も「普段は本当に仲良くさせていただいているけど、現場では本当に田中角栄にしか見えなかった。恐ろしくて撮影の合間にもお話ができなかった。第2部では、吉永とすれ違うシーンが1回あり、(すれ違いざまに)田中角栄がスッと手を上げる。その瞬間に戦慄(せんりつ)が走った」と石橋の迫力に圧倒されたことを明かした。

 また事件が起こった当時から「金権政治ということに関しては自分も怒りの声を上げた1人であった」という石橋は、「バンドをやっていたのですが、事件後にはある歌で『政治屋は飛行機眺め 落花生の皮を剥く』と歌っていた。まさか自分が田中角栄をやるとはつゆ知らず…」と苦笑い。

 松重も「子どものころ、とにかく連日連夜、新聞やニュースで『ロッキード』と目にして、証人喚問など何かすごいことが行われているんだろうな、ということは分かった。ただ、日本中のみんなが連続ドラマを見ていたのに、誰も結末を覚えていないぞ…というような感覚になった」と事件の闇に触れ、この放送が「子供のころに感じたモヤモヤの解決の手段になればと思う」と願いを込めた。

 「第1部 実録ドラマ 前編」はNHK総合で7月23日午後7時30分~8時43分、「第2部 実録ドラマ 後編」は同日午後9時~9時58分に放送。オールドキュメンタリーとなる第3部「日米の巨大な闇 40年目のスクープ」は7月24日、午後9時~9時58分にオンエア。


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