<ライブレポート>鷲尾伶菜、初披露の最新曲とともに描く軌跡と現在――2年ぶりのビルボードライブ・ツアー完走

2026年8月7日 / 19:00

 Flower、E-girlsを経て、現在はソロシンガーとして精力的に活動中の鷲尾伶菜が、7月24日(金)にビルボードライブ横浜にて、自身2年ぶりとなるビルボードライブ・ツアー【Reina Washio Billboard Live 2026】の最終公演を行った。筆者は2ndステージの模様をお届けする。

 開演時間になると、ドラム、ベース、ギター、キーボードからなるバンドメンバーが登場。夏のそよ風のように爽やかに煌めくオープニングナンバーが奏でられると、鷲尾が白のドレスに鮮やかな赤のショートブーツという衣装で、ファイナルのステージに上がった。会場から大きな拍手が送られる中で歌い始めたのは、TVアニメ『エリスの聖杯』のオープニング主題歌として書き下ろされ、今年の1月に配信リリースされた「Happy Ever After feat. 由薫」。本ツアーで初披露だというスリリングでミステリアスなR&Bナンバーで、繊細さと力強さが同居した歌声を届けると、元(G)I-DLEのスジンをフィーチャリングに迎えて制作された「TOP NOTE」では英語パートも軽やかに歌い、バンドメンバーと笑顔でアイコンタクトをとりながら息のあったキメとアンサンブルで観客のテンションを引き上げていった。

 最初のMCでは「ビルボードライブ・ツアーもこの公演でラストを迎えます。ビルボードライブでは大人っぽい雰囲気を作り上げるライブをやらせていただいています」と、“上質でインティメートな音楽体験”をテーマにしたというビルボードライブ・ツアーのコンセプトを提示。続けて、「今日はすごく暑いですが、夏の最高の思い出になればいいなと思います」と呼びかけると、シンガーソングライターの笹川真生が彼女のために書き下ろした「エンカウント」では最初の気だるいウィスパーヴォイスで楽曲の世界観に観客をグッと引き込み、Flowerの鷲尾伶菜、E-girlsの鷲尾伶菜、そして、今現在の鷲尾伶菜を鮮やかに1つに繋いでみせた。一転して、「So Addictive」では小気味のいいリズムに合わせてクラップが湧き起こる中で、<愛されたい 愛していたい そばにいたいって ちゃんと目を見て言って欲しいの>というフレーズを観客と共有。ステージを右に左にと動きながら、一人一人と目を合わせるかのように歌い、観客との距離をグッと縮めていった。

 「大切な人や好きな人を心に思い浮かべながら、重ねながら聴いていただけたらと思います」という言葉からはバラードカバーのコーナーに突入。アコースティックギターを基調にしたフォーキーなアレンジとなったDREAMS COME TRUE「やさしいキスをして」、ピアノのイントロから始まり、エレキギターの効いたロックバラードとなった由薫「星月夜」。椅子に座った鷲尾の切なくも伸びやかな歌声がバンドアンサンブルと溶け合い、観客の胸をギュッと締め付ける。ここで椅子から立ち上がり、オフィシャルYouTubeにアップしたカバー動画が320万回再生を突破しているDOMOTO「愛のかたまり」ではリズミカルで愛を込めた歌声でグルーヴを牽引すると、E-girlsバージョンの「ロックンロール・ウィドウ」では自身初となるエレキギターをプレイして観客を驚かせた。

 本編最後の曲を前に「楽しすぎてあっという間のライブでした。みなさんと1つになれている気がして、心が通っているような感覚でライブができています」と挨拶。そして、「一番最後の曲はFlowerの夏の曲にしました。10年くらい前、リリースされた当時のことを思い返すと、メンバーの気持ちや夢、覚悟を背負いながら、ただただ必死に歌っていた気がします。今、こうして一人でステージに立って、新たな形に生まれ変わった曲を歌っていると、改めて、曲の深さや世界観が体に溶け込んで、やっと自分のものになった気がします」と語り、2015年4月にリリースされたFlowerの10枚目のシングル「Blue Sky Blue」を熱唱。<ずっとずっと続くって信じながら>というフレーズは、2026年の夏ならではのニュアンスで心に響いた。デビューから14年目の今も彼女は歌い続けており、「できる限りライブを続けていきたい」と未来への思いも口にした。鷲尾伶菜としてのオリジナル曲はもちろん、FlowerやE-girlsの名曲も歌い継いでいくという決意と覚悟を感じるステージだった。

