lecca  RYO the SKYWALKERやRHYMESTER、三浦大知らゲストも駆けつけた20周年記念ライブで39曲を完唱

2026年7月4日 / 18:00

 6月28日、シンガーソングライターのleccaが大阪城音楽堂で【lecca 20th Anniversary Live “Dreamers”】を開催した。

 本公演は、leccaのメジャーデビュー20周年を記念する一夜限りの特別なアニバーサリーライブで、2025年より1年をかけて3つのコンセプトで全国を巡るツアー【lecca Road to 20th Anniversary Live Tour】を経て、今年4月26日にデビュー記念日を迎え、たどり着いた公演だ。ジャパニーズ・レゲエの聖地である大阪の地にはleccaのファンが多く、その熱量も高い。10周年記念ツアーも開催された同会場には、大阪だけでなく全国からファンが集結した。

 この日はスペシャルゲストとして、RHYMESTER、Spinna B-ILL、JUMBO MAATCH、三浦大知と、leccaと縁が深く、lecca自身がリスペクトする豪華アーティストがお祝いに駆けつけた。またバンドメンバーやDJ、ダンサー陣、スタッフも長年leccaと活動を共にしてきたファミリーたち。まさに彼女が20年の間に築いてきた歴史と人間関係と愛が結実した、宝物のような1日となった。

 数日前までダブル台風による悪天気が心配されていたが、当日雨雲は去り、過ごしやすい曇り空で推移した。会場では、早い時間からファンがグッズを求めて長蛇の列を作る。身につけているグッズを見ていると、長くleccaを応援している人が多いことがよくわかった。

 開場中を彩るのは、leccaのバックDJを18年間つとめてきたBLAXX aka EAST BLAZEによるDJタイムだ。BLAXXは「今日はマジで特濃のライブなんで! もうすぐlecca出てくるぞ!」と盛り上げ、ジャパニーズ・レゲエの名曲や大阪のレゲエ・ミュージシャンの楽曲をレコードでプレイ。みるみるうちに会場をレゲエ色に染めていく。特別な1日をファミリー全員で作り上げるという強い絆が、開演前からしっかりと示されていた。

 ステージには、この日のイベントと20周年ツアーのロゴがあしらわれたラスタカラーのフラッグが飾られていた。BLAXXが「本日の主役、lecca!」と叫ぶと、YOTA(Gt)、KUUBO(Ba)、LUKE(Dr)、Mi3(Key)、DJ DAISHIZEN(DJ)の生演奏で「BIG POPPERのテーマ」が鳴り響く。ダンサーのMAIとSANAEがイベントロゴ入りの旗を大きく振り回すと、真っ赤な衣装に身を包んだleccaが登場。客席からは待ってましたとばかりの大歓声が湧き起こった。

 leccaの「よっしゃ、いこう」との言葉から始まったのは「Urban Pirates」。「ようこそいらっしゃいました大阪! 大阪だけじゃないの知ってる。全国から本当にありがとう」と伝えて会場の熱を引き上げると、「Gambling」「GAME」「INFORMER」「Golden Lion」「愛&lie&wine」をショートバージョンで息つく間もなく繋いでいく。1曲ごとに高まるオーディエンスの熱量と一体感は、聞きしに勝る素晴らしさ。開放的な初夏の野音で、全身から「leccaが好きだ」という想いを溢れさせ、後方の芝生エリアまでひとつになって手を振る客席の様子は実に壮観だった。

 leccaは20周年を「あまり意識しておらず、長くやってきた感覚もない」と振り返る。「デビューの頃と今やっていることも変わってなくて。1番すごいのは、私のチーム、スタッフ、仲間たちが誰も私を変えようとしなかった。それが全て。途中でいくらでもブレることはできたけど、音楽的には『よくぞ私を違うところに連れていかずにやってくださったな』と思います。そしてそれは、私の曲を聴き続けてくれた皆のおかげ」と感謝を述べる。メジャーの世界で自分のスタイルを貫き通すことができたのは、誰よりも“lecca family” が彼女の個性を大切にし、守り続けてくれたからに他ならない。

 続く「前向き」と「Higher」では、「本当によくやってきたよね。上へ上へって目指して。なかなかできることじゃないよ」と聴き手の人生を丸ごと肯定していく。ステージを見つめる誰もが、leccaの包容力に救われていたのではないだろうか。

