ジル・ロマン率いるモーリス・ベジャール・バレエ団と、東京バレエ団の合作による『第九交響曲』が日本公演を終え、11月16日に上海公演を開催する。
11月8日と9日にNHKホールで行われた日本公演ではイスラエル・フィルの両サイドに合唱団が配置され、その前に円や直線の描かれた大きな舞台が作られた。ステージ中央が明るくなりジル・ロマンがニーチェの一節を朗読すると、一言一言に呼応するようにパーカッションとドラムの演奏が続き、客席のテンションを上げていく。そして、フリードリヒ・ニーチェ「悲劇の誕生」の一節が終わると、ジル・ロマンと入れ違いにダンサーが登場。ズービン・メータが織り成す壮大な第九の演奏とともに、白や黄色のシンプルな衣装に身を包んだダンサーたちが国境も性別も越え、手を取り合った。
尚、上海公演は第16回上海中国国際アーツ・フェスティバルのクロージング・セレモニーとして行われ、東京バレエ団とモーリス・ベジャール・バレエ団に加えて、上海バレエ団からツァオフェン・ファンが第二楽章のソリストとして参加する。さらに、東京バレエ団とモーリス・ベジャール・バレエ団による「第九交響曲」プロジェクトは、2015年6月、ヨーロッパ公演も予定されている。
◎公演概要「第九交響曲」上海公演
（第16回上海中国国際アーツ・フェスティバルクロージング・セレモニー）
会場：上海文化広場（劇場）
日時：2014年11月16日（日）
出演：東京バレエ団、モーリス・ベジャール・バレエ団、上海バレエ団（ツァオフェン・ファン）
指揮：ラファエル・サンチェス
ソリスト：イン・ホワン、ソン・ウェイほか
演奏：上海歌劇院管弦楽団、同合唱団
◎放送概要「第九交響曲」日本公演
NHK BSプレミアム「プレミアムシアター」
2014年12月22日（月）午前0時（日曜深夜）放送予定
Photo by Kiyonori Hasegawa