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Klang Rulerが3月から各地でゲストを招きながら開催してきたツアー【Magnet+Tour】が、7月27日に恵比寿LIQUID ROOMのワンマン公演で最終日を迎えた。
彼らの音楽が持つ「懐かしいけど新しい」魅力が熱狂の中で弾けた、一夜の様子をレポートする。
5人で並んでポーズをキメたステージ登場から、1曲目の「ふめつ」でKlang Rulerの楽しいバンドサウンドを会場いっぱいに充満させたエネルギッシュなオープニング。インタビュー(<インタビュー>Klang Rulerが鳴らす“懐かしくて新しい音楽”とは――2nd EP『NEW AGE POP MIX』)でも「最終日のLIQUIDROOMは、ずっとやりたかった憧れの場所」と語っていただけに、気合十分だ。「アンビリーバブル」「ZENZENわかってない」と続くと、彼らのキャッチーでポップな音楽性が、鮮やかに際立つ。SimiSho(Dr.)とかとたくみ(Ba.)によるグルービーでヘビーなリズムと、Gyoshi(Gt.)のエモーショナルなギター、そしてやすだちひろ(Vo.)とyonkey(Vo.&トラックメイカー)のツインボーカルによって、変幻自在でポップなライブを序盤から熱く繰り広げていく。
「SELFMODE」では上からぶら下がったビール樽をyonkeyが「カーン!」とバットで叩く場面も。ちなみに、これはSimiShoが「yonkeyをヤンキーにしたい」というアイデアから生まれたものだったという。やすだの「みなさん調子はどうですかー! ツアーファイナル盛り上がれますかー!」といった煽りもあり、オーディエンスもどんどん盛り上がっていく。
<走ってゆけ、前へ>というフレーズのリフレインが胸を打つ「city rats」の後、yonkeyがステージ前方に出てきて歌った「Tired」では会場のみんなが音楽に心地良く身を委ねながら手を左右に振っていた。続く「ビビデバビビ」でもゆったりした曲調の中、メンバーもリラックスした様子で演奏しているのが伝わってきた。楽しいとか、心地良いとか、アーティストとオーディエンスが素直な感情を素直に分かち合えるのもKlang Rulerのライブの魅力だ。
更に、ライブ中盤ではKlang RulerのYouTubeの人気カバーコンテンツ「MIDNIGHT SESSION」を彷彿とさせるカバーを次々と披露。「接吻」(オリジナル・ラブ)、「1984」(andymori)、「以心伝心」(ORANGE RANGE)、「渋谷で5時」(鈴木雅之&菊池桃子)、そして彼らのブレイクのきっかけともなった重要曲「タイミング~Timing~」(ブラックビスケッツ)といった、J-POPの名曲たちをKlang Ruler流のアレンジで届けていく。まるでオリジナル曲のように高めあげた演奏とボーカルでフロアも大興奮の様子。「渋谷で5時」ではメンバー全員でパラパラを踊るシーンもあり、エンターテイナーとしての心意気も感じる楽しいひとときだった。
Klang Rulerの音楽における核心部分を感じたのは、yonkeyの魂の叫びのような「Spaceship」と、シンセサイザーの音色と共に大きな浮遊感を生み出した「ジェネリックラブ」の2曲だった。このライブのMCでyonkeyは「僕にとって音楽は、居場所のようなもの。僕に居場所を作ってくれて本当にありがとう」と語っていた。彼は心の奥底にある孤独感や寂しさを、時代を越えて多くの人に愛されるポップな音楽に昇華させている。この数年でKlang Rulerを取り巻く状況は大きく変わったけれど、それでも変わらない、このバンドの根底にある大事な原動力のような想いをこのワンマンライブでもしっかりと届けていた。
「まだまだ盛り上がって行けますかー!」とやすだが叫び、そこから本編ラストに向かっての盛り上がりは凄まじいものがあった。歌謡曲風のメロディラインが鮮烈な「ちょっと待って」ではGyoshiのメロウなリードギターが会場の熱気を押し上げ、続く「Set Me Free」ではオーディエンスの手拍子と合唱と、更にはボックスステップで楽しい一体感を生み出した。楽曲における自由度の高さ、ライブにおけるエンタメ性の高さも、彼らの魅力である。そしてやすだが「Klang RulerはKlang Rulerらしく、これからも音楽を届けて、みんなの側にいられるように頑張ります」と挨拶し「精一杯、歌います」と「Teenage Blue」へ。感極まった様子で声を震わせながら歌うと、それを支えるように会場からの力強いハンズクラップが鳴り響いた。yonkeyも拳を振り上げながら歌い、5人の音と想いが真っ直ぐに届いてきた。それをしっかり受け止めるようなオーディエンスの姿も、ひとつの大きな輝きを生み出しているようで眩しかった。最後はセンチメンタルなアップナンバー「ララバイ」でエネルギッシュに締め括った。
5人が黒いツアーTシャツに着替えて登場したアンコール。やすだは無事に本編が終えられてホッとしたのか、一気に喋り始める。やすだがこのライブの前に、息抜きに箱根に行って帰ってきたら、セットリストが変更されていて慌てたというエピソードを話してくれた。すると、かとたくみが「でも、(ベース)弾けてたじゃんね?」と返したものの、慌てて「まあ、歌詞とは違うからね。歌詞は2番はちょっとだけ違うとか、大変だもんね」とやすだにフォローを入れていたのが面白かった。最後に、青春時代の痛みをポップに歌い上げる「飛行少女」でみんなで飛び跳ね、ダンサブルなハッピーチューン「I think about you now」で多幸感いっぱいのフィナーレ。「今日は本当に、ありがとうございましたー!」と、やすだはみんなに感謝の気持ちを伝えていた。アジア公演も含め、各地で熱演を繰り広げてきたライブハウスツアー【Magnet+Tour】が、会場いっぱいの笑顔と共に有終の美を飾った。
Text by 上野三樹
Photo by Shota Tsuji
◎公演情報
【Magnet+Tour】
2026年7月27日(月)
東京・恵比寿LIQUID ROOM
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