 ここで1組目のゲスト、JUMBO MAATCH(Mighty Jam Rock)が登場。2014年に初コラボした「Vibes Up」を投下すると、会場のボルテージは急上昇。JUMBOはステージを走り回りながら、キレキレのラップを繰り出して躍動する。観客も呼応して笑顔で手を上げ、大盛り上がり。JUMBOは「lecca姐さんおめでとうございます!」と祝福。「こっからまだまだえげつないから、皆楽しんで帰れよー!」と明るく述べてステージを後にした。

 「ミソ-gal」「上がるLIFE」「a~i!」「ファミリア!」では、過去にleccaのダンサーをつとめていた努(オンナマタヂカラ)のRUDY-E、HOTTIE CATのMEGU、CHIEがジョイン。現役ダンサーのMAIとSANAEも入れ替わりで楽曲を彩る。努とHOTTIE CATのメンバーがダンサーをしていた時から数年経っても「今の方が輝いてて可愛い!」と女性のエンパワーメントをはつらつと提示。「年齢とかじゃなくて、私たちはまだまだ上がっていけるんだ」というポジティブなエネルギーが会場に広がっていった。

 MCでleccaは、胸の中にあるさまざまな想いを伝えていく。葛藤や不安を抱きながら曲を書いていた過去を回顧し、ライブに来てくれたファンの存在にどれほど救われ、支えられてきたかを口にする。「音楽って本当にありがたくて。人生のステージや一緒にいる人が変わっても、『10年前、20年前のあの一瞬、あそこに一緒にいたよね』というその一瞬が、私を20年走らせてる。それってすごいなって。今日もライブをやらせてもらってるけど、今日1日だけのことじゃないんですよ。この後ずっと皆の人生に関わる1日なの。今日の記憶や体験や感動が皆の脳裏に焼き付いて、仕事で落ち込んで家に帰ってトイレとかに入った時、今日焼き付いたその景色が、『何だよ、頑張れよ』って言いにきます。皆が一緒に頑張ってることを忘れないでほしい。私はずっとそうやって、音楽と、音楽を共有させてくれる皆に助けられてきました」と述べて、仲間や大切な人を思う「Memories」「Dear」、懐かしい恋愛ソング「なみだの日」「anata」を丁寧に歌唱した。

 2組目のゲストはSpinna B-ILL。自身の楽曲「ライオンの子」を歌いながら勢いよくステージに姿を現すと、「lecca、20周年おめでとう!」とシャウト。そのままSpinna B-ILL、HOME GROWN、RUEED & I-VANをフィーチャーした「One Love」をleccaと共に響かせる。〈今日は待ちに待ったleccaの20周年〉〈祝いに来たぜ大阪城野音で!〉と歌詞を変えて歌うと、大喝采が巻き起こった。

 少しずつ陽が傾いてきた頃、ライブは後半戦へ。衣装チェンジのために一旦ステージをはけたleccaに代わりDJ・BLAXXが登場し、leccaが国内外のアーティストとコラボした楽曲を流して会場の熱を保ち続ける。そして「夢を持ってる人どんだけいますか!」とショーン・ポールとのコラボ曲「Dream Girl」をプレイ。煌びやかな装飾がついたトップスとデニム姿でステージにカムバックしたleccaは、力強い歌唱で客席を大きく揺らす。そして2010年に九州男をフィーチャリングした「TSUBOMI」を久々に披露。これには観客も大喜びで、気持ちよさそうにリズムに身を任せる。歌い終えたleccaは「『Dream Girl』と『TSUBOMI』は相手がいなきゃ歌えない曲なんだけど、『今日は特別だからやった方がいいよ』ということでやらせてもらいました。あの時期があって今の時期がある。やるかどうか悩んだ曲だけどやってみました」と微笑んだ。

 ここで、10月14日にニューアルバム『Lovers & Dreamers』をリリースすることがアナウンスされた。「私はこれから、40代を、50代を元気に強く、明るく逞しく生きていくための曲を作ろうと思っていて。今日は20周年記念ライブをやらせてもらっていますが、20周年が到達点だとは思っておりません。もっともっと上手くなるし、もっとできることがあるはず。『これやりたい』と決めたら習慣が変わるんです。音楽で20年前にそうさせられたんだと思い出したんですけど、今また波が来ちゃって。ヤバい曲書き始めたから、待ってて皆!」と期待を高める。

