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4人組ロックバンド・BILLY BOOが7月11日、初のワンマンツアーとなる【CATALYST tour 2026】のファイナル公演を東京・Shibuya WWWにて開催した。全公演ソールドアウトを果たした今ツアーにおいて彼ら史上最大の動員をマークし、熱量の高いパフォーマンスでオーディエンスを沸かせた。
BILLY BOOという名前にはまだ馴染みがなくとも、現在放送中のテレビ朝日系ドラマ『クロスロード ~救命救急の約束~』で主題歌を担当しているバンドと聞けば「ああ!」と膝を打つ方も少なくないのではないだろうか。ドラマ主題歌を手掛けるのは初めてながら、人の数だけある“正しさ”のなかで最善を目指してもがき奮闘する主人公にしっかりと寄り添い、命の現場を舞台にした物語全体を包み込むようにして鳴り渡るやさしくも力強いバラード「パラレルナイト」は、彼らをまだ知らないドラマファンの心にも確実に響く何かを残したはずだ。
キャリア的にはバンド結成3年目に突入したばかり、メジャーデビューしてまだ1年余りだが、昨年はTVアニメ『謎解きはディナーのあとで』のエンディング・テーマとして書き下ろした「ラプソディ」が配信リリース前からBillboard JAPAN総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”にチャートインするなど、かねてより並外れた実力は折り紙付きのBILLY BOO。自身初のワンマンツアーであり全国4都市をまわった今回の【CATALYST tour 2026】は、さらに一段階ギアを上げ、いっそうの高みを目指していくという4人の決意表明でもあっただろう。
ツアータイトルに掲げられた“CATALYST”は、一般的に“触媒”と訳されることが多いが、この日のMCでKAZUKI UJIIE(Vo.)が語ったところによれば“影響を与えるきっかけ” という意味も持つらしい。自分たちのことだけで精一杯だった日々を経ながらも、前述のようなタイアップやそれに伴う反響、今ツアーの全公演ソールドアウトといった前向きな状況を実感するなかで、少しずつでも影響を与えられるバンドになれたらと覚悟を込めて名付けたのだそう。たしかに、オープニング・ナンバーに未発表の新曲「BANDAGE」を据え、のっけからラウドロックを基調にしたバンドサウンドでオーディエンスの熱狂を煽りにかかる前のめりな姿勢からも尋常ならざる意気込みがひしと伝わってくる。
洗練されたR&Bのグルーブが、報われない恋を女性目線で綴った歌詞とその心情を憑依させたかのごときKAZUKIの歌声にマッチして、むしろ切なさをブーストさせる「Fake Lover」、ラップを洒脱に取り入れたダンサブルな「Dejavu」に続いて披露されたのは、またしても未発表の新曲「Error:25」だ。「このツアーのために用意してきました。みんなで飛び跳ねて踊ったらめちゃくちゃ最高な夜になると確信しているので、一人残らず楽しんでいきましょう!」と呼びかけるKAZUKIに応えて満場の客席が一斉に揺れる。初聴きの観客をも瞬時に惹きつけるキャッチーなメロディとリズム、ミラーボールの光が降り注ぐ場内がたちまちダンスフロアへと化していく光景は、圧巻の一語に尽きた。
ところで、元映画館の特性を活かしたWWWは客席に段差がついており、ステージから見上げる構造になっているのだが、それをことさら喜んでいたのはRIKIYA(Dr.)だ。「一回、みなさんの顔を見てもいいですか?」と場内を明るくしてもらうと「いつも(のライブハウスで)は後ろまでよく見えないから(嬉しい)」と満面の笑顔。KEI(Gt.)も「マジですごい、こんなにパンパンなんて。本当にありがとうございます」と声を弾ませ、MITSU(Ba.)はマイクを通さない生の声で「ありがとう!!」と感謝を叫ぶ。初めてのワンマンツアーとあって、これまでにも増して遮二無二、一本一本のライブに取り組んできただろう今ツアー。ゆえにこそ目にすることができたこの日の景色は、かけがえのない記憶として、彼らの脳裏に刻まれたに違いない。そうしてその感動は情熱となって歌と演奏に変換され、オーディエンスにさらなる昂揚をもたらしていく。
