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FRUITS ZIPPERが、デビュー3周年 記念ライブ【FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY 超超超めでたいライブ -さん-】を2025年8月2日、3日の二日間にわたり埼玉県・さいたまスーパーアリーナにて開催。Day2のアンコールでは、2026年2月1日に初の東京ドーム公演を行うことをサプライズ発表して、新たな夢の景色への一歩を踏み出した。
今年6月、かねてからの目標としていたさいたまスーパーアリーナ(以下、SSA)で行われた【FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY超めでたいライブ -さん-】を経て、“超超超めでたいライブ”として迎えたこの二日間は、前回のアリーナモードからスタジアムモードにグレードアップしての開催。チケットは両日ともにソールドアウトしており、二日間で述べ5万人が来場するという、結成3年とは思えない速度で着実に成長を続ける彼女たち。その雄姿を見届けるべく、台風一過の灼熱の太陽の下、日本全国から推しメンカラーのグッズを身に纏ったふるっぱー(ファンの総称)が集結して、さらなる熱気を生み出していた。なお、月足天音は体調不良による休養中のため欠席となったため、6人でのライブとなった。場内はアリーナからスタンド最上段まで、観客でギッシリ。アリーナ中央地点には、二つに分かれた長い花道(先端に円形ステージ)が横に並んでいた。
開演時間を過ぎて客席の照明が落ちると、ピアノとストリングスによるBGMがしっとりと流れ出す。やがて力強くなったサウンドに呼応して観客のペンライトが一斉にスタンドを白く埋め尽くすと暗転。ビジョンに「フルーツ歴3年」の文字とともに世紀末的な映像をバックに黒猫「じっぺぇ」が出現(声の担当はアソビシステムの先輩、きゃりーぱみゅぱみゅであることがライブ後半で明かされた)。「この世界は大変なことになってしまった。早く運命の戦士たちを探さなきゃ。もう時間がない。この世界を救う、あの子たちを目覚めさせなきゃ。僕と契約して、“KAWAII戦士”になってくれ!」と告げると、メンバーの名前の頭文字を交えた魔法の呪文「ますかるのゆあ ふるふるる」を観客とともに叫んだ。するとステージ上に並んだ巨大なハート形のコンパクトミラーから、メンバーが一人ずつ紹介されて姿を見せ、リフトに運ばれてステージに降りて来る。驚きの演出に沸き起こった大歓声を受けて、真中まな、鎮西寿々歌、松本かれん、仲川瑠夏、早瀬ノエル、櫻井優衣が登場する。最後に「真っ赤に燃え滾るハートは7人の大事なエンジン」と月足天音がコールされて、“FRUITS ZIPPER の7人”でライブへと臨むべく、6人がステージに並んだ。
「目を覚ませ! FRUITS ZIPPER!」の声を受けて始まった1曲目は「かがみ」。曲中、歌詞の〈ますかるのゆあ ふるふるる〉で魔法にかかったように衣装チェンジして大歓声。総立ちになったSSAに重低音が響き、せりあがったステージに六つのカラーが華やかに輝きを放つと、メンバーの歌割りごとにカラーが変わる客席が壮観だ。
「こんばんは~! FRUITS ZIPPERです! さいたまスーパーアリーナ二日目、盛り上がっていきましょう!」と仲川が客席に声をかけて「NEW KAWAII」へ。櫻井の〈さ、アップデートしよ?〉に大声援が飛ぶ。華麗なステップで曲を締めくくると、ディスコチューンの紹介ソング「うぇるかむとぅ~ざ▽ふるっぱー!」(※)ではステージ、アリーナ上空からサーチライトが場内を照らし出す。櫻井、真中、早瀬と自己アピールのパフォーマンスを見せて、月足の番になると全員で「SSAのみんな、すいとーよ!」とセリフをカバー。松本、仲川と続くと鎮西の出番でブレイク。「SSA! SSA! は埼~玉のこのへん 日~本のこのへん」と、クイーン「We Will Rock You」のオマージュと思わしき替え歌ギャグから「さいたまスーパーアリーナ、25周年おめでとうございます! 100周年も7人で呼んでくださ~い!」と叫ぶと、ステージ前方から盛大にスモークが立ち昇る。