 さらに「実はシークレットゲストがもう1人いるんだ。アルバムに憧れの人が参加してくれたんだよね。この人に憧れてこの歌のスタイル始めたの!」とRYO the SKYWALKERを呼び込んだ。オーディエンスは悲鳴を上げて大興奮! テンションMAXの中で披露されたのは、彼をフィーチャリングした新曲「One Chance」だ。 歓喜を響かせリリックスを叩き込むRYOと、感無量といった表情で歌うlecca。〈まっすぐ進め 見たい未来は今すぐ造れ〉という前向きな歌詞に、観客は前のめりのプチョヘンザで喰らいつく。この尊い時間は、leccaのキャリアの中でも間違いなく歴史的で奇跡的だ。RYOはleccaとハグをして「最後まで20周年楽しんでいってくれよ! 最高!」と爽やかにステージを去った。

 leccaは感慨深げに「私にこうやって夢を見させてくれる人がいっぱいいるでしょ。今から出てくるこの人もそう。どれだけ夢を見させてくれたかな。そこに向かう力強い姿」と、三浦大知を招き入れる。「20周年おめでとうございます!」と軽やかにステージに飛び出た三浦とプレイしたのは「First Sight」。この曲は2011年にleccaが三浦を題材にして書いたもの。1番をleccaが、2番を三浦が情感豊かに歌い上げる。三浦は今年3月にソロデビュー20周年を終えたばかり。情熱と初心を忘れぬまま、それぞれの道で自身の表現を極めてきた2人が織りなすハーモニーはポジティブで力強く、互いに嬉しそうかつ楽しそうに歌う姿には、思わず込み上げるものがあった。

 leccaは「レゲエ界隈って心が強い方が多いけど、世の中は厳しすぎる。だから皆、自分の心を守ってほしい。辛い時は自分を辛くするものから離れていいし、他の誰かにならなくていい。あなたを違う人にしようとする人に屈しちゃダメよ、自分でいいの」と優しく説いていく。背中を押すように「君にとどけ」「Right Direction」「素晴らしい人生」と応援歌を重ねると、「SOLA」「ohayo-gozaimasu」ではギアをアップ! 〈本気出してこう〉とエネルギッシュに鼓舞していく。デビュー以来、一貫してポジティブなメッセージを届けてきた彼女の熱量が、クライマックスに向けて爆発した。

 そして最後のスペシャルゲスト・RHYMESTERが登場。投下されたのは2013年のコラボ曲「Sky is the Limit」。宇多丸がアグレッシブにラップを放ち、Mummy-Dが大人の色香漂うフロウで魅せ、DJ JINが華麗にスクラッチをキメる。leccaとのハーモニーも極上で、観客は大熱狂の渦に飲み込まれた。

 ラストスパートは「紅空」「My measure」を連投。会場全員でパワフルに踊った「バタフライ エフェクト」からの「ちから」を経て、1stシングル「For You」で本編を締め括った。「自分の道を頑張って守って歩き続けたんでしょ。自分が1番楽しんでるそれを守ってね。そしたら5年、10年、20年後に、あなただけの宝石みたいに輝く何かになるから」という熱いメッセージを受け取り、暮れゆく野音を黄色のペンライトで美しく染め上げるオーディエンス。leccaは「一夜限りの大阪城野音来てくれてありがとう! 最後の最後まで皆のバイブス受け取りました!」と告げ、ステージを後にした。

 アンコールに応えてステージに戻ったleccaはダンサー2人と堂々と旗を掲げ、「Jammin’ the Empire」で〈のろしを上げよ〉と力強く歌う。その真っ直ぐな視線の先は、既に次の未来を見据えているかのようだった。

 leccaは観客を労い、アルバム『Lovers & Dreamers』を引っ提げた秋のZeppツアーをサプライズ告知するとともに、アルバムの楽曲が「Lovers」と「Dreamers」の2つのテーマに基づいて作られるという構想を明かす。

