エンターテインメント・ウェブマガジン
もしK-POP界の「アベンジャーズ」がひとつのチームとして集結したら、どのような姿になるだろうか? しかもそのチームがソウルではなく、米国発のK-POPレーベルからデビューしたとしたら? その答えが今年8月に華々しくデビューしたAtHeart(エトハート)だ。
グループの所属レーベルである〈Titan Content〉は、SMエンタテインメント元CEOのハン・セミン、SMキャスティングディレクター出身のカン・ジョンア、世界的に有名な振付師リア・キム、そして『Dazed Korea』の創刊者で現編集長のイ・ギョムという、各分野のトップが集結して設立された。K-POP初のアメリカ発レーベルとして、その誕生はAtHeartのデビュー前からすでに世界的な話題となり、『Variety』や『Teen Vogue』がいち早く注目、BillboardはAtHeartを「次世代K-POPグループ」として紹介し、ファンや業界関係者の期待を一層高めた。
「Heart」と「At」を組み合わせたグループ名には、“世界中のファンとつながり、真心をもって共に成長していく”という意味が込められている。メンバーは全員2007年から2009年生まれの10代で構成。韓国出身のソヒョン、アリン、ボム、ナヒョンは、学校のステージ発表行事や音楽番組など、日常にK-POPが根付いた環境の中で自然とアイドルの夢を育んだ。一方、フィリピン出身のケイトリン、そしてアメリカと日本の二重国籍を持つミチは、BTSやBLACKPINKのパフォーマンスに魅了され、アイドルを志すようになった“グローバルK-POPキッズ”の新世代を代表している。
異なる場所から歩み始めた彼女たちだが、今はAtHeartというひとつの名の下に集い、チームとして立っている。その多国籍な編成はAtHeartの大きな強みだ。「お互いの文化を学び、尊重し合うのは楽しい」とケイトリンが語り、ボムは「文化や言語が違うからこそ、チームワークがより強くなる」と加える。彼女はまた、ミチとケイトリンが韓国で初めて雪を見て子どものようにはしゃいでいた日のことを思い出し、「ああいう小さな瞬間が、私たちの絆を深めてくれた」と微笑む。
AtHeartは、5月29日にプレデビュー曲「Good Girl (AtHeart)」を発表し、8月13日にはデビューEP『Plot Twist』をリリースした。タイトル曲の制作には、カミラ・カベロやショーン・メンデスで知られるジョナ・シャイが参加し、ビリー・アイリッシュのミックスを手掛けるロブ・キネルスキーがサウンド面に深みを与えた。ドリーミーなEDMサウンドは多層的な展開が特徴で、〈Titan Content〉のCPOでもある1MILLIONのリア・キムによる力強い振付がさらに楽曲を引き立てる。パフォーマンス力と音楽の完成度というK-POPファンが求める要素を、AtHeartはデビュー当初から完璧に体現してみせた。
デビュー直後から彼女たちの特別な歩みは世界の注目を集めてきたが、物語はまだ始まったばかりだ。「いつかコーチェラやSoFiスタジアムのようなステージでパフォーマンスしたい」とケイトリンは夢を語り、ボムは練習生時代に仲間と一緒に初雪を見た思い出を懐かしむ。その“若々しい素直さ”と“世界規模の野心”の融合こそが、AtHeartをK-POPシーンで最も注目すべき新星のひとつに押し上げている。Billboardは、これからの彼女たちの飛躍を見届け続けるだろう。
――皆さんがK-POPアイドルを目指すきっかけとなったものは何ですか?
