<ライブレポート>デビュー10周年のマカロニえんぴつ、スタジアムを経てストリングスと紡いだ変わらぬ音楽愛

2025年8月13日 / 19:00

 7月30日、マカロニえんぴつがビルボードライブ東京で行われたイベント【music from NANO universe】に出演した。同イベントはビルボードライブとアパレルブランドのナノ・ユニバースが共同開催するもので、今回はマカロニえんぴつが大阪と東京のビルボードライブに初出演。なお、ナノ・ユニバースは昨年に創立25周年を迎えているが、マカロニえんぴつは今年デビュー10周年を迎え、6月に横浜スタジアムでの2DAYSライブを開催したばかり。一日3万人を動員した野外のスタジアムから、キャパシティ約300人で飲食付きのビルボードライブという極端な違いを楽しみつつ、4人はそれでも変わらない熱量のライブを披露してくれた。ここでは2ndステージの模様をレポートする。

 普段のライブとは違い、入場時のSE「Hey Bulldog」はナシ。はっとりが最後に一人で入ってくる流れは変わらないが、ナノ・ユニバースの企画ということでブランドのシャツとジャケットでスタイリッシュに決めたメンバーはそれこそビートルズのようでもあり、モッズ・バンドのようでかっこいい。会場のラグジュアリーな雰囲気にもよく似合っている。

 アコギの弾き語りから「夜と朝のあいだ」でライブがスタートすると、「出し切って、出し切って、ともにあなたと果てたいと思っている今宵であります。今日もみなさんお勤めお疲れ様でした。そんなすべての働く民へこの曲を捧げます」と話して、長谷川大喜のピアノソロが印象的な「働く女」へ。ライブハウスとは異なる雰囲気、メンバーとの距離の近さに最初はオーディエンスの側も若干の緊張感があったかもしれないが、はっとりがギターをお馴染みのチェリーレッドのES-355に持ち替えての「レモンパイ」では、クラップをしたり、手を振ったりと、思い思いに楽しむ様子が見られた。

 メンバー紹介から、はっとりがいつもより控えめな「ロックスターポーズ(フォーマル・バージョン)」を披露して、オールディーズ風の「たしかなことは」から「恋人ごっこ」を続けると、個人的にこの日一番グッと来たのが「クールな女」。「働く女」と同様にはっとりと長谷川の共作で、マカロニえんぴつ流のシティポップとも呼べそうな一曲であり、R&B的な艶やかなエレピがビルボードライブの雰囲気にピッタリだ。一転して、次の「月へ行こう」は田辺由明のフライングVが唸るロックナンバーで、この振れ幅もまた彼ららしい。

 マカロニえんぴつには「若者に人気のロックバンド」というイメージもあるかもしれないが、MCで「こういうことがやりたかったのかもな」「曲も喜んでる気がします」と話したように、ビルボードライブという空間にバッチリハマっていたように思う。そもそも長谷川のルーツはジャズやフュージョンなので、この日は彼の鍵盤がいつも以上に目立っていたし、はっとりにしてもロック好きの父親の影響で昔から1970~80年代の渋好みなロックを聴き、活動の初期は「玄人を唸らせたい」というモチベーションを持っていた。まさに、立つべくしてこのステージに立ったバンドなのである。

 MCでは10周年イヤーの活動を振り返り、横浜スタジアムで披露された「僕らは夢の中」について話をしたが、この曲もザ・バンドが1968年に発表した「The Weight」をオマージュした一曲。彼らの世代にしては渋い趣味だが、それを全世代対応のポップソングに更新することがマカロニえんぴつのバンドマジックだ。さらには「孤独は一人ぼっちじゃなくて、自分と自分が会話する時間、向き合う時間なんです。そんな中で湧いてきた気持ちが、今年の頭にふと新曲になった」と話して、横浜スタジアムで初披露された「静かな海」を届けると、場内は温かな拍手に包まれた。

 ここからはこの日のスペシャルゲスト、ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロによる「フォーエバー・モストワーム・マカロック・カルテット」を迎えて、特別なアレンジで楽曲を披露。まず初めに演奏されたのが「なんでもないよ、」で、原曲にストリングスは入っていないが、音数が少ない曲だからこその自由な弦のアレンジが非常に新鮮。かつてオーケストラとともに『ワルツを踊れ Tanz Walzer』を制作し、今年弦楽四重奏とのツアーを行なっているくるりを連想させる部分もあった。それに続く「青春と一瞬」と「春の嵐」はマカロニえんぴつ流のオアシスへのオマージュ。「春の嵐」のアウトロではっとりが「Champagne Supernova」のギターソロを弾くのもお馴染みで、このパートには昔から変わることのない彼らのあこがれが詰まっているように感じられた。

 再びテンションの高いロックモードへと移行して、ファンキーな「愛のレンタル」や、パンキッシュな「忘レナ唄」でのストリングス・カルテットとの共演はとにかく華やか。ここでカルテットは退場するも、バンドの勢いは止まらず、「ルート16」のイントロでステージ後ろの幕が開いて、六本木の夜景が顔を出すと場内はさらにヒートアップ。ギターとユニゾンするはっとりのスキャットもご機嫌だ。「poole」では高野賢也が軽快にステップを踏みながらノリノリでプレイをして、サポートドラマーの高浦“suzzy”充孝とともにグルーヴを生み出しているのも印象的だった。

 ラストは座っていたオーディエンスを全員立たせて、オールスタンディングで「ヤングアダルト」。ライブの途中でジャケットを脱ぎ、シャツ姿で熱唱するはっとりと、それを取り囲むメンバーたち、手を振り上げて合唱するファンという光景は、ビートルズかザ・バンドかといったような、クラシックロックの名演を見ている気持ちになった。デビューから10年、下北沢の晩杯屋から六本木のビルボードライブに場所を移しても、マカロニえんぴつの音楽愛は変わらないし、いつだって僕たちには希望を寄せ合うこんな夜が必要なんだ。

Text by 金子厚武
Photos by goto sotaro

◎セットリスト
【マカロニえんぴつ
at Billboard Live OSAKA and TOKYO 2025】
2025年7月30日(水)
東京・ビルボードライブ東京 2nd Stage
1. 夜と朝のあいだ
2. 働く女
3. レモンパイ
4. たしかなことは
5. 恋人ごっこ
6. クールな女
7. 月へ行こう
8. 静かな海
9. なんでもないよ、
10. 青春と一瞬
11. 春の嵐
12. 愛のレンタル
13. 忘レナ唄
14. ルート16
15. poole
16. ヤングアダルト

◎商品情報
『「マカロニえんぴつ」はっとりコラボ デニムジャケット』
14,850円(tax in.)
『「マカロニえんぴつ」はっとりコラボ タックバギーデニム』
11,550円(tax in.)
『「マカロニえんぴつ」はっとりコラボ ゴブランコーチジャケット』
19,800円(tax in.)
『「マカロニえんぴつ」はっとりコラボ ゴブランイージーパンツ』
14,850円(tax in.)

コラボアイテム取扱い店舗
ナノ・ユニバース 渋谷神南店
ナノ・ユニバース ルミネ新宿店
ナノ・ユニバース ルミネ大宮店
ナノ・ユニバース 名古屋ラシック店
ナノ・ユニバース ルクアイーレ店
ナノ・ユニバース 札幌ステラプレイス店
ナノ・ユニバースオフィシャルECサイト
ZOZO TOWN


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