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春の温かさが少しずつ近づいてきた2026年3月12日、LUNA SEAが東京・有明アリーナで【LUNATIC X’MAS 2025 -OUR JOURNEY CONTINUES-】の振替公演を開催した。
本公演は元々2025年12月に行なわれる予定だったクリスマスライブで、SUGIZO(Gt./Vl.)が交通事故で負傷し、療養期間が必要となったことから延期となっていた。その後、振替公演の開催まで一か月を切った2月17日に真矢(Dr.)が逝去。3月8日にぴあアリーナMMにて献花式を執り行れた中での開催となった。
会場に入ると、ステージ上にはドラムセットが2台セッティングされている。一方は真矢、そしてもう一方は昨年の【LUNATIC FEST. 2025】から引き続きサポートを務める真矢の愛弟子:淳士(SIAM SHADE)のセットだ。
会場が暗転するとステージのスクリーンには真矢のドラムソロ、そして【LUNATIC FEST. 2025】に真矢がサプライズで登場した際の映像が映し出される。「LUNA SEAには絶対、止まってほしくない。絶対、LUNA SEAを続けたいと僕はメンバーにわがままを言いました。LUNA SEAは決して止まらない。LUNA SEAは決して止まらないからね! みんな愛してるよ!」と力強く響く彼の言葉に会場は大歓声で包まれる。涙を流すSLAVE(LUNA SEAファンの呼称)の姿も。そして、荘厳な鐘の音が鳴る中、メンバーが登場し、INORAN(Gt.)が真矢と共作曲した「UP TO YOU」でライブがスタート。未来への決意表明とも感じられる歌詞をRYUICHIがエモーショナルに届ける。そこから、定番ナンバー「Dejavu」で畳み掛けていく。スクリーンには真矢の演奏映像も映し出され、バンドは彼と共に楽曲を奏でている。
続くMCでは「2026年3月12日、有明アリーナ。みんなも、色々な気持ちを抱えて今日は来てくれたと思います。俺たちもね、色んなことを考えたんだけど、一番大切な真ちゃんとの約束があったから、今日はライブをやるという決断をしました」とRYUICHIが優しいトーンで語りかける。続くSUGIZOはまず「みんな、本当にご心配とご迷惑をおかけしました。本当にすみませんでした」と12月の公演延期について謝罪。そして、「本当は今日、盛大な復活の狼煙になる日だったんだけど、こういう形になって…でも、真矢はここに居るから。奴は賑やかなのが好きだから。今日は真矢が一番喜ぶことをしましょう。ド派手に行きましょう、みなさん!」と力強く呼びかけた。
バンドはそこから「真ちゃんのビートから生まれたこの曲で、思いっきり盛り上がっていきたいと思います」という紹介からアップテンポな「MILLENIUM」に突入。SUGIZOとINORANが奏でる煌めくような音像、そして再会を願う歌詞が心を揺さぶる。J(Ba.)のグルーヴィなベースラインが牽引する「Sweetest Coma Again」では一点してヘヴィで妖艶なサウンドで会場を揺らす。
「最後の瞬間までドラマーであり、LUNA SEAという神輿を担いでくれた真ちゃんがいてね。でもいつもどんなときも笑顔だったから、今日はみなさんにぜひ楽しんで欲しいと思います」とRYUICHIが再び語りかけると、そこから真矢が作曲を手掛けた「inside you」、幻想的な美しさが光る「gravity」と繋げていく。終幕直前の2000年にリリースされた2曲の後は、2013年『A WILL』収録の「absorb」に突入する。終幕前の楽曲達とはまた違った味の、濃密で神秘的な世界観は圧倒的だ。後半には盛大なシンガロングも発生し会場が多幸感で満たされる形で前半戦が締めくくられた。
休憩時間が終了すると、真矢のドラムセットにスポットライトが当たり、スクリーンに【35th ANNIVERSARY TOUR ERA TO ERA -THE FINAL EPISODE- LUNATIC TOKYO 2025 -黒服限定GIG-】でのドラムソロの映像が映し出される。これまで数え切れないくらいLUNA SEAのライブで披露されてきた彼のドラムソロ。誰もまだ心の整理はしきれていない。それでも今までと同じように、本当に真矢がステージ上にいるかのように、本人に届くように「真矢!」と叫ぶ声が会場中から湧き上がる。真矢の「もっと来いよ!」「お前ら最高にカッコいいぜ!」という煽りに大歓声でSLAVEが応える。真矢のパワフルでクリエイティブなフレージングのドラムソロがいかにライブに欠かせないかけがえのない要素だったかを改めて実感できる時間だった。
