故オジー・オズボーン、亡くなるまでの6年間を記録したドキュメンタリーの予告編が公開

2025年9月18日 / 14:00

 故オジー・オズボーンのドキュメンタリー『Ozzy Osbourne: No Escape From Now』(原題)は、彼の生涯を振り返る作品として企画されたものではない。だが今や、このヘヴィメタルのアイコンの最後の6年間を決定的に記録した本作は、友人や家族へのインタビューを通じ、故郷である英バーミンガムで開催されオジーにとって最後の公演となった2025年7月5日のオールスター・イベント【バック・トゥ・ザ・ビギニング】に向けた準備を含め、困難な時期の物語を伝えることになった。

 【BAFTA映画賞】受賞者であるタニア・アレクサンダーが監督を務めた本作は、現地時間10月7日にParamount+で米国をはじめ、日本を除く世界各国で配信される。このプロジェクトはオズボーン家と共同で制作され、オジーと妻でマネージャーのシャロン、そして子どもたちのエイミー、ジャック、ケリーが、2019年2月にオジーが深夜に転倒し、2年半にわたって開催予定だったフェアウェル・ツアーをキャンセルすることになった経緯について率直に語っている。

 新たに公開された2分間の予告編でオジーは、「年を取るってことはね……昔は楽しむために薬を飲んでいた。今は生き延びるためだけに飲んでる」と述べている。これまで家族のテレビや映画事業での露出や参加を避けてきた、夫妻の長女エイミー(42歳)は、この転落事故が父親にとって壊滅的だったと映画の中で語っている。

 「(父は)数週間入院しました。あんなにひどい転倒をして、かつてのようにすぐに回復できず、ツアーを中止せざるを得なかったこと……それが彼にとって最大の悲しみでした」と彼女は語る。この映画では、事故後にオジーが受けた一連の矯正手術、パーキンソン病と診断された後に襲った健康問題の連鎖、そして慢性的な痛みがその後の音楽制作に与えた精神的・肉体的影響が詳細に描かれている。

 予告編では、ツアー生活が常だったオジーの最大の後悔は、一連の健康問題の後に“ファンに本当に別れを告げられなかったこと”だったとシャロンが語る場面から始まる。ケリーは、オジーが首(“ヒズ・ファッキン・ネック”)を骨折した転倒について語り、ジャックは父親が手術から“はるかに悪い状態”で出てきたと付け加える。その後、2019年と2023年に予定されていた【ノー・モア・ツアーズ II】フェアウェル・ツアーの中止は、「彼にとって最大の悲しみでした」とエイミーは語る。

 オジーは2020年の『オーディナリー・マン』と2022年の『ペイシェント・ナンバー9』という最後の2枚のソロ・アルバムとなる作品に取り組んでいたが、ケリーは、父を毎日スタジオに連れて行き、そこで“魔法が始まっていた”と表現している。赤い玉座に座ってボーカルを録音するオジー、スタジオでレッド・ホット・チリ・ペッパーズのドラマーであるチャド・スミスやプロデューサーのアンドリュー・ワットと談笑するオジー、そしてワットがオジーに、「どうやってそんなに簡単に“サイコパス、精神異常者”の感情を引き出せるのか」と尋ねる様子を見ることができる。

 「たくさん練習したからね」とオジーは大喜びする二人に語り、再び音楽を作ることについて、「今までで最高の薬だ。病気になるのは苦手なんだ。俺はあそこ(ステージ)に立つべき人間だからな」と表現した。ある時、シャロンに“大規模な引退公演をどう思う?”と聞かれた彼は、「もしステージに立つなら、昔のオジーのままでいたい」と答えている。

 映画ではオジーが、ケリーとワットの働きかけで実現したポスト・マローンとの楽曲「Take What You Want」でのコラボレーションが、自身の音楽人生における最後の熱狂的な章の幕開けとなったことを明かしている。「あの曲は俺を憂鬱から救い出してくれた。助けになったんだ。あの時点では最高の特効薬だった」とオジーは、ポスティが手掛けたアルバム『ハリウッズ・ブリーディング』収録曲のレコーディングについて映画で語っている。

 オズボーン家に加え、本作ではオジーのブラック・サバスおよびソロ・バンドのメンバーであるギタリストのトニー・アイオミとザック・ワイルド、さらにレッチリのスミス、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロ、 スマッシング・パンプキンズのリーダー、ビリー・コーガン、メタリカのボーカル/ギタリスト、ジェイムズ・ヘットフィールドとベーシストのロバート・トゥルヒーヨ、ビリー・アイドル、ガンズ・アンド・ローゼズのダフ・マッケイガン、トゥールのメイナード・ジェームズ・キーナンなど、多数のアーティストが登場する。

 予告編の最後にオジーは、「もし俺の人生が終わろうとしているなら、文句は言えないな。素晴らしい人生だった」と述べている。


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