<インタビュー>プロデューサーASAHI(TREASURE)が描くカラーパレット――その上で色が広がっていくとき

2025年12月6日 / 12:00

 ライブで聴いたとき、思わず胸が“ぐっと”なる曲がある。ステージから生まれたメロディーと感情が、まるで客席へゆっくりと、そして確実に染みわたっていくような感覚。TREASUREのASAHIは、まさにそんな曲を作るアーティストだ。今回は、好きなものがぎゅっと詰まったASAHIの作業部屋に招待された。

――10月、ソウルで幕を開けた【PULSE ON】ツアーが現在進行中です。今回のステージ構成で気に入っている点、特にこだわった部分はありますか? バンド編成や、アンコールで披露された多彩な楽曲など、観客として楽しめる仕掛けが多かった印象です。

ASAHI:今年の5月にファンコンサートツアーを終えて、9月にリリースしたアルバム『LOVE PULSE』はミニアルバムということもあり、新曲の数は多くなかったです。前回のツアーと比べてどんな変化をお見せできるか、編曲や構成についてたくさん悩んで話し合いました。楽しんでいただけたなら本当にうれしいです。

――「MOVE」(T5)、「VolKno (CHOI HYUN SUK x YOSHI x HARUTO Unit)」、「THANK YOU (ASAHI x HARUTO Unit)」など、ユニット曲を公演の序盤に配置されていたのも印象的でした。振り返ってみてどのステージが一番楽しかったですか?

ASAHI:一番盛り上がるのはやっぱりアンコールの時間ですね。ステージの動線や振付に縛られず、僕たちもファンの方々も“好きなように楽しめる”時間ですから。今回のオープニングも印象深いです。壮大な雰囲気で登場したときに観客へ強いインパクトを与えられると思って、「MMM」でしっかり力を込めてステージに立ちました。

――そして今日は、ステージではなくASAHIさんの作業室でお会いしました。まずはこの空間から紹介してもらえますか?

ASAHI:インテリアは実は何度も変えました。以前は大きなモニターがあって、メンバーと映画を観たりゲームをしたり、ご飯を食べたりもしていたんですが、今は全部片付けました。自分で組み立てたお気に入りのキャビネットがあって、このキーボードはMIDIキーボードとしてしか使っていないので少しもったいないんですけど、本当は機能がたくさんあるんですよ。そのほかは、どの作業室にもありそうなものばかりだと思います。プリアンプ、コンプレッサー……どれもレコーディングに必要な機材です。ギターやキーボードは曲作りに役立つので、今も少しずつ勉強しているところです。

――いつ頃から曲づくりを始めたんですか?

ASAHI:中学生の頃だと思います。iPhoneアプリの「GarageBand」でビートを作り始めました。当時はヒップホップが好きだったので、ヒップホップのビートを作っていました。家に電子キーボードがあったので、それで練習しながら「これがCコードなんだ」とひとつずつ学んで、曲の形を考えていきました。その過程が本当に楽しかったんです。

――今座っているこの作業室の椅子で、最も長い時間を過ごした時期はいつですか?

ASAHI:今年の3月にリリースしたスペシャル・ミニアルバムのタイトル曲「YELLOW」ですね。とても明るい曲なんですが、制作過程は簡単ではなかったです。およそ2~3か月はかかったと思います。徹夜して朝までずっとここに座って作業したこともありました。

――末っ子のメンバー、SO JUNG HWANさんが「『YELLOW』の誕生を最初から見守っていた」とインタビューで話していました。

ASAHI:SO JUNG HWANは作業室のソファに寝転びながら、僕が作っているのを聴いて「今のよかった」などフィードバックをくれます。HARUTOもラップを書いたり、レコーディング録音を一緒にしたりしますし、YOON JAE HYUKもよく遊びに来て、お喋りする仲間ですね。

――この空間で、ファン(TREASURE MAKER)とライブ配信で交流することもありますよね。自作曲を弾いたり、デモ音源を聴かせたり。そうした時間にはどんな意味がありますか?

ASAHI:「THANK YOU」のデモを聴かせたことがあったと思います。僕自身も、好きなアーティストの曲がどうやって生まれたのか気になりますし、聴いてみたいんです。もともとどんな形だったのか知りたいという気持ちもあります。なので、ファンの皆さんも、そういうものを聴いたら喜んでくれるんじゃないかな、と考えたんだと思います。

――どんなアーティストのコンテンツをよくチェックしますか?

ASAHI:本当に多いです。例えばビートルズのドキュメンタリーを観て、プロジェクトがどのように生まれたのか学んだりもします。最近はプロデューサーや歌手本人が登場して、一緒に話をしたり、楽器について説明してくれたりする動画が多いですよね。そういう映像をよく探して観ています。

――曲を作る上で“マスターしたい”機材や技術はありますか?

ASAHI:技術はもちろん、ベース、ギター、ピアノも全部マスターしたいです(笑)。実は機材は少し減らしたい気持ちもあります。機材がなくても曲を作れる人になりたくて、今持っているものを最大限活用しようとしています。欲しい機材があっても今は我慢しています。もともと僕の性格なんだと思います。ファッションアイテムでも機材でも、「これ本当に必要かな? なくても大丈夫じゃない?」と(欲を)抑えるところがあるんです。

――「ORANGE」「病」「THANK YOU」「YELLOW」など、ASAHIさんの曲は温かさがあって、サビがメロディアスなのが特徴ですよね。ASAHIさんならではの技術やノウハウは?