曲間のMCでは真中が、「今日はここにいるふるっぱーさん全員と今までで一番のライブにできるように、私たち頑張ります! 最後まで一緒に楽しみましょう! よろしくお願いします!」と挨拶して、メンバー自己紹介へ。
「今日はFRUITS ZIPPER初めてという人もたくさんいると思うんですけど、絶対私たちを大好きになってこれから先の未来も期待してもらえるんじゃないかなっていう気持ちで、ワクワクしています。そんな私たちを焼き付けて帰ってください」(真中)
「SSA最終日が来てしまったんだなって、寂しい気持ちもあるんですけど、私の憧れのステージなので今日も頑張りたいと思います」(櫻井)
「昨日、結構大盛り上がりだったんですよ。みなさん、超えられる元気ありますか!?(大歓声)負けないぐらい大きな声で私たちも全力でがんばります」(早瀬)
「“崎玉スーパーアリーナ”(銀テープ誤字の自虐)、盛り上がってますかー!? よろしくお願いします!」(松本)
「昨日は初めてスタジアムモードに立たせていただいて、みんなとめちゃくちゃ楽しい時間を過ごせて嬉しかったんですけど、“やった! 明日もあるやんけ!”って今日また舞い戻ってきて、すごく楽しみです」(仲川)
「以前、さいたま新都心駅をよく使っていたときに、ライブ後のお客さんたちの姿を観て、いつか私もSSAに立てたらいいなと夢に思っていた日が叶いました! みなさんのおかげだと思っています。今日は一日楽しい思い出にしましょう!」(鎮西)
さらに鎮西は、月足のぬいぐるみを手に、「ラーメンもつ鍋、SSAのみんな、すいとーよ!」と代わりに挨拶してみせた。
メンバーがステージいっぱいに広がり、タオルを回して一体になった「ふれふるサマー!」から、「ぴゅあいんざーるど」では松本が「これからみんなのことをいっぱい元気にするね!」と宣言して、全員でムービングステージに乗り、アリーナ客席の上を移動開始。〈日本全土 World Wide〉のパンチラインに乗せて、二つの花道ランウェイに挟まれる形でステージが合体。エレクトロサウンドが響き、鎮西が「もっともっとでっかい声出せますか!?」と叫んで「RADIO GALAXY」へ。スタジアムモードでのゴリゴリなEDMチューンに興奮が高まる。ラップパートでは混沌としたライティングのなか、尖った一面を披露してみせた。「さん」でコール&レスポンスすると、櫻井と早瀬がそれぞれ花道端から伸びたクレーンで上空へと上がりながら歌唱する場面も。全員で歌いながらメインステージへと運ばれていくと、緩やかなメロディに乗せてフリ合わせしながら会場中がほっこりと一体になった。
暗転して映像に再びじっぺぇが登場。メンバーを訪ねて楽屋を探索すると、それぞれが個性的な寝姿で睡眠していて笑いを誘った。しばらくして再度呪文に呼び込まれた6人は黒を基調としたコスチュームで登場して、前日に配信リリースされた新曲「ふるっぱーりー!」をパフォーマンス。ダークな曲調に乗せて歌うと、メンバーそれぞれの名をコール&レスポンス。仲川がロングトーンでシャウトすると、櫻井が再び「アーユーレディ!?」と煽り、〈100人乗っても〉〈大丈夫!〉とコール&レスポンスするカオスに極まる展開を見せた。
ここで、ソロコーナーへ。トップを務めた櫻井が「SSA、盛り上がっていくぞ!」と煽り「Spotlight」で豪快な歌声を聴かせてコール&レスポンスでオーディエンスに火を点けると、鎮西は花道に現れて「ぱーすとめいみー」を歌い会場中央で視線を独占。早瀬がメインステージで「末っ子パラドックス」を歌い出すと、ステージが稼働してアリーナ中央へと運ばれて行く。周囲を見渡しながら歌い上げると、仲川が下手側の花道に登場して、緩やかなローファイサウンドの「Chill Out」で空気を変える。入れ替わりで反対側の花道には松本が姿を見せて、アイドルポップな「すーぱーかれんたいむ」を披露。ムービングステージに乗るとアリーナ後方へと動き出して、客席がベビーピンクに染まるなか、大喝采を浴びた。