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山田裕貴が主演している公開中の映画『闇金ドッグス』。若くして組長まで昇り詰めた安藤忠臣(山田)がヤクザから足を洗い、闇金の世界に飛び込む姿を描く。代紋を外したとたん、金の都合をさせていた闇金業者の小中高志(高岡奏輔)から追い込みを掛けられるなど、踏んだり蹴ったりの忠臣は、新たな道で再びのし上がっていくことができるのか―。
忠臣役を演じる山田が、作品の見どころや演じた感想、プライベートの過ごし方などを語った。
逃げない、曲げない、めげない、どんなことにも食らい付いていくようなキャラクターなので、自分にリンクしていると思いました。僕もすごく負けず嫌いで、毎日悔しがっているので、そういう部分を忠臣で表現できたらいいなと思って演じました。
仕事のことですね。さっき撮ったカットがどうだったとか、もっとやれたんじゃないかとか。僕にできる力の範囲では動かせない世の中の仕組みがあって、何とか変えたいと思っているけど、そううまくはいかないところが、毎日悔しいと思っています。
イメージ的には明るめに見られているのかなと思うんですけど、素の僕は意外とそうでもなかったりするので、この役が今までで一番自分に近いですね。素の自分は、静かに沸々と燃えているタイプなので。
そうですね。人がいれば話しますけど、1人でペラペラしゃべっているわけじゃないので(笑)、1人の時はずっと考え事をしています。今の役柄とか、この先どういう役をやったらいいのかとか仕事のことばかり考えていますね。
女の子のことが好きで、女の子のために頑張る『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(監督:三浦大輔)っていう映画の、主人公が鼻水たらして顔がぐちゃぐちゃになりながら打ちのめされてもはい上がる役とか。シャーロック・ホームズとか、全く逆にとびっきりのコメディーもやりたいし、やってみたい役は山ほどあります。
高岡奏輔さんは、自分が見ていた作品『クローズZERO』などに出ていた方ですし、高岡さんが(役柄で)友達と殴り合うシーンをまねしたりしていたので、すごい世界に入ったなとあらためて思いました。撮影の時、高岡さんがNGを出したときに「ごめーん」って抱き付いてきてくれて…、柔らかい人なんだなって思いました。高岡さんの中に熱いものを感じて、兄貴的な存在になりました。
何も言わない男がカッコいいって思います。愚痴も言わずに、周りには笑顔を振りまいて、ただ自分の見ているものの先を追い掛けている感じ。縛られていない自由な人がカッコいいです。
中学のときに、自分より体がでかい何人かの男の人に呼び止められたことですね。祭りかなんかに来ていて、友達と別れた後で1人だったので、これはやばいぞと感じて、走って逃げて…、無事に逃げ切りました(笑)。
役者以外は考えられないです。役者をやれないなら死にますね。
映画を見るか、読書をしています。本を読むのはあまり好きではなかったんですけど、「アメトーーク」(テレビ朝日系)の読書芸人を見て、最近ハマり出して。まず、又吉(直樹)さんの「火花」、すごく読みやすくて面白かったんですよ。芸人さんの世界を描いているので、若手の俳優も似ているなと思って勇気をもらいました。それから、僕は天体とか宇宙人の話が大好きなんですけど、「教団X」(中村文則著)も、もう鳥肌が治まりませんでしたね。
最近、左手でご飯を食べています。本当は右利きなんですけど、右脳が鍛えられるかなと思って。左手だと食べるのが遅くなって、よくかむからダイエットにもいいらしいんです。それで始めたんですけど、慣れてきたら左手でも早く食べられるようになって、右手と同じぐらいのスピードになっちゃいました(笑)。
小動物みたいで、色白な子が好きです。あとは、一緒に大爆笑できる人。一緒にプロレスごっことかできちゃう人が好きですね。
昔は、高校の時から付き合ってる彼女と10年続いて結婚したとかいうのに憧れてたんですよ。僕の両親がそうだったので、すごくそうなりたかったんですけど、今は自分のことで精いっぱいなので、結婚願望はなくなりました。
子どもは欲しいです。この仕事をやる前は保育士を目指していたので。でも自分の子どもをしっかり見れない親になりたくないので、まずは自分をどうにかしたいです。
俳優としてもう1ランク2ランク、上に行きたいです。
人は失敗を経て強くなっていくと思いますし、どんな逆境にも立ち向かうというありきたりでシンプルなことが一番大事だったりするので、そういうことを感じさせてくれる作品だと思います。人間の底が見られる作品になっていますので、ぜひ見てほしいです。
【作品情報】
映画『闇金ドッグス』は、1日から新宿武蔵野館ほか全国順次公開中。
取材&テキスト:小宮山あきの
撮影:金田 誠