<ライブレポート>Ovall、ダンサーTHE D SoraKi登場&アンプラグド・コーナーありの特別演出で魅せた【“Silent Storm” Billboard Live Tour】

2025年9月11日 / 19:00

 今年6月に4曲入りの新作EP『Silent Storm』をリリースしたOvallが、それを引っ提げたライブツアー【Ovall “Silent Storm” Billboard Live Tour Powered by JBL】を、ビルボードライブ東京とビルボードライブ大阪の2か所で開催した。彼らがビルボードライブにて単独公演を行うのは、実に16年ぶり。東京会場でのワンマンに至ってはこれが初となる。筆者が観たのは東京公演の1stステージ。「メンバー全員、普段からよく足を運んでいるだけに、自分たちがそのステージに立つことに対して自然と気合いが入ります」と、先日のインタビューで関口シンゴ(Gt.)が語ってくれたように、新作『Silent Storm』からの楽曲を中心に、様々な趣向を凝らした充実のパフォーマンスを繰り広げた。
 
 定刻になり、暗転したステージにメンバーが登場すると客席からは温かい拍手と声援が湧き上がる。メンバーの関口、Shingo Suzuki(Ba.)、mabanua(Dr.)関口シンゴ (Gt.)に、ナッツこと村岡夏彦(Key.)、別所和洋(Key.)を加えた5人編成。別所はステージ左端に設置されたグランドピアノの前に座り、関口シンゴ、Shingo Suzuki、村岡夏彦を挟んでステージ右端のドラムセットに座るmabanuaと向き合うフォーメーションだ。
 
 まずは、『Silent Storm』からShingo Suzukiの手がけた「Velvet Dusk」を披露。ミュートを効かせたタイトかつファットなmabanuaのドラムと、地を這うようにうねるShingo Suzukiのベースがレイドバックしたグルーヴを放ち、その上で関口シンゴのギターがセクションごとに音色やフレーズを切り替えながら、オーディエンスの脳内に浮かぶ景色を次々と塗り替えていく。
 
 間髪入れず、mabanuaのカウントで「99」へ。別所和洋が繰り出すドリーミーなエレピ、その隙間を縫っていく村岡夏彦のモーグシンセが心地よい。時おり関口シンゴがユニゾンで加わり、息の合ったプレイでフロアの空気を少しずつ温めていく。やがて別所和洋がグランドピアノで、どこか「侘び寂び」を感じさせるピアノソロを繰り出し、それに応えるかのようにmabanuaがドラムのアクセントを微妙にずらしていく。その抑制の効いた駆け引きは、バーストしそうでしない“焦らしプレイ”のようだ。そして、堰を切ったように関口のギターが咆哮を上げ、オーディエンスのボルテージも一気に跳ね上がった。
 
 続く「影」は、シンガー・ソングライターのさらさをフィーチャーした曲。この日はmabanuaがリードボーカルを担当し、甘くスモーキーな歌声をアンサンブルの中に溶け込ませていく。アンニュイな曲調は、エンディングに向けてギターとドラムが荒れ狂い、そのカオティックなサウンドスケープの中でキープし続けるShingo Suzukiのベースラインがまるでマントラのように響きわたった。
 
 「ここでスペシャルゲストを紹介します!」
 
 リーダーのShingo Suzukiがそう叫び、登場したのはダンサーのTHE D SoraKi。「Come Together」のミュージックビデオに出演したこともある彼が、セクシーなファンキーチューン「Stargazer」の演奏に合わせて踊り出す。ベースラインやギターリフ、細かなハットの刻みなどに反応し、Ovallの「音楽」を目の前にありありと「可視化」させていく身体表現にただただ圧巻。続く「Brainstorm」ではフロアに降り立ったTHE D SoraKiが、テンポの速い四つ打ちのリズムに合わせて通路や階段を縦横無尽に動き回る。気づけばあちこちからハンドクラップが鳴り響き、ビルボードライブはダンスフロアに様変わり。ステージと客席の垣根を軽やかに取り払って行く、そんなTHE D SoraKiのパフォーマンスに割れんばかりの拍手と歓声が贈られた。
 
 ここからはアンプラグドのコーナー。ステージ中央に設置されたハイチェアにmabanuaが座り、ホロウボディのギターを抱えた関口と、5弦ベースを「親指弾き」するShingo Suzuki、そしてエレピでバッキングする村岡の4人で「Bloom」を披露。音源ではタイで注目のバンド・KIKIをフィーチャーしたオーセンティックなソウルナンバーをmabanuaが歌う。中盤、別所がピアニカを取り出し歌心たっぷりのソロを奏でると、会場は暖かな拍手に包まれた。
 
 さらに、mabanuaと村岡夏彦によるフィンガースナップでリズムを取りながら「Come Together」を披露。mabanuaの透き通るようなウィスパーボイスと別所和洋のクリスタルなピアノソロが会場を包み込み、気温が5度くらい下がったような錯覚を覚えた。
 
 ライブ後半は再びバンド編成に戻り、ラテンフレイバーも入った「Supalover」。途中のコーラスを全員でシンガロングし一体感を高めていく。
 
 「ビルボードライブ東京でやるのは久しぶりです。前回はコロナ禍で無観客の配信ライブだったから、モニター越しにお客さんを想像しながら演奏したんですけど、こうやって晴れてみなさんの前で演奏ができて本当に嬉しい!」とShingo Suzukiが泣き真似で叫び、フロアは笑いと歓声に包まれる。そして、音源ではSIRUPをフィーチャーしたヘヴィなファンクチューン「It’s All About You」を経て、「Cubism」のソウルフルなスキャットを再び全員でシンガロング。幸福な一体感に包まれたまま本編を終了した。
 
 鳴り止まぬアンコールに応え、「Feel the light in your eyes」を演奏し始めると、ステージ後方のカーテンが開いて東京の夜景が目の前に広がっていく。そして、曲のエンディングでは関口がステージ中央に迫り出し長いギターソロを披露。この日のライブに幕を下ろした。
 
 馴染みのサポートメンバーを迎えたバンドアンサンブルを主軸としながら、ゲストダンサーTHE D SoraKiのパフォーマンスや、アンプラグドのコーナーなど普段のライブハウスとは一味違う演出で、その世界観を多角的に魅せたOvall。1時間半弱がまるで一瞬に感じられるような、心地良くも濃密な一夜だった。
 
Text:黒田隆憲
Photo:堀内彩香
 
◎セットリスト
【Ovall “Silent Storm” Billboard Live Tour Powered by JBL】
2025年9月2日(火)東京・ビルボードライブ東京
1. Velvet Dusk
2. 99
3. 影
4. Stargazer
5. Brainstorm
6. Bloom
7. Come Together
8. Supalover
9. It’s All About You
10. Cubism
En. Feel the light in your eyes


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