<ライブレポート>SIX LOUNGE 「好きだから」、ほかは関係ない――マカロニえんぴつと作り上げた真っ向勝負、【Sweet Journey Tour】ファイナル

2026年7月8日 / 20:00

 「なんで呼んでくれたのって、好きだからです。俺らがマカロニえんぴつのことが好きだからです」。6月24日水曜日、東京・Zepp DiverCityでの対バンツアー【Sweet Journey Tour】ファイナル。この日の対バン相手、マカロニえんぴつのはっとり(Vo. / Gt.)からの質問に、自らのステージでそう答えたSIX LOUNGEのヤマグチユウモリ(Gt. / Vo.)。その言葉に「そうだよなあ、それしかないよなあ」と深く頷いた。ジャンルや世代など関係ない。好きかどうかだけが重要で、それ以外は必要ない。初日のcoldrainにはじまり、Age Factory、Hump Back、石崎ひゅーいと、見事なまでにバラバラなこのツアーのラインナップは、SIX LOUNGEというバンドがどこまでもシンプルに音楽を、ロックンロールを愛していることの証明だ。このツアーファイナルでも、2組はお互いへのリスペクトを端々に滲ませながら、痛快なまでにそれぞれのスタイルを貫いて、最高の真っ向勝負を演じてみせた。

 先んじてステージに立ったマカロニえんぴつはちょっとダークでヘヴィな「愛のレンタル」からライブをスタート。このあたりはもしかしたらSIX LOUNGEが相手だからというのも少しはあったのかもしれないが、いったん始まってしまえばそこは百戦錬磨の彼ら。瞬く間にフロアを掌握して、シンガロングを生み出していく。「レモンパイ」でオーディエンスの手拍子を誘うと、立て続けに性急なリズムで突っ走るロックンロールチューン「girl my friend」へ。声が上がり、歌声と歓声が上がる。田辺由明(Gt.)とはっとりが向かい合ってギターの音を重ねてフィニッシュすると、会場中を大きな拍手が包み込んだ。

 「恋人ごっこ」にユウモリが好きだという「リンジュー・ラヴ」を経て、「なんでもないよ、」ではオーディエンスに歌を預けて大合唱を生み出すマカロニえんぴつ。さらに「忘レナ唄」が会場のボルテージをさらに一段引き上げると、ここでサプライズ。分厚いリフとともに鳴らし始めたのはSIX LOUNGEの「リカ」の一節だった。ひときわ大きな歓声が起こるなか、「SIX LOUNGE最高!」と叫んだはっとり。その「リカ」に続いて割れんばかりのシンガロングと手拍子が会場を覆い尽くした「洗濯機と君とラヂオ」がこの日のハイライトだった。「どこでもいいわけじゃなく、この場所でやりたいと思いました。だから出ました。なんかいい予感がしたんです。でも、こんなに出てよかったと思うとは思ってませんでした。出てよかった」。「星が泳ぐ」を終えたはっとりはそう口にしていたが、確かにその通り、最後の「ミスター・ブルースカイ」まで、とても親密で熱いライブだった。

 そしていよいよ始まったSIX LOUNGEのライブ。先ほどのマカロニえんぴつとは対照的に、シンプルなセッティングのステージに現れたユウモリが「東京!」と叫んで鳴らした1曲目は「さよならじゃない方がいい」だった。イワオリクのベースも、ナガマツシンタロウのドラムも弾むように広がり、Zepp DiverCityをのっけから歓喜の渦に叩き込んでいく。そこからギアを上げて「言葉にせずとも」、さらに「STARSHIP」と楽曲を畳み掛けるたびに、フロアの温度はぐんぐん上昇していく。ツアーを回ってきたからかバンドはノリにノッているようで、がっちり分厚いのに軽やかなサウンドに、観ているこっちの身体も思わず動き出す。拳を突き上げるオーディエンスが放つ声に、ユウモリも笑顔を見せる。彼の「行こう!」という言葉に導かれて「STARSHIP」の〈I LOVE YOU YEAH〉の大合唱が会場を包み込む頃には、最高の空気ができあがっていた。