ASAHI:「自分の曲だとわかってほしい」と思って作っているわけではありません。でも作り手がよく使うコード進行や音色があるので、聴く方が「これASAHIっぽくない?」と思ってくれたらうれしいですね。以前は「このコード、ちょっと使いすぎてるかも」と思うと避けていたんですが、最近はそのまま受け入れるようになりました。まずは何でも作ってみること、やってみることのほうが大事だと思うので。続けていけば、それが自分の色になるかもしれないし、違うと思ったらそのときに変えればいいので。

――「とりあえず作ってみる」という姿勢、とてもいいですね(笑)。いちばん思い入れのある曲は?

ASAHI:全曲思い入れがあります。でもやっぱりデビューして初めて自作曲として発表した「ORANGE」には特別な気持ちがあります。「自分の曲が世に出たんだ」と実感させてくれた曲なので。曲そのものもすごく気に入っています。

――制作がいつも順調なわけではないですよね。さっき話したように、寝る間も惜しんで時間をかけなければならない時もあると思います。それでもまたこの作業室の椅子に座る理由は?

ASAHI:楽しいからですね。作ること自体に楽しさを感じます。もちろんしんどい時も、うまくいかない時もありますが、それが解消された瞬間の幸福感があるんです。そして曲を聴かせたときの反応が、自分の原動力にもなります。実は曲作りっていいことしかない気がします。自分が好きで、楽しくて始めたことなのに、周りの人まで喜んでくれるので(笑)。

――歌詞にもASAHIさんならではの比喩や色が感じられます。日本ミニアルバムに「病」として先に収録され、その後、韓国語版「病」として公開された〈公園が静かで広く感じる日〉という表現は、日常的なのにとても詩的ですよね。作詞はどんなふうに進めていますか?

ASAHI:まずテーマを決めます。そのあと、少しずつ“骨と肉”を付けていくように作っていく感じです。今は言葉や思考が自然に韓国語で出てくることもあるので、すべての曲を日本語から書き始めるわけではないんですが、「病」の歌詞は確かに日本語で書いたと思います。僕自身もとても気に入っている歌詞です。特に最後の〈何してもたくさん笑っても もう治ることない病だ〉という部分は、メロディーやコードと重なって感情が一気に込み上げてくるところですね。

――TREASUREの中でもCHOI HYUN SUK、JUNKYU、YOSHI、HARUTOなど、曲作りをするメンバーがいますよね。最近はK-POPアイドルの中でも多くのメンバーが制作に参加しています。プレイヤー自身がプロデュースまで行うことに、どんな利点があると思いますか?

ASAHI:他の方が作ってくださる曲ももちろん本当に素晴らしいんですが、メンバー自身が作った曲だというだけで、ファンの方が音楽により親しみを感じてくれるのは確かな強みだと思います。曲作業をするメンバーがグループ内にいるだけで、メンバーの気持ちの持ちようや、目に見えない部分に与えるシナジーもある気がします。もちろん、それは僕だけが感じている空気かもしれませんが(笑)。

――チームの音楽的方向性について、悩み、創作するメンバーがいることは、確かにグループに影響を与えますよね。ところで、この作業室で一番よく食べたメニューは何ですか? やっぱりプデチゲですか(笑)?

ASAHI:そうです。プデチゲ、キムチチゲはよく食べました! 事務所ビルのコンビニにラーメン調理機があって、そこで作って持ってくるラーメンもよく食べますし、コーヒーも欠かせませんね。

――曲作りだけでなく、ボーカルにもとても真剣ですよね。PARK JEONG WOO、YOSHIなど、ほかのメンバーと一緒にライブコンテンツにも出演していました。プロデューサーとして、自分の声やボーカルをどう捉えていますか?

ASAHI:実は最初は自分の声があまり好きではなかったんです。でも「とにかく続けてみよう。できるところまでやってみよう」という気持ちでやってきました。今は自分の声に“慣れた”と言うほうが正しい気がします。デビューして6年目に入り、自分の声をどう活かすか、どう聴かせるといいのか、自分なりの方法が少しずつ見えてきて、今も勉強しながら研究しているところです。

――今、ASAHIさんが考える“いい音楽”とは?

ASAHI:“いい音楽”に正解はないと思います。聴いた人が「もう一回聴きたい」と思える音楽──それがその人にとってのいい音楽なんじゃないでしょうか。本当に当たり前のことなんですが、結局そこがいちばん大事だと思います。これだけ多くの曲がものすごいスピードで出てくる時代に、もう一度聴きたいと思ってもらえるだけで十分だと思うんです。

――プロデューサーとしてのASAHIの次の活躍を期待している人たちへ、約束したいことがあるとしたら?

ASAHI:ひとつ確かなのは、僕はこれからもずっと音楽を作り続けるということ。そして、次に僕の音楽が出たときに「いい曲だな」と感じて聴いてもらえたらうれしいですし、一緒に歌ってくれたらもっとうれしいですね。

――この空間はASAHIさんにとってどんな意味を持っていますか?

ASAHI:“自分だけのアトリエ”。ちょっとカッコつけた表現かもしれませんが、自分だけのアトリエを持つことは本当に夢だったので、そう呼んでみたいです(笑)。

Text by billboard Korea
Photos by KIM MIN SEOK


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