バンドメンバーが再登場すると、メタリックなスピードナンバー「Metamorphosis」で一気に後半戦のギアを入れ、骨太な「G.」でさらに畳み掛けるように会場の熱量を高めていく。SUGIZOの印象的なギターフレーズがミラーボールの輝きと共鳴する「IN SILENCE」、この公演を観るために集結したSLAVE達に贈られた「I for You」ではRYUICHIのエモーショナルな歌唱がいつも以上に刺さる。
「今夜は真矢くんが呼んでくれて…今夜もですけど、淳士が叩いてくれています。結構無茶なスケジュールを調整して立ってくれていて。真矢くんの指名というのももちろんあるんだけど、“俺が叩かないでどうすんだ”って思ってくれてるから」と師匠のフレージングを見事なまでに再現してきた淳士をRYUICHIが紹介する。大歓声の中スクリーンに映る淳士は感動の表情を見せていた。そんな彼の姿を見て「まだ号泣すんなよ、もらい泣きしちゃうから」とRYUICHIが笑いながら呼びかけ、そこから話題は真矢との思い出に。
「本当に面白いことが一杯あってね。真矢くんといると本当に毎日が笑顔で、冗談言いあって、長い長いツアーの中でも共にそういう時間を大切にしてリラックスして次の日もステージに立てるように。本当にムードメーカーというかね。そこはもしかしたら淳士はまだ足りないかもしれないけど(笑)。今日は有明アリーナに来られなかった人もZAIKOで配信を見てくれているということで、献花式に3万人も来てくれたのもそうだけど、やっぱり、とんでもないドラマーなんだよね。世界一の人気者だと思います」
RYUICHIの優しさに溢れた言葉で少ししんみりした空気が流れたのもつかの間、煽りからファンキーで爽やかな妖艶さを持った「BLACK AND BLUE」で会場を揺らしていく。SUGIZOのカッティングが光るダンサブルな名曲が久々の披露となった。そして、最終盤は定番の流れとなった。「ROSIER」では、Jが恒例のマイクスタンド投げでは「いくぞ真矢!!」と叫び、会場のボルテージもさらに上昇。最後はINORANの印象的なリフから「TONIGHT」に突入。どのメンバーもこの日一番のエネルギーをステージにぶつけるように演奏し、本編は幕を下ろした。
アンコールを呼ぶSLAVEたちは「きよしこの夜」を合唱。延期となったとはいえ、本公演はクリスマスライブ。過去の【LUNATIC X’MAS】でも見られた光景が再現される形となった。
再びステージ登場した4人は、一人ずつ現在の心境を明かしていった。
RYUICHI
「まだね、真ちゃんからメールとか来そうな気持ちでいます。今にも起きてきそうな、優しい、そんな眠った顔だったからね。今日も色んなことがあったけど、ずっと支えてくれてたんだな、やっぱり共にいるんだなと思いました。沢山の方に献花式を含め来ていただきました。本当にみなさんありがとうございます。絶対喜んでるよ。本当にどうもありがとう」
J
「絶対いるよ!必ずどこかで見てる。本当にね、今日ライブを演って、真矢くんが叩き続けてきたビートが、この体の中に刻まれてんだなって。メンバーみんなそうだと思う。本当に感じながら演奏させてもらいました。実際、真矢くんが旅立ってから、何も手につかなくてさ。心の置き所をずっと探している感じ。でも今日ね、見つけたね。やっぱり、みんなと一緒に盛り上がるライブ、ここが俺の心の置き場所なんだなって、本当に思いました。これからもね、真矢くんの思いを連れてガンガンすっ飛ばしていこうと思います。今日はありがとうございます!そして真矢くんも俺たちを見守っててください。ありがとう」
INORAN
「二つあります。一つは、どれだけ真矢くんがみんなに愛されていたか。そしてLUNA SEAがどれだけ、みんなに愛されていたか。それを教えてくれました。お笑い担当がいなくなっちゃったんでね、僕が継がないといけないと勝手に思ってるんですけど。精進して頑張ります!そしてもう一つ、“お前ら最高にカッコいいぜ!”って真ちゃんがみんなにいつも言ってくれるだろ?いつまでもいつまでもこうやってバンド続けて、ライブやって、“お前ら最高にカッコ悪いぜ”なんて言われないように、僕らは頑張っていくんで、よろしくお願いします!」
SUGIZO
「まったくさ、俺達を置いて先に行っちゃいやがってさ、冗談じゃないよ!いずれ俺たちが向こうに行ったら、まず頭ひっぱたいてやろうと思ってます。先に行くんじゃねえって話なんです。でも、長年の親友がね、あちら側に行ってしまって…本当に今日はステージに立つのが怖かったです。事故の後だし、真矢いねぇし。だけど、Jも言ったように、今日思いました。ここが俺達の居場所で、俺達のホームで帰ってくる場所なんだと。いつものように真矢は居ます。俺達がこちらの世界にいる限り、真矢といっしょに全力で突っ走っていこうと思うので、ぜひ引き続き共に歩んでいきましょう。そして、いずれは俺達も君たちも向こうに行くんだから、そのうち向こうでここの全員で続きを演りましょう。真矢、待っててくれてるから。多分すごいライブになるよ。もう真矢は向こうで熟練の男になってると思うし、ずっと待ってくれているhideさんも居るし、HEATHも居るし、櫻井(敦司)さんも。全員集めて、君たちみんなで最高のショーを向こうでやれるから。楽しみが増えたね。俺達がこちらの世界で命ある限り、真矢と共にこれからも走っていきます。君達も俺達と共にこれからもよろしくお願いします」