 「大分から、SIX LOUNGEです!」と名乗りを上げると、ユウモリは「マカロニえんぴつとSIX LOUNGE、最高の夜を約束するよ。やろうぜ、東京!」と宣言。その言葉がただでさえぶち上がっているフロアにさらに火をつける。「IN FIGHT」では赤と緑の毒々しいライトが高揚を煽り、「ナイトタイマー」ではソリッドなバンドのサウンドにフロアがぐわんぐわんと揺れる。その流れから披露された「New Age Blues」は圧巻だった。4つ打ちのビートに手を打ち鳴らすオーディエンス。そのテンションが、ユウモリの歌う〈このままHold Me Tight, Lonely Night〉のフレーズがトリガーとなって爆発する。うねるようにリズムを感じて踊るフロア。最高の景色だ。

 リクの爆音ベース、シンタロウの暴れ馬のようなドラム、そしてブルージーな響きから一気にアクセルを踏み込むユウモリの唄。「グロいラブソング」で、このバンドならではのスリリングな音のバトルロイヤルを見せつけるSIX LOUNGE。それを終えると、ユウモリはフロアに向かって「さっき、俺らがもう尖ってないみたいな言い方してたやつおるよな。誰や?」と噛みつく。以前マカロニえんぴつからライブに誘われたが断った、というエピソードを先ほどはっとりが明かす一幕があり、そのときにフロアのファンから「尖ってたんだよ!」という声が飛んでいたのだ。「バカ! 尖り狂ってるかんな!」。そう叫んだユウモリがギターをかき鳴らしたのは「ピアシング」。瞬時に反応して一緒にシャウトするオーディエンス。この、ステージとフロアの阿吽の呼吸というか、完全に一体になって転がっていく感じこそ、SIX LOUNGEである。

 「相合傘」と「君が眩しいから僕は星が見えない」というふたつのラブソングでムードを変えたあと、「マカロニの『リカ』、めっちゃよかったなあ。マカロニの曲かと思った」と呟くユウモリ。そして「これが本家です」と「リカ」を届けると、もうライブは終盤だ。「マカロニえんぴつと平日のライブハウスに愛を込めて!」――オレンジの光に包み込まれたステージから放たれた「メリールー」が美しく響き渡ると、「ライブハウスへようこそ!」と「アナーキー・イン・ザ・人生」「トラッシュ」、そして「スピード」と怒涛のラッシュを経て、最後に「トゥ!トゥ!トゥ!」でフロアをぐっちゃぐちゃにすると、「サンキュー、東京!」とSIX LOUNGEはステージから去っていった。

 その後、アンコールで再び戻ってきた3人。ユウモリは「リカ」のお返しとばかりに「星が泳ぐ」の一節をうろ覚えで歌い、ツアーファイナル恒例ということでメンバーにも話を振る。もっともシンタロウは両手の中指を立てて何も言わないし、リクは「早く呑みたいな」と言うばかりなのだが。ともあれ、3人ともツアーに手応えを感じているのか、満足げな表情だ。そして「カナリア」でまだまだ元気なZepp DiverCityをでっかい愛と光で包み込むと、最後は「東京、死ぬほど会いたいから会いにきたよ」というユウモリの言葉とともに「死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ」。最後の最後まで会場をひとつにして、ツアーはフィナーレを迎えた。この日のライブ中には、今年9月から全国21か所を巡る【SIX LOUNGE “逆夢” TOUR】の開催を発表。その先の2027年2月に控える初の日本武道館ワンマン【SIX LOUNGE “正夢”】に向けて、SIX LOUNGEは転がり続けていく。

Text:小川智宏
Photo:日隈天明(SIX LOUNGE)、酒井ダイスケ(マカロニえんぴつ)

◎公演情報
【Sweet Journey Tour】
2026年6月24日(水) 東京・Zepp DiverCity


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