 前作のアルバム『LIBERTY ERA』(2024)まで、現実の重さとやるべきことの多さで、夢を見ることを忘れていたと吐露するlecca。「そんな自分に甘んじていたけど、私やっぱり夢見たいなって。楽しいもん。音楽で見る夢は最高だし。今日の20周年もネクストチャプターへの始まりの初日。皆も何歳でも夢を見て、やりたいことを目指してください」と晴れやかな笑顔で語りかけた。そんなMCの後に届けられたラストチューンは、メジャーデビューミニアルバムの表題曲「Dreamer」。原点とも言えるこの曲をセットリストの最後に置いたことが、彼女が今なお現在進行形の“Dreamer” であり、次なるステージへと歩みを進める何よりの証明のように感じられた。

 いよいよフィナーレ。全ゲストとダンサーを呼び込むと「さあ皆、このステージの上の力強いDreamerたち見たでしょ。この人たちのパワー、メッセージ、目に焼き付けて持ち帰って、辛くなったら思い出して。いいかい、負けるんじゃないよ。諦めるんじゃないよ。今日持ち帰って、一緒に叶えよう」と一層魂のこもったメッセージを届け、20周年記念ライブは大団円を迎えたのだった。

 実に3時間超え、まさに20年の歴史を総ざらいする選曲で、全39曲を見事に歌い上げたlecca。彼女への愛とリスペクトが全方位に満ちた、最高にハッピーな空間だった。しかし「One Chance」でも歌われていたように、〈これはほんの始まりにすぎない〉。20周年を通過点として、彼女が秋のアルバムとツアーで魅せてくれる景色が楽しみで仕方ない。

Text by 久保田 瑛理
Photos by ハヤシマコ

◎ツアー情報
【lecca Live Tour 2026 “Lovers & Dreamers”】
11月15日(日)愛知・Zepp Nagoya

11月21日(土)大阪・Zepp Namba
11月23日(月・祝)福岡・Zepp Fukuoka
12月4日(金)北海道・Zepp Sapporo
12月11日(金)東京・Zepp DiverCity (TOKYO)
チケット:プレミアムチケット(FC限定)12,500円、一般指定チケット8,000円(すべて税込)


音楽ニュースMUSIC NEWS

<ライブレポート>aikoワールド全開で規格外のパフォーマンスを見せた【Love Like Pop vol.25】東京ガーデンシアター公演

J-POP2026年7月4日

 aikoが6月6日および7日の2日間、東京・東京ガーデンシアターにて全国ライブツアー【Love Like Pop vol.25】を開催。まさにaikoワールド全開の3時間半にわたるライブで、集まった観客の期待に応える熱演を見せた。このレポ … 続きを読む

【深ヨミ】≠ME『愛くださいませ/ここでファーストキッス』の販売動向を調査

J-POP2026年7月4日

 2026年7月1日公開(集計期間:2026年6月22日~6月28日)のBillboard JAPAN週間シングル・セールス・チャート“Top Singles Sales”で、初週431,769枚を売り上げて首位を獲得した≠MEの12thシ … 続きを読む

PURPLE BUBBLE、新曲「いきぬく」MV公開

J-POP2026年7月3日

 PURPLE BUBBLEの新曲「いきぬく」のミュージックビデオが、7月3日に公式YouTubeチャンネルで公開された。  本映像では、観客に360度囲まれたライブハウスのフロアで、PURPLE BUBBLEがエモーショナルな演奏と歌声を … 続きを読む

三宅香帆、昭和~令和のドラマ・映画・小説から「夫婦」を分析した最新刊『「夫婦」不在社会』7/16発売

J-POP2026年7月3日

 三宅香帆が、最新刊『「夫婦」不在社会』を7月16日に講談社より発売する。  本書は、昭和から令和にかけてヒットした小説、ドラマ、映画を通して「夫婦」の描かれ方を分析し、これからのパートナーシップのあり方を論じた一冊。「仕事」と「家庭」の両 … 続きを読む

マカロニえんぴつ、新曲「終宵」MVは全編を1対1の画角で構成

J-POP2026年7月3日

 マカロニえんぴつが、TVアニメ『ワールド イズ ダンシング』オープニングテーマの新曲「終宵」のミュージックビデオを公開した。  本MVの映像は、映画監督・映像作家である木村太一が手がけ、能楽堂の「本舞台」の基本寸法である京間三間四方に着想 … 続きを読む

page top