アリン:ずっとダンスが好きで、最初はダンサーになるのが夢でした。コミュニティセンターでベリーダンスを習い、その後バレエ、ブロードキャストダンス(放送に特化したパフォーマンス)、ストリートダンスを学びました。やがて「自分の好きなダンスをもっと多くの人に届けたいなら、歌手になったほうがいいのでは?」と思うようになり、自然と道が変わっていきました。
ボム:バンド部に所属していて、よく人前で演奏する機会がありました。そのたびに、自分が与える以上のエネルギーを観客からもらっていると感じて、「これは私にとって本当に意味のあることだ」と思ったんです。そのとき、歌手になろうと決心しました。
ソヒョン:子どもの頃から歌やダンスが生活の一部でした。音楽番組で輝くアイドルたちを見て、「いつか自分もあんなふうになりたい」と思うようになり、その夢はどんどん大きくなっていきました。
ナヒョン:両親が音楽好きで、自然と私も音楽を好きになりました。小学生のとき、友達と一緒に小さなアイドルグループを作って練習していて、その頃から夢がはっきりしてきました。
ミチ:3歳からバレエ、タップダンス、フラダンス、ヒップホップ、ジャズ、コンテンポラリーなどのダンスを習い、幅広い音楽に自然と触れてきました。中学生のときにミュージカルを通じて歌うことの楽しさを知り、その後K-POPに出会い、ミュージック・ビデオのクリエイティブな世界観に魅了されました。BLACKPINKのコンサートを観たことが私の人生の転機になりました。あのときの圧倒的なエネルギーが、今の私を形作っていると思います。
ケイトリン:ステージに立つのはずっと夢でしたが、アカデミーや本格的なレッスンを受ける機会はありませんでした。パンデミックのとき、初めてBTSのコンサートを観て、「本当に歌手になりたいから応援してほしい」と母に打ち明けました。その瞬間から、本格的にアイドルを目指す準備を始めました。
――Billboardは、正式デビュー前からAtHeartを「2025年注目のK-POPガールズグループ」に選びました。この評価をどう受け止めましたか?
ボム:デビュー準備の最中にその知らせを聞いて、とても力になりました。「私たちは正しい道を進んでいる、ちゃんと見てくれている人がいる」と確認できた瞬間でした。今年はその期待に応えられるように、着実に成長を続けて、さらに良い姿をお見せしたいです。
――デビューショーケースで「“注目のグループ”から“偉大なアーティスト”へ成長したい」と話していましたが、AtHeartにとって“偉大なアーティスト”とは?
ミチ:私たちにとって“偉大なアーティスト”は、チームワークから始まります。お互いの個性を尊重しつつ、同じ夢を見つめることでシナジーが生まれます。私たちはまだ学んでいる途中で、道のりも長いですが、心を込めて歌い踊り、ファンに力を与えられるなら、それ自体が“偉大”と呼べるのかもしれません。そんなチームになりたいと思っています。
――正式デビュー後、最も印象に残っている瞬間は?
ナヒョン:初めての音楽番組で自分たちの名前が観客から呼ばれたときのことです。ペンライトが揺れるのを見て、「本当に私、アイドルなんだ」と実感しましたし、いつか自分たちのコンサートでファンに会うという新しい夢もできました。
ミチ:ショーケースや初めての音楽番組の出演は忘れられません。初めてファンの歓声を聞いたとき、世界が変わったように感じました。「Plot Twist」を披露したときは、楽曲のドリーミーでエモーショナルな雰囲気を表現しようとしていたのですが、近くで応援してくれるファンを見て、笑顔を隠せませんでした。パフォーマンスが終わったあとも、その興奮がずっと残っていました。
――アメリカ発のK-POP事務所から生まれた多国籍グループであることは、音楽やパフォーマンス、ファンとのつながりにどのような影響を与えていますか?
アリン:アメリカを拠点とする会社に所属していることで、音楽やパフォーマンスを準備するときによりグローバルな視点を持てるようになりました。その努力はデビューEP『Plot Twist』にも反映されているので、ぜひ聴いてみてください! また、多国籍であることで世界中のファンとつながりやすいと思います。
ケイトリン:日常の中でお互いの文化を学び、尊重できるのは大きな強みです。フィリピンで育った私は、多様な文化に囲まれていたので、アイドルを目指して練習する中で韓国の言語や文化を学ぶことも自然で、とてもワクワクしました。
ボム:異なる背景を持っているからこそ、チームワークが強くなるんです。ミチとケイトリンが韓国で初めて雪を見て、子どものように喜んでいた光景はいまでも覚えています。彼女たちは四季がない国で育ったので、特別な瞬間でした。そういう出来事が私たちの絆を深めたと思いますし、それぞれの感性やスタイルの違いがステージ上の表現をさらに豊かにするとも思います。
――ロールモデルとして少女時代を挙げられ、スヨンさんがMVに出演しましたね。その経験で一番印象に残っていることは?
ナヒョン:直接お会いしたときは夢のようで、本当に現実なのかわからなくて泣きそうになりました。私たちはすごく緊張していたのですが、スヨンさんが優しく「大丈夫、きっと上手くいくよ。やりたいことに一生懸命取り組んでね」と声をかけてくださったんです。その一言がとても力になり、撮影がずっとリラックスした雰囲気になりました。
――デビューアルバムのタイトル曲の振付は、〈Titan Content〉のCPOでもある1MILLIONのリア・キムさんが手がけました。準備の過程で多くのアドバイスをもらったと聞きましたが、特に心に残っている言葉はありますか?