 アンコールの1曲目は2014年6月にリリースされたFlowerの7枚目のシングルでアジアンテイストが盛り込まれた「熱帯魚の涙」。<夏が来るわ>と繰り返す、官能性を滲ませたボーカルで強く惹きつけると、公演当日、自身が作詞を手がけた新曲が配信リリースされたことを報告。「いろんな出会いや別れを経て、もう消えてしまいたい、明日はもう生きれないというくらい自分を追い詰めてしまうことがあると思う。誰にも言えなかった気持ちを抱えて、苦しくて息ができない夜に、深い海の中に沈んでいく。だけど、最後は強い気持ちを取り戻して、光を見つけられる。海の中から光が差し込むようなイメージで歌った、深海や水の中がテーマの曲です」と語り、最新曲「Underwater」を初披露。ダンスビートとギターのカッティングが交錯するアップテンポのナンバーで、聴き手の背中を押すのではなく、そっと寄り添うような繊細な歌声で儚く幻想的な世界観を体現。そして、「みなさんの沈んだ心が帰る場所になれば」という願いを込めたピアノバラード「宝石」で伸びやかながらも切なさや哀感を帯びた歌声を届けると、深々とお辞儀をし、観客と笑顔でハイタッチを交わしながらフロアを後にした。

Text by 永堀アツオ
Photos by SHUN ITABA

◎公演情報
【Reina Washio Billboard Live 2026】
2026年6月27日(土)-28(日)東京・ビルボードライブ東京
2026年7月12日(日)大阪・ビルボードライブ大阪
2026年7月24日(金)神奈川・ビルボードライブ横浜
※全公演終了


音楽ニュースMUSIC NEWS

【先ヨミ・デジタル】Travis Japan「On My Road -Stadium ver.-」がDLソング首位を独走中 M!LKの佐野勇斗&吉田仁人によるユニット曲が追う

J-POP2026年8月7日

 GfK/NIQ Japanによるダウンロード・ソング売上レポートから2026年8月3日~8月5日の集計が明らかとなり、Travis Japan「On My Road -Stadium ver.-」が11,550ダウンロード(DL)を売り上 … 続きを読む

【先ヨミ・デジタル】SOUL'd OUT『はじめてのSOUL'd OUT』DLアルバム首位走行中 Stray Kids/アリアナ・グランデが追う

J-POP2026年8月7日

 GfK/NIQ Japanによるダウンロード・アルバム売上レポートから、2026年8月3日~8月5日の集計が明らかとなり、SOUL’d OUT『はじめてのSOUL’d OUT』が341ダウンロード(DL)でトップを … 続きを読む

【先ヨミ・デジタル】Mrs. GREEN APPLE「Brand New」引き続きストリーミング・ソング首位走行中 イコラブ&M!LK“さのじん”新曲がトップ10圏内

J-POP2026年8月7日

 GfK/NIQ Japanによるストリーミング再生回数レポートから2026年8月3日~8月5日の集計が明らかとなり、Mrs. GREEN APPLE「Brand New」が3,751,105回で現在首位を走っている。  8月5日公開チャー … 続きを読む

NakamuraEmi、10/7リリースの8thアルバム『PATCHWORK LIFE』の全収録曲&ジャケット写真解禁

J-POP2026年8月7日

 NakamuraEmiが、10月7日リリースとなる8thアルバム『PATCHWORK LIFE』の収録曲およびジャケット写真が解禁された。  約2年4か月ぶりとなる本作は、メジャーデビュー10周年の節目にプロデューサーのカワムラヒロシとと … 続きを読む

<ライブレポート>Klang Rulerがツアー【Magnet+Tour】完走――「僕にとって音楽は、居場所のようなもの」

J-POP2026年8月7日

 Klang Rulerが3月から各地でゲストを招きながら開催してきたツアー【Magnet+Tour】が、7月27日に恵比寿LIQUID ROOMのワンマン公演で最終日を迎えた。  彼らの音楽が持つ「懐かしいけど新しい」魅力が熱狂の中で弾け … 続きを読む

page top