「若草山 MUSIC FESTIVAL 2014」にてSOS、大原櫻子、クリス・ハートらが奈良に集結

2014年9月16日 / 13:00

古代ロマンを今に受け継ぎ、平城遷都1300年祭でも話題を集めた古都・奈良。伊勢物語や古今和歌集などで歌にも詠まれ、人気の観光地でもある若草山を舞台に、今年も音楽イベントの『若草山MUSIC FEATIVAL』が開かれた。

数を重ねるごとに多くの支持を得るようになったこのイベントも、今年で4回目。好天にも恵まれ、奈良の街を一望できる芝生敷きの斜面が客席となった会場には、子供連れの家族やカップル、友達同士などで過去最高となる4,300人の音楽ファンが集まり、まる1日に渡って良質の音楽を楽しんだ。

オープニングアクトに登場したのは、神戸を活動拠点にするシンガーソングライターのオカダユータ。8月に開かれた、奈良県の観光キャンペーンソングを決めるオーディション「JAPAN HEART BEAT in NARA」で見事グランプリを受賞した郷愁感漂う曲『とこしえの歌』などを演奏した。色鮮やかな衣装で無国籍風かつ大人の寓話的世界観を披露したのが久和田佳代。昭和のヒット曲をカバーした4月発売のシングル『買い物ブギ』などで、独創性を存分にアピールしていた。すでにマスコミ等で注目を浴びている中高生による6人組のシンガーユニットLittle Glee Monsterは、圧倒的なボーカル表現力でオーディエンスを驚かせる。ソウルフルな歌声、抜群のコーラスワーク。今年10月29日に待望のメジャーデビューが決まり、早速そのシングル曲『放課後ハイファイブ』を披露して大きな拍手を浴びていた。

ナチュラルな歌声と切ないラブソングでオーディエンスを魅了したのは、アリアナ・グランデの来日公演でオープニングアクトを務めるなどで注目された、北海道函館出身のシンガーソングライターMACO。時おり胸に手を当てて歌うなど、等身大のメッセージを綴った真摯なステージで好感を持ったオーディエンスも多かったはずだ。ハワイアンムード満点の平井大のステージは、夏のイベントに引っ張りだこなのもうなずける、爽やかな歌声でオーディエンスの心をぐっとつかんでいた。今年6月にリリースしたディズニーの名曲をカバーしたミニアルバム『Disney Island Music』、さらに7月にリリースしたメジャー第1弾アルバム『ALOOOOHANA!!』からも選曲した計7曲で会場を大いに盛り上げた。一方、女性シンガーソングライターMinamiと、男性ラッパー&トラックメイカーのStaxx TによるユニットのCREAMは、多くのアーティストに詞曲を提供しているのも納得のバラエティに富んだ選曲でステージを構成。痛快なグルーヴとメロディアスなサウンド、そして2人の巧みなマイク・パフォーマンスはさすがの一言に尽きる。

韓国出身のシンガーソングライターKは、「本番前に奈良の商店街で買った」という甚平に雪駄姿で登場。いざ演奏…という時に、突然ステージ前に鹿が接近。場に緊張感が漂いそうになるのを、偶然持っていた(?)鹿せんべいで鹿を手なずけ、会場を和ませていたのは見事だった。人懐っこいキャラが全開のトークとは一線を画し、演奏自体は説得力抜群のハイトーンボイスを前面にハートフルな楽曲を次々に披露。3曲目の『season of love』では、Little Glee Monsterとのコラボステージも実現。クオリティの高い共演は見応え聴き応え満点だった。昨年暮れに公開された映画『カノジョは嘘を愛し過ぎてる』のヒロインに抜擢され、TVドラマ『水球ヤンキース』にも出演した大原櫻子は、会場である若草山に掛けて、若草色のトップスでステージに。多くのファンから声援を受ける中、ライブを展開した。「奈良でライブをするのも音楽フェスも初めてで緊張していた」と言いつつ、6月にリリースした人生応援歌的な1stシングル曲『頑張ったっていいんじゃない』など5曲を演奏。微笑ましくも堂々としたステージングだった。

大きな拍手と歓声に迎えられてステージに登場したのは、クリス・ハート。ハイトーンの美声を前面に、『糸』(オリジナル=中島みゆき)、『奏』(同=スキマスイッチ)など、ナチュラルな日本語で歌い上げるカバーは説得力抜群。もちろんオリジナルのヒット曲『まもりたい』も、オーディエンスとのサビの合唱を交えて披露した。日本でシンガーデビューするきっかけとなった曲『home』(同=木山裕策)が彼のステージ最後の曲。細かいニュアンスの表現も含め、情感豊かに歌い上げていたのが印象深い。

今回の大トリを務めたのは、Skoop On Somebody。代表曲のひとつ『sha la la』などを、スウィートなTAKEのボーカル、ハートフルな音色が際立つKO-ICHIROのキーボードで表現。珠玉のラブソングで構成したステージは、ちょうどステージ後方に陽が沈んでいく美しい夕暮れが目に入るという絶好の時間帯でもあり、その相乗効果に会場もうっとりとする。さらに会場を沸かせることになったのが、後半の2曲。Kが再登場して、「日本に来た時に聴いて鳥肌が立った」というSkoop On Somebodyの曲『Key Of Love』を。最後の曲となったBOYZ II MENのカバー『End Of The Road』ではさらにクリス・ハートも加わって、痺れるようなボーカル&ハーモニーを聴かせ、会場は感動させられるばかりだった。「ほとんどぶっつけ本番」(TAKE)というのが信じられないほどのクオリティの高いセッションに、いつまでも歓声と拍手は鳴り止まなかった。

ライブが終わる頃には若草山もすっかり秋の夜。心地いい音楽にふれたオーディエンスは、笑顔で会場をあとにしたのは言うまでもない。なお、この日のライブ音源の一部は、9月15日からFM802の各番組内で随時放送されることになっている。

ライター/金本真一

撮影/田浦ボン


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