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ネット騒然! 声優キャリアが活きた平野綾のボカロ歌マネ

 今年の元旦にニッポン放送『ミュ~コミ+プラス』で公開され、“歌っているのはボカロか人間か?”と話題を呼んだ平野綾の新曲「ミライボイジャー」を収録したニューシングル『TOxxxIC』が、2月20日にリリースされた。

<ことの始まりは、“関係者から手に入れた謎の作品”>

 彼女の移籍第1弾シングルにして、今年最初のリリースとなる本作だが、はじめに話題に上がったのはカップリング曲「ミライボイジャー」だった。同曲はまず、元旦の『ミュ~コミ+プラス』に出演したニコニコ動画のカリスマ的プロデューサー じん(自然の敵P)より、”関係者から手に入れた謎の作品”と歌唱ミュージシャン名を伏せる形で紹介された。

 その後、ニコ動などに一部音源がアップされると、ネットでは歌っているのが誰なのかを巡って様々な憶測が飛び交った。その声質から、初音ミクに代表されるボーカロイドではないかとの声も上がったが、当時を振り返って平野は言う。「曲が一人歩きしているような感覚があって、これほどまでにヒートしてもらえるなんて思っていなかったのでビックリしました!」。

 詳細が明かされたのは、同じ『ミュ~コミ+プラス』の1月22日放送回。シークレットゲストとして生放送内で生歌唱を披露した彼女が真実を発表すると、同番組のパーソナリティを務めるニッポン放送 吉田尚記アナをはじめ、リスナーからは驚嘆の声が相次いだ。そうした周囲の反応は、生歌唱においても平野の歌声がボカロに酷似していたことの証明になった訳だ。

<「ミライボイジャー」を支えた声優としての経験>

 以上の顛末を知った上でも、「ミライボイジャー」を聴いて驚く人は多いだろう。元を正せばボカロの声も人間だが、プログラムされたその歌声には特有の特徴がある。前述の番組出演時に声優のキャリアが活きたと語り、「どこまで気付かれないのかは、歌手としてよりも声優としての挑戦でした」と笑う平野だが、それは具体的にどういった点にあるのだろうか。

 「元々、声優の仕事の中で機械の声をやることがあるので、いつ言われてもできるように練習していたんです。あと、昔から「はじめてのチュウ」の声真似をしてたりとか(笑)。まず真似してみて、自分の声で同じことをやるならこうなるって考えながら引き出しを作っていくんです」。

 彼女は声優としてキャラクターに声を吹き込む時、常にそのキャラの体型に合わせて骨格や筋肉の動きをイメージして声を出すという。骨に対してどれくらいの筋肉が乗り、どう動いていくかまで考えながら話す。役に入り込む憑依型ではなく、役どころを理解した上で周囲や環境まで把握しながら創り上げていくタイプだと自身を分析している。

 その表現方法は「ミライボイジャー」においても変わらなかったようだ。“機械は筋肉が無いから動きがいびつになる”と想定した彼女は、骨の一部の動きを抑えてぎこちなく歌うことで、ボカロの声質に似せていったという。そうしたアプローチの結果、前述通り誰もがボカロを聴き紛うほどの歌声を完成させたのだ。

 なお、シングル『TOxxxIC』には、本来の歌声で世界観を構築した「ミライボイジャー -アヤVer-」も同じカップリングとして収録されている。2曲を聴き比べてみると、平野綾という歌手がどれほどのスキルを持ち合わせた存在なのかを、より深く理解できるだろう。

◎YouTube「平野綾 – ミライボイジャー (Short ver.) .」
http://youtu.be/ImugbQ_FC3k

◎YouTube「平野綾– TOxxxIC (Music Video)」
http://youtu.be/aq7IbLK9NaQ

取材、文:杉岡祐樹

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