RYUICHIは続いてスタッフ、そしてここまで想像も絶するプレッシャーの中で師匠のフレージングを完璧に演奏し、4人を支えた淳士を称えた。RYUICHIの言葉とSLAVEの声援を聞いていた淳士はドラムセットに座りながら号泣していたが、次の楽曲に入るタイミングでまるでスイッチを入れたかのように表情が切り替わったのが印象的だった。
SLAVE達から贈られた横断幕をステージに飾った後、“旅の始まりの歌”という紹介から「LUCA」でアンコールはスタート。新たな光の中へと歩みだすような美しい音像を、真矢の映像を背に奏でていく。「お前ら全員かかってこい!」とRYUICHIが煽ると、幾度とLUNA SEAのライブに多幸感と一体感を生み出してきた「WISH」へ。会場には銀テープが降り注ぎ、メンバーも最高潮の熱狂の中でSLAVEと一つとなった。演奏が終わると、バンドは再びステージを後に。SUGIZOは真矢の居場所を示すかのように、彼のシンバルを叩いてから捌けた。
SLAVEの声援は鳴り止まず、メンバーはすぐに再登場。「実は、今夜のライブに向けて真ちゃんも準備をしていました。してくれていました。みんなに届けたい映像があるので見てください」とRYUICHIが切り出すと、スクリーンに本公演のリハーサル映像が流れる。本日ステージ上にセッティングされているYAMAHA製の最新ドラムセットを試打しながら、セットの色やタムの音を絶賛する真矢の姿が映し出される。その後、映像は「HOLY KNIGHT」をプレイする真矢の様子を映す。全く衰えや弱さを感じさせないパワフルな演奏だ。
「真ちゃんは、原点回帰するということで、今回からYAMAHAにドラムセットを作っていただいて…今日ここに置いてあるんだけど。リハーサルでは本当に今までと全然変わらないじゃんっていうドラムを叩いてくれました。本当に楽しみにしてたんだよね、ライブを。つまらないことを考えてネガティブになるよりも、先の明るい未来を考えてポジティブになる人だったと思うし、本当に人生、魂、全てかけてドラムを叩いてたドラマーなんで。これからも共に旅ができたらいいなと思っています。そんな真ちゃんの想いを乗せて、愛を込めて、最後に有明に集まってくれたみんなにこの曲を贈ります」とRYUICHIが話すと、「HOLY KNIGHT」が披露される。少し遅めの聖夜を全身全霊で届ける形で、この愛に溢れた公演は締めくくられた。
最後の演奏が終わると、バンドの結成日である5月29日に故郷である神奈川・秦野からスタートする全国ツアー【LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER-】の開催が発表となった。同時に、真矢の姿も含まれた新アーティスト写真も公開となった。「今年は真矢くんと一緒に全国のみんなの元に行きます。 “一曲でもいい。後半だけでもいい。ワンフレーズでもいい。必ず叩きに戻るから。”俺たち四人は真矢くんのその思いを抱いて、どの会場に来ても必ず想像を超えるリミットを超える瞬間をみんなに届けたいと思います。過去最強のツアーにしたいと思います!みんな楽しみに待っててください」というRYUICHIの力強い決意の言葉は、会場だけでなく配信で観ていた世界中のSLAVE達を勇気づけるものだったに違いない。
「LUNA SEAは決して止まらない」という言葉を証明するような発表。LUNA SEAの愛が繋ぐこのツアーでもまた、伝説を魅せてくれるだろう。
Text:Haruki Saito
Photos:田辺佳子/上溝恭香
◎公演情報
【LUNATIC X’MAS 2025 -OUR JOURNEY CONTINUES-】
2026年3月12日(木)東京・有明アリーナ
<セットリスト>
1. UP TO YOU
2. Dejavu
3. MILLENIUM
4. Sweetest Coma Again
5. inside you
6. gravity
7. absorb
8. Metamorphosis
9. G.
10. IN SILENCE
11. I for You
12. BLACK AND BLUE
13. ROSIER
14. TONIGHT
アンコール:
15. LUCA
16. WISH
W アンコール:
17. HOLY KNIGHT
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