曲の最後に真中が合流して松本と交代。「マナカマナカマナ」で会場をクラブ化させるアゲアゲなパフォーマンスでアリーナ中央へ。全員がステージに上がった「CO-個性」でトライバルなリズムに乗ってパフォーマンスを見せてコーナーを締めくくった。ソロメドレーでそれぞれの個性を発揮するとともに、これまでにないダークでかっこいいイメージの衣装で魅せた新境地。そんな印象は、MCを経て「Going!」、「Re→TRY & FLY」、「We are Frontier」、「スターライト・ヴァルキリー」と畳みかける展開でさらに顕著になった。EDM、ハウス、ヒップホップをも咀嚼して体現するソリッドな楽曲で、炎が立ち昇るステージで迫力のパフォーマンスを見せ、巨大なSSAに挑む流れは、オーバーグラウンドな王道アイドルのキラキラ感とは裏腹の攻めの姿勢を感じさせた。「スターライト・ヴァルキリー」のエンディングでは特効も炸裂させて、オーディエンスの期待を上回るには十分すぎるほどのコーナーとなった。
ビジョンに「次の曲は撮影OK」と表示されたのは、前日にリリースされたばかりの「ピポパポ」だ。ダークサイドからKAWAIIサイドへ、カラフルな衣装にチェンジしたメンバーたちが歌い出すと、観客のほとんどがスマホを取り出してステージに向けた。メロディアスな「好き、お願い」から、ファンキーな「ハピチョコ」でムービングステージに乗りアリーナを見渡しながら移動すると、360度大観衆に囲まれて「わたしの一番かわいいところ」がスタート。3人ずつ背中合わせで客席に向きあいながら全方位に向けて歌い、FRUITS ZIPPERの存在を知らしめた最大の代表曲で大盛り上がりとなった。「まだまだ声出せますか?」(櫻井)、「FRUITS ZIPPER、KAWAIIですか!?」(松本)と呼び掛けた「フルーツバスケット」では、仲川と鎮西がクレーンに乗って歌う。メインステージへと戻る間には、座り込んで客席をのぞき込んだりと、それぞれが自由奔放にオーディエンスとコミュニケーションを取りながらステージを楽しむ様子も。
ライブは終盤へと突入。「ずっと、ずっと、ずっと!」では中央のビジョンに歌詞が映し出され、歌割に合わせて文字の色が変わりメッセージが届けられた。「私たちのデビュー曲です。心をこめて大切に歌います」と櫻井が告げて始まったのは、「君の明るい未来を追いかけて」。客席をメンバーカラーが次々と埋め尽くす。後半、月足のパートに差し掛かると、メンバーが全員で歌い、真っ赤に染まった会場中が「天音! 天音!」と超特大のコールを送る。思わずグッと感情がこみ上げる感動と迫力のシーンだった。曲が終わるとすかさず「超めでたいソング~こんなに幸せでいいのかな?~」へ。ひと際にぎやかに「超絶かわいい〇〇」とメンバーそれぞれへのコールが飛び交い、カラフルなテープも客席に放たれて、最高の一体感で本編が終了した。
アンコールは、本編でも歌った「ピポパポ」からスタート。メインからアリーナ後方まで運ばれながら歌い上げた。MCでは、鎮西が今日のライブのここまでを振り返り、「裏テーマじゃないんですけど、2周年の武道館ライブを超えたいなという気持ちがあって、みんなの近くに行ったり、私たちがやりたいことをたくさん詰め込んだから、みんなの顔を観ていたらすごく楽しそうにしてくれていて、武道館を超えられたかなと思うんですけど…私たち、パワーアップしてましたか?」と問いかけると、大歓声で応えるファンたち。声援を受けて、「今度は7人でステージに立ちたいと思います!」と力強く宣言した。
曲名を告げると客席から歓声が飛んだ「BABY I LOVED」は、他の曲とは一線を画す洒落たシティポップ。四つ打ちのトラックに乗せたクールな歌唱で酔わせた。「本当にラストスパートになります。すべての人に感謝と愛を込めて歌います。聴いてください」との鎮西の言葉から始まった曲は、「虹」。七色に染まった客席にエモーショナルな歌声を届けた。
「最後の曲、聴いてください!『完璧主義で☆』」とメンバー全員が声を揃えたところで、突然会場が暗転。ビジョンにデビュー当時からこれまでの足跡が映