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今週(2025年9月6日付)の米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”は、Stray Kidsが最新作『KARMA』で通算7作目の首位を獲得。2025年のチャートでは3番目に高い週間ユニット、2番目の週間セールスを記録して、どちらも自己最高値を更新した。TOP10には、4位にレイヴェイの『ア・マター・オブ・タイム』、5位にデフトーンズの『private music』、7位にビッグXザプラグの『アイ・ホープ・ユーアー・ハッピー』が初登場。6位には、タイラー・ザ・クリエイターの過去作『チェリー・ボム』(2015年)が10周年記念盤のリリース効果で再ランクインした。
堂々のNo.1デビューを飾ったStray Kidsの『KARMA』は、2024年12月28日付のチャートで1位に初登場した『HOP』に続く通算7作目の首位獲得アルバムで、初週のユニット数は自身にとって過去最高値の313,000を記録した。
・『★★★★★ (5-STAR)』(2023年6月17日付)
・『Oddinary』(2022年4月2日付)
・『MAXIDENT』(2022年10月22日付)
・『樂-STAR (ROCK-STAR)』(2023年11月25日付)
・『ATE』(2024年8月3日付)
・『HOP』(2024年12月28日付)
・『KARMA』(2025年9月6日付)
上記のアルバムはいずれも1位に初登場していて、2024年12月28日付のチャートでは『★★★★★』から『HOP』まで最初の6作すべてを初登場1位に送り込んだ初のアーティストとなった。今作『KARMA』でその記録を史上最多の7作目に更新したことになる(米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”は1956年3月から集計が始まった)。
Stray Kidsは、今週『KARMA』が7作目の1位を獲得したことで、2000年以降ではBTS、リンキン・パーク、デイヴ・マシューズ・バンドを上回り、グループとしての首位獲得最多記録も更新している。
『KARMA』が今週の集計期間(2025年8月22日~8月28日)で記録した313,000ユニットの内訳は、アルバム・セールスが296,000、ストリーミングによるアルバム換算ユニット(SEA)が16,000(公式オンデマンド再生数は2,312万回)、トラックによる換算ユニット(TEA)は1,000で、ストリーミング・アルバム・チャートで34位、アルバム・セールス・チャートでは1位に初登場した。
2025年のチャートにおける週間ユニットとしては、モーガン・ウォーレンの『アイム・ザ・プロブレム』(5月31日付/493,000)、ザ・ウィークエンドの『ハリー・アップ・トゥモロウ』(2月15日付/490,500)に続く3番目、週間セールスでは、ザ・ウィークエンドの『ハリー・アップ・トゥモロウ』(2月15日付/359,000)に次ぐ2番目に高い記録を打ち出した。グループの記録としては、どちらも過去最高値を更新している。
初週高セールスを記録した『KARMA』は、CDが11種類、アナログ盤が3種類リリースされていて、どちらもフォトカードなどの特典(一部ランダム仕様)とサイン入りエディションも含まれている。
『KARMA』は、一部英詞を含む韓国語をメインとしたアルバムで、英語以外の言語で首位を獲得した作品としては史上29作目のタイトルとなる。なお、今年はその他にバッド・バニーの『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』(スペイン語)が5月17日付のチャートで首位を獲得している。
2024年のチャートで英語以外の言語による首位を獲得したアルバムは、TWICEの『With YOU-th』、ATEEZの『GOLDEN HOUR : Part.2』、そしてStray Kidsの『ATE』と『HOP』の4作で、いずれも韓国語をメインとしたアルバムだった。
英語以外の言語で首位を獲得した全29作のうち、19作が韓国語をメインとしたアルバムで、その他はスペイン語をメインとしたアルバムが6作、イタリア語をメインとしたアルバムが1作、フランス語によるアルバムが1作、2作がスペイン語、イタリア語、フランス語が混合されたアルバムとなっている。
Stray Kidsに続き、今週2位にはNetflixのアニメーション映画『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』のサウンドトラックがランクインして、上位2作をK-POP関連の作品が占めた。週間ユニットは、前週から16%増加の125,000に記録を伸ばしている。
今週ポイントの上昇率が高くなった理由としては、8月23日と24日に特別上映イベントが開催されたこと、それからデジタル・ダウンロードでのみ販売されていたアルバムが、CDとしてオンラインストアを中心に流通したことが挙げられる。CDがオンラインストアでリリースされたことにより、週間セールスは前週から236%増加の18,000に急増した。なお、CDの一般発売は9月5日に予定されている。
『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』は、7月5日付のチャートで8位に初登場してから今週(9月6日付)まで通算6週間(非連続)2位にランクインしている。
・7月5日:31,000(8位)
・7月12日:62,000(3位)
・7月19日:75,000(2位)
・7月26日:85,000(5位)
・8月2日:89,000(3位)
・8月9日:93,000(2位)
・8月16日:100,000(2位)
・8月23日:104,000(2位)
・8月30日:108,000(2位)
・9月6日:125,000(2位)