「何回も自分に絶望したし、音楽を諦めようと思った日々もたくさんありました。それでもBILLY BOOをここまで続けてこられたのは『あなたの今日に寄り添いたい』『今日みたいな最高の景色を見たい』、その願いと想いが一度も消えなかったからです。いつも本当に支えられています。」
ライブ後半のMCではそう胸の内を明かしたKAZUKI。自分が負けそうになったとき、ステージに連れ戻してくれたのは目の前の“あなた”だったこと、だから今度は自分たちがあなたをずっと肯定する番だと思っていると言葉を続け、「人生の一部にとまでは言いません。立ち止まったとき、どうしていいかわからないとき、またここに帰ってこようと思ってもらえる場所でいられるようにと願って、これからも音楽を続けたい」と告げる。
「このライブが何年先も『あの日、よかったね。楽しかったね』って思ってもらえるよう、今日は最後まで全力を尽くします。こんなにも満員のWWW、あなたのその笑顔を見たら、まだまだ負けてられないし、みんなが誇れるようなバンドに必ずなります」、4人を代表してKAZUKIがそう誓うと、演奏は「逆光」になだれ込んだ。グルーヴィーなバンドアンサンブルに乗せてKAZUKIがソウルフルに歌い上げるサビ〈僕ら Flashのような一瞬の煌めきを/待ち侘びよう 青アザだらけで〉〈降りしきる雨のような涙が/いつか大きな花 咲かせるんだ〉のフレーズが胸に刺さる。
「ラプソディ」では客席も一緒になって歌声を重ね、「一目惚れmidnight」「サイレン」とこのうえない一体感を作り上げて終了したライブ本編。その余韻も冷めやらぬまま、すぐさま起こったアンコールの大合唱に応えて届けられたのは、冒頭にも記したドラマ主題歌にして7月8日に配信されたばかりの最新シングル「パラレルナイト」だ。ブラックミュージックとロックを融合させたミクスチャー・サウンドを得手とするBILLY BOOだが、そんな彼らが真正面からJ-POPに向き合って生み落とした王道のバラードナンバーがオーディエンスを釘付けにする。繊細さと懐の深さを兼ね備えたこの楽曲は間違いなく彼らの未来を大きく拓く――食い入るようにステージを見つめる一人ひとりの熱い眼差しにそう確信してやまなかった。
「ラスト1曲! 今回のツアーいちばんの景色を全員で作るぞ!」
KAZUKIのアジテーションに再び場内がダイナミックに揺れる。ツアーを締めくくったのは四つ打ちのリズムに貫かれたアッパーチューン「トラボジマ」だった。しんみりとは終わらせないのは彼らの矜持でもあるのだろう。韓国語で“振り返るな” という意味のこの曲、失恋にもめげない究極の前向きソングが旅のフィナーレを明るく彩る。これでツアーは終幕するが、きっとここからが本格的な快進撃の始まりだ。11月、12月には大阪と東京にて二度目のワンマンライブツアーとなる【GAMBIT tour 2026】の開催もこの日、本人たちの口から発表された。次はどんな景色を作り上げるのか、否応なしに期待は募る。
Text by 本間夕子
Photos by うえむらすばる
◎セットリスト
1. BANDAGE
2. Fake Lover
3. Dejavu
4. Error:25
5. ラブソング
6. Darling
7. Shake it!!
8. レンズ
9. 逆光
10. ラプソディ
11. 一目惚れmidnight
12. サイレン
〈アンコール〉
1. パラレルナイト
2. トラボジマ
◎公演情報
【BILLY BOO “GAMBIT tour 2026”】
2026年11月6日(金)大阪・Live House ANIMA
2026年12月4日(金)東京・Spotify O-WEST
チケット:4,500円(ドリンク代別)
◎リリース情報
「パラレルナイト」
2026/7/8 DIGITAL RELEASE
テレビ朝日系毎週火曜よる9時『クロスロード ~救命救急の約束~』 主題歌
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