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水曜日のカンパネラ×AZUMA HITOMI 観客と大狂乱ステージから見せた未来

 鹿の解体音楽イベントや「松本人志が映画を作れたのは有名だから」等の発言(http://bit.ly/1sltuqq)で話題となり、斬新な音楽スタイルで人気急上昇中の水曜日のカンパネラ。9月3日 自主企画イベント【水曜日の視聴覚室 vol.2】を渋谷WWWにて開催した。

<AZUMA HITOMI×コバルト爆弾αΩ & 中内友紀恵 & 大橋史>

 映像クリエーターとのコラボレーションバトルが見所の同イベントだが、今回はAZUMA HITOMI×コバルト爆弾αΩ & 中内友紀恵 & 大橋史と競演。お馴染みの多彩な電子楽器や照明機材、パソコンによる要塞のど真ん中に立つAZUMA HITOMIと、その音楽と有機的に絡み合うカラフルでユーモラスな映像に魅せられる、超満員のオーディエンス。キース・エマーソンに憧れて使い始めたというDOEPFER / R2M(Ribbon Controller)を侍のごとく振り回すと、全自動キックマシーンの頭から血飛沫(※あくまで記者解釈)が上がったり、そのキックマシーンの中でおもちねずみ(AZUMA HITOMIのオリジナルキャラクター)が踊り出したりと、目にも耳にも楽しいアクトを繰り広げた。

<水曜日のカンパネラ×VJ中山晃子>

 そんな彼女に対して“仲が良いからこそ負けたくない”と意気込んでいたコムアイ(水曜日のカンパネラ)は、前回の【水曜日の視聴覚室】同様に天才VJ中山晃子とコラボ。サカナクションのオイルアートを進化させたかのような映像演出と、まるで娼婦のような出で立ちで激しく踊り狂うコムアイの姿は見惚れてしまうほど美しく、歌詞が飛んでしまったり、想定外のタイミングで曲が流れてきちゃったり、そうしたグダグダのミステイクも笑って許せる空気を生んでいた。少し見ぬ間に進化していく水曜日のカンパネラ。11月5日にニューアルバム『私を鬼ケ島に連れてって』をリリースし、11月22日より初の全国ツアーを開催することも発表され、今後の動向からも目が離せない。

<水曜日のカンパネラ×AZUMA HITOMI>

 イベントの最後は、水曜日のカンパネラ×AZUMA HITOMIのコラボレーションアクト。AZUMA HITOMIがリミックスした「マリー・アントワネット」を2人で披露したのだが、今話題のアニメ『妖怪ウォッチ』をモチーフにした“スリラー”みたいなダンスも取り入れ、さらには観客を次々とステージ上に呼び込んでしまうという、イギー・ポップか喜納昌吉、最近ではBiSの現場ぐらいでしかお目にかかれなかった光景を生み出す。2チームに分かれていがみ合う、ヒップホップライクな即興パフォーマンスも面白く、常識に捕われない2組らしいフィナーレとなった。

<必死に新たなムーヴメントを起こそうとしているその隣>

 こうして初めてお父さんが観に来てくれたという自主企画イベントを成功させた水曜日のカンパネラ。面白いと思ったことを素直にクリエイティブし、しかも100円でCD売っちゃったり、演出に尋常じゃないほど力を入れたり、費用対効果を度外視してソレをできるアーティストなんて今は数少ないし、ましてやソレに誰かが呼応して喜んでくれるなんて奇跡みたいな話だ。でもこの日の会場は超満員。競演相手である盟友 AZUMA HITOMIが矢野顕子に魅入られた件にも言えることだが、彼女たちは今流行りのアイドルでもなければ、いわゆるポップスターのようにテレビに出まくるタイプでもない、純然たる音楽家であり、クリエイターだ。自分のやりたいことに愚直。けれど、今確実に注目を集め、人気を高めている。

 「アイドルの次のブームはこれだ!」と、各所の大人たちが必死に新たなムーヴメントを起こそうとしているその隣で、ひとつひとつのライブ、一枚一枚の作品に今面白いと思うことを執拗に詰め込んでいる彼女たちのようなアーティストが、気付いたら大人たちに「まだそんなことやってんの?」とニヤニヤしながらガッツポーズを決める未来。あってもおかしくないと思わせる夜だった。

取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:雨宮透貴

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