ルミネイトによる集計が始まった1991年5月以降、首位を獲得していない時点で6週間2位にランクインしたサウンドトラックは『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』が初のタイトル(最長記録)となる。
先週のチャートで12週目の首位を獲得したモーガン・ウォーレンの『アイム・ザ・プロブレム』は今週3位にランクダウンしたが、週間ユニットは116,000(前週比4%減少)で安定している。
続いて今週4位には、中国系アイスランド人のシンガー・ソングライター=レイヴェイの3作目のスタジオ・アルバム『ア・マター・オブ・タイム』がデビューして、自身初のTOP10入りを果たした。初動ユニットは99,000を記録して、アルバム・ユニット数としても自己最高値を更新している。
99,000ユニットの内訳は、アルバム・セールスが77,000(自己最高記録)、ストリーミングによるアルバム換算ユニットは28,000(公式オンデマンド再生数は3,857万回)で、アルバム・セールス・チャートで2位、ストリーミング・アルバム・チャートでは11位にそれぞれデビューした。本作のフィジカルは、8種類のアナログ盤、3種類のCD(いずれもサイン入りあり)、カセットテープがリリースされている。
前作『ビーウィッチド』(2023年)は、翌2024年に最高18位を記録して、アメリカでの累計売上枚数は95万ユニットを記録。同年に開催された【第66回グラミー賞】では<最優秀トラディショナル・ポップ・ヴォーカル・アルバム>を受賞した。
それに続く今作『ア・マター・オブ・タイム』はジャズ・アルバムにカテゴライズされていて、ジャズ・アルバムとしては、2018年12月1日付のチャートでマイケル・ブーブレの『ラヴ』が2位を記録して以来の最高位を更新した(ジャズ・アルバムの定義は、ジャズ・アルバム・チャートにランクイン、またはランクインする対象の作品としている)。
今週5位には、米カリフォルニア州サクラメント出身のヘヴィ・ロック・バンド=デフトーンズの10thアルバム『private music』が初登場。グループとしての最高記録87,000ユニットを獲得して、通算7作目のTOP10入りを果たした。
87,000ユニットの内訳は、アルバム・セールスが66,000、ストリーミングによるアルバム換算ユニットは20,500(公式オンデマンド再生数は2,672万回)で、アルバム・セールス・チャートでは3位にデビュー。2016年の『ゴア』が初週で記録した69,000枚以来の週間セールスを更新した。ストリーミング・アルバム・チャートでは20位に初登場している。
『private music』のフィジカルは、7種類のアナログ盤、3種類のCD、カセットテープ、ブランドグッズとアナログ盤がセットになったデラックス・ボックス・セットがリリースされていて、リード・シングルの「My Mind Is a Mountain」は、今週のメインストリーム・ロック・エアプレイ・チャートでグループ初の首位を獲得した曲となった。
続いて6位には、2015年にリリースされたタイラー・ザ・クリエイターの『チェリー・ボム』が、10周年記念盤のリリース効果で再ランクインを果たしている。10周年記念盤は、3種類のアナログ盤、CD、ブランドグッズとCDがセットになった3種類のデラックス・ボックスセットとして再発売されていて、今週獲得した週間ユニット52,000のうち、51,000をその記念盤の売上枚数が占めている。本作は、2015年5月2日付のチャートで4位に初登場していた。
今週7位にデビューしたのは、米テキサス州ダラス出身のラッパー=ビッグXザプラグのニュー・アルバム『アイ・ホープ・ユーアー・ハッピー』で、初週47,000ユニットを記録して自身2作目のTOP10入りを果たしている。47,000ユニットの内訳は、アルバム・セールスが5,000、ストリーミングによるアルバム換算ユニットが41,000(公式オンデマンド再生数は5,459万回)、トラックによる換算ユニットは1,000で、ストリーミング・アルバム・チャートで3位、アルバム・セールス・チャートでは22位にデビューした。
本作からは、以下の3曲がソング・チャート“Hot 100”にランクインして、アルバムのヒットに繋げている。
・「オール・ザ・ウェイ feat. ベイリー・ジマーマン」(最高4位/4月)
・「ホーム feat. シャブージー」(最高77位/7月)
・「ヘル・アット・ナイト with エラ・ラングレー」(最高49位/8月)
先週5位にランクインしていたアレックス・ウォーレンの『ユール・ビー・オールライト、キッド』(38,000ユニット/前週比4%減少)は今週8位にランクダウン。ガンナの『The Last Wun』(38,000ユニット/前週比20%減少)は4位から9位、モーガン・ウォーレンの前作『ワン・シング・アット・ア・タイム』(38,000ユニット/前週比1%増加)も7位から10位に順位を下げた。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは9月4日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『KARMA』Stray Kids
2位『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』サウンドトラック
3位『アイム・ザ・プロブレム』モーガン・ウォーレン
4位『ア・マター・オブ・タイム』レイヴェイ
5位『private music』デフトーンズ
6位『チェリー・ボム』タイラー・ザ・クリエイター
7位『アイ・ホープ・ユーアー・ハッピー』ビッグXザプラグ
8位『ユール・ビー・オールライト、キッド』アレックス・ウォーレン
9位『The Last Wun』ガンナ
10位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォーレン
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