アリン:「閉じ込められたように踊るのではなく、自分を表現して楽しんで」と言われました。その言葉がとても励みになり、練習やパフォーマンスの間もずっと、それを意識していました。
――AtHeartとして、今年達成したい“最初のマイルストーン”は?
ソヒョン:音楽番組で1位を獲ることです。これまで流した汗と努力が結果として認められるという意味で、とても大きな価値があると思います。
ミチ:ワールドツアーをして、ファンの皆さんに直接会うのが夢です。そして新人グループとして「新人賞」をいただけたら本当に光栄です。そのためにはたくさん努力が必要ですが、AtHeartはこれからも成長し続け、最高の姿をお見せするので、ぜひ応援してください!
――これからみんなでどんな思い出を作りたいですか?
ミチ:私たちはみんな出身国が違うので、いつかお互いの故郷――アメリカ、日本、フィリピン――をツアーで回ろうとよく話しています。想像するだけでワクワクしますね! 自分たちのルーツに戻り、地元のファンの皆さんに会えることは、とても意味のある瞬間になると思います。
――これまでリリースした楽曲の中で、一番のお気に入りは?
ナヒョン:「Push Back」です。練習に一番時間を費やした曲なので、完成版を聴いたときの感動もひとしおでした。私たちの声のハーモニーがとてもきれいで、アフロピアノのグルーヴが夏にぴったりな曲です。
アリン:デビュータイトル曲の「Plot Twist」が大好きです。冒頭とラストのアカペラが印象的で、歌詞のメッセージも共感できるものなので、より特別に感じます。
ミチ:5月に発表されたプレデビュー曲の「Good Girl (AtHeart)」です。エネルギッシュなリズムが何度聴いてもワクワクします。私たちのパフォーマンスの強みをしっかり見せられる曲でもあります。
ソヒョン:「Knew Me」です。洗練されたメロディーラインが私の好みにぴったりで、デモを聴いたときから大好きでした。メンバー全員の声が重なった完成版を聴いたときは、本当に胸が熱くなりました。
ケイトリン:私も「Push Back」を選びます。アフロダンスが大好きなので、この曲を聴いた瞬間から踊りたくなりました。リズミカルなサウンドが私の好みにぴったりです。
ボム:「Dot Dot Dot…」です。イントロからの力強さに一気に惹かれましたし、R&Bとして自分らしい歌声をしっかり表現できたと思います。
――憧れのステージやフェスを挙げるとしたら?
ケイトリン:まずは自分の故郷であるフィリピンでパフォーマンスをして、家族やファンに私の努力を見せたいです。そしていつか【コーチェラ】やSoFiスタジアムのようなステージに立って、世界中のファンとその瞬間を分かち合いたいです。
(C) Titan Content
J-POP2025年9月3日
NYブルックリンを拠点に活動するハウスデュオ musclecars(マッスルカーズ)が、東京・大阪・名古屋にてジャパンツアー【musclecars Japan Tour 2025】を開催する。 9月5日開催の東京・代官山蔦屋書店 Anj … 続きを読む
J-POP2025年9月3日
「あなたが今日も強く可愛く生きるための心のおまもりになる」をコンセプトに、多種多様の“可愛い”と熱い想いを爆発させながら活動しているアイドルグループ・可愛いって言わないと呪う!(通称:かわのろ)。9月1日(月)渋谷ストリームホールにて2n … 続きを読む
J-POP2025年9月3日
Nolzy が、新曲「オケオーール!」を、本日9月3日にデジタルリリース。あわせて本人がディレクションを務めたオフィシャルビジュアライザーもYouTubeにて公開された。 今作は、「クソどうでもいいことばっか」というフレーズを中心に、現 … 続きを読む
J-POP2025年9月3日
結成15周年を迎えるキュウソネコカミが、新曲「変な踊り」を本日3日にリリースし、同曲のリリックビデオも公開された。 バンド結成15周年一発目となる新曲「変な踊り」は“個人それぞれの自由な動き”をテーマにした楽曲となっており、決められた動 … 続きを読む
J-POP2025年9月3日
藤井 風が、2025年9月5日に新曲「Prema」のミュージックビデオをYouTubeプレミア公開する。 新曲「Prema」は、同日リリースとなる全曲英語詞によるニューアルバム『Prema』のタイトル曲。MVの公開及びアルバム楽曲の配信 … 続きを読む