ブルース・スプリングスティーン、ICEに抗議する痛烈な新曲「Streets of Minneapolis」をサプライズ公開

2026年1月29日 / 13:30

 現地時間2026年1月28日、ブルース・スプリングスティーンがキャリア屈指の政治色の強い楽曲となる抗議ソング「Streets of Minneapolis」をサプライズでリリースした。【ロックの殿堂】入りアーティストは声明で、この楽曲は1月24日に書かれ、1月27日に録音されたもので、「ミネアポリスの街に向けて行われている国家主導の弾圧」に対する反応として制作したと説明している。

 自身が尊敬するフォーク界の伝説的存在である故ウディ・ガスリーの伝統に連なる形で、同曲の歌詞は、トランプ政権が実施する、ときに激しい暴力を伴う移民摘発に市民が立ち向かい、街の通りで繰り広げられている激しい衝突の様子を率直かつ力強く描いている。とりわけ、今月これまでに国境警備および米移民・税関執行局(ICE)の捜査官による暴力的行為により、37歳で3児の母だったレネ・グッドと、37歳の集中治療室看護師だったアレックス・プレッティという2人の米国市民が殺害されたことに言及し、彼らの行為に目を向けている。

 スプリングスティーンはこの楽曲をミネアポリスの人々、そして“罪なき移民の隣人たち”、さらにグッドとプレッティの記憶に捧げた。『ネブラスカ』風の切迫したロック・ソングである本曲は、スプリングスティーンの憤りのこもった歌声と最小限の伴奏から始まる。

 同曲は、監督ジョナサン・デミによるエイズを題材にした1993年の映画『フィラデルフィア』のために制作され、スプリングスティーンが1994年に発表した【アカデミー賞】および【グラミー賞】受賞曲「Streets of Philadelphia」への回帰だ。2番でフル・バンドの轟音へと展開し、今月トランプ政権による移民政策の実行のために数千人規模で街に派遣された覆面のICEおよび国境警備要員に対し、ミネアポリスの住民が見せた勇敢な抵抗を称えている。

 スプリングスティーンは、ビリー・アイリッシュとフィニアス、デイヴ・マシューズ、モービー、オリヴィア・ロドリゴ、ザ・チックスら同業アーティスト、さらに多数のハリウッド・スターや一部の共和党議員とともに、トランプ政権の移民執行当局が用いる強硬な手法を非難する声の高まりに加わっている。彼らは現地時間1月7日に起きたグッドの殺害を受けて声を上げた。トランプ政権は、彼女がICE捜査官であるジョナサン・ロスに対して車を“武器化”したと主張したが、事件の映像は、彼女が車を彼から遠ざけ、ICEの執行現場から離れようとしていたように見える。

 同様に、プレッティが現地時間1月24日に身元不明の米国国境警備局員に殺害された直後、トランプ大統領と政権幹部数名は急いで“国内テロリスト”や”暗殺者”と呼んだが、複数の角度からの映像は、捜査官によって激しく地面に投げ倒された女性を助けようとしていた様子を捉えているように見える。合法的な銃の所有者であるプレッティは、映像では対峙のわずか数秒でホルスターに入っていた銃を取り上げられており、うつ伏せで地面に押さえつけられ、覆面の捜査官およそ6人に拘束された状態で10発撃たれた。

 この曲は、スプリングスティーンの最も激烈な抗議アンセムの一つである2001年の「American Skin (41 Shots)」も彷彿とさせる。同曲は、1999年に非武装のアマドゥ・ディアロがニューヨーク市警に殺害された事件への情熱的な応答だった。また、誤解され続けてきた反ベトナム戦争アンセム「Born in the U.S.A.」や、ジョン・スタインベックに着想を得た、踏みにじられた人々への賛歌「The Ghost of Tom Joad」と並び、今回の最新作も、時代の空気に対して力強く応答してきた彼の伝統に連なる。さらに、元リアリティ番組スターであるトランプに対する嫌悪という点でも一貫しており、最初のトランプ政権下では、「That’s What Makes Us Great」を発表した。大統領の“Make America Great Again”というスローガンを転用し、夢と自由を求めて米国に来る移民を擁護する、荒々しい楽曲として提示していた。

 新曲では、黒人や褐色の肌を持つ人々を見境なく職務質問や強制送還の対象にしようとする捜査官によって権利が踏みにじられていることを嘆きながら、この数か月、全米の抗議現場で頻繁に響いてきた“ICE out now”という叫びを響かせて締めくくられる。

◎「Streets of Minneapolis」歌詞日本語訳
冬の氷と寒さを越えて
ニコレット・アヴェニューを下る
炎に包まれたこの街は
火と氷を相手に闘っていた
占領者のブーツの下で

キング・トランプの私設軍
DHS(国土安全保障省)の名を掲げ
腰に銃を下げたまま
法を執行するために来たという
――少なくとも
それが奴らの言い分さ

煙とゴム弾の中
夜明け前の薄明かりで
市民たちは正義のために立ち
その声は夜を貫いて響いた

だがそこには血の足跡
慈悲が立つはずの場所に
雪に覆われた通りに
二人の死が残された
アレックス・プレッティ
レネー・グッド

ああ ミネアポリス
おまえの声が聞こえる
血の霧を越えて
歌い続ける声が
この大地のために
そして
この街に生きる異邦人のために
立とあがろう

ここは俺たちの家
それでも奴らは殺し
歩き回った
’26年の冬
俺たちは忘れない
名を奪われた者たちを
ミネアポリスのストリートで

トランプの連邦のならず者たちが
顔を殴り
胸を打ち
そして銃声が響いた
アレックス・プレッティは
雪の上に倒れ
息絶えた

奴らは言う
「正当防衛だ」と
だが 目を信じるな と
それでも残るのは
俺たちの血と骨
笛の音と
掲げられた電話
ミラーとノームの
汚れた嘘に抗して

ああ ミネアポリス
おまえの声が聞こえる
血の霧の中で
泣き叫ぶ声が
俺たちは忘れない
名を奪われた者たちを
ミネアポリスのストリートで

奴らは言う
法を守るために来たのだと
だが踏みにじられるのは
俺たちの権利
肌の色が黒でも
茶色でも
その場で問い詰められ
追い出される

「ICEは出て行け」
その叫びの中で
この街の心と魂は
まだ生きている
割れたガラス
血の涙の向こう側
ミネアポリスのストリートで

ああ ミネアポリス
おまえの声が聞こえる
血の霧を越えて
歌い続ける声が
ここは俺たちの家
それでも奴らは殺し
歩き回った
’26年の冬

この大地のために
この街に生きる異邦人のために
立ち上がろう
俺たちは忘れない
名を奪われた者たちを
ミネアポリスのストリートで

俺たちは忘れない
俺たちは忘れない


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