小田和正の疾走、怒髪天の熱、マキホルの存在感、大トリのモンパチ【RSR 2013】広大な北の大地刻まれた新たな伝説

2013年8月19日 / 11:30

 日本最大級の野外オールナイトフェス、【RISING SUN ROCK FESTIVAL】が8月16、17日の2日間50時間に渡って北海道、石狩の地で開催された。

 雨予報ではあったが、晴れ間も見えるほど天候も良好で、1日目がスタート。開幕を飾ったのは怒髪天 RSR 石狩鍋 Special。最大動員数を誇るSUN STAGEを、バリバリのロックンロールで涼しさ感じる北海道の地に熱を送り込んだ。流れそのままに、今年、数々の夏フェスに出ずっぱりのthe HIATUS、10-FEETが爆音ロックサウンドで北海道の大地を轟かせる。

 EARTHTENTでは、グループ魂がお馴染みの破天荒なステージで熱狂させたかと思えば、今年、再始動したthe pillowsがクールに決めてみせるなど、会場から観客が溢れだすほどの反響を巻き起こした。RED STAR FIELDでの奥田民生、BOHEMIAN GARDENに登場した小坂忠、鈴木茂、中野督夫による完熟トリオも、大人の渋さ溢れるメロウな音楽で観客を魅了していた。

 そして、初日のSUN STAGEのトリである仲井戸“CHABO”麗市 Friday Night SessionにはChar、奥田民生、増子直純(怒髪天)といった豪華なフィーチャリングゲストが入れ替わり立ち替わりで続々登場。スペシャルなステージに大喝采が贈られた。その後もfor CAMPERSと題し、泊まりこみの観客に向けてのステージが展開。稲川淳二の怪談話が真夏の夜の熱気を冷気に変え、モカキリことMountain Mocha Kilimanjaroがディープ・ファンクで北の地の夜をアダルトに彩り、この日だけで3度目の出演となるKenKen要するRIZEが、真夏の暑さをそのまま音にした脅威のパフォーマンスで1日目を締めくくった。

 2日目は予報通り雨の中でのスタートとなるが、SUN STAGEのトップバッター、KEMURIが強烈なスカコアサウンドを炸裂。ライブ中盤頃には雨が止み、オーディエンスからは「KEMURIが雨を止ませた!」と声が挙がるほど熱のこもったパフォーマンスで天気とオーディエンスを巻き込む。ド派手なオレンジ色の衣装で登場したMISIAは、ファンキーでソウルフルな歌声を大地に響かせるように「Everything」「逢いたくていま」などヒット曲を連発。東京スカパラダイスオーケストラのステージでは、スペシャルゲストとして新作にも参加した細美武士(the HIATUS)と伊藤ふみお(KEMURI)が登場し会場を興奮の渦に巻き込んだ。

 そして、雨脚がまた強くなる中、今回のフェス出演決定で大きな話題を呼んだ小田和正が静かにステージ登場。アコギを抱えると、「たしかなこと」「ラブ・ストーリーは突然に」など超名曲を次々と披露。大歓声の中、「キラキラ」がスタートしたかと思えば、ステージから降りて雨の中、追いかけてくるカメラマンを置き去りするほどのスピードで客席前を走り回り会場を湧かせる。見る者すべての心を鷲掴みにし、このフェスの新たな伝説を創り上げた。

 続いて登場したマキシマム ザ ホルモンはド派手な花火が打ち上げられる中、堂々と登場。会場中に圧巻のヘッドバンキングの嵐を生み出し、前に登場した大先輩である小田和正を絡めた下ネタをナヲ(ドラムと女声と姉)が言い放ってしまうなど、その全てが彼らにしか出来ない圧倒的パフォーマンスで、その存在感を北の大地に深く刻みつけた。

 日付が変わり3日目に突入した18日午前4時、夏の祭典の大トリを務めたのは北海道とは真逆に位置する沖縄からMONGOL800の3人。「小さな恋の歌」、「あなたに」など鉄板曲が続々と投下され、彼らのハートフルでメッセージ性の強い楽曲は深い雲を裂いて垣間見える日の出とともに、オーディエンスの心に優しく突き刺さった。

 また、髙里悟(Dr)の誕生日が、前日17日だったということもあり、ナヲ(マキシマム ザ ホルモン)がバースデイケーキを持って登場するという一幕もあり、終始、出演者の温かさが滲み出るステージで、50時間に及んだ【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2013 in EZO】に幕を下ろした。


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