森光子さんが死去 舞台「放浪記」2千回、「時間ですよ」で人気

2012年11月14日 / 22:19

 舞台「放浪記」で2千回以上主演し、テレビドラマや司会などで幅広く活躍、文化勲章や国民栄誉賞を受けた俳優の森光子(もり・みつこ、本名村上美津=むらかみ・みつ)さんが10日午後6時37分、肺炎による心不全のため東京都内の病院で死去した。92歳。京都市出身。葬儀は近親者のみで済ませた。後日、本葬を行う。喪主はおい柳田敏朗(やなぎだ・としろう)氏。

 柳田さんは14日、「長きにわたり、森光子を愛してくださったファンの皆さま、支えてくださった方々に、心からの御礼と感謝を申し上げます」とするコメントを発表した。

 柳田さんによると、森さんはこれまでにも栄養管理のために短期入院することがあり、今回も大事を取って9月から入院。最期は静かに眠るように息を引き取ったという。

 また、テレビや映画、演劇と、数多くの作品に出演し、ライフワークだった「放浪記」にも出合ったその生涯を振り返り、「大変幸せな人生だったと思います」。

 14日に行われた家族による密葬は、生前からの本人の希望だったという。柳田さんは「これまでは仕事柄、ゆっくりと時間がつくれなかったので、家族とともに最期の時を過ごせたことはありがたかった」としている。

 森さんは、いとこの名優嵐寛寿郎のプロダクションに入り、戦前、多くの映画に娘役として出演したほか、歌手としても活動した。

 戦後、進駐軍のキャンプで歌ったが、結核を患い、療養生活を送った。その後、大阪で喜劇俳優として活動していたところを、劇作家で東宝の重役も務めた菊田一夫氏に見いだされ上京。1961年、芸術座で初演された菊田氏作・演出の「放浪記」で、主人公の作家林芙美子役に抜てきされた。

 貧しさの中でたくましく生きる芙美子役は最大の当たり役となり、でんぐり返しが話題に。2009年5月に健康への配慮から公演を中止するまで、計2017回を数えた。代役を立てずに主演し続けた舞台としては、山本安英さんの「夕鶴」(1037回)を抜いて、記録を更新中だった。

 テレビでは「3時のあなた」の司会や、ドラマ「時間ですよ」のおかみさん役で人気を集め、NHK紅白歌合戦の司会も3回務めた。アイドルらとの幅広い交友や面倒見の良さから、芸能界の「お母さん」と慕われた。

 舞台の代表作としてほかに「おもろい女」「雪まろげ」など。05年に文化勲章、09年に国民栄誉賞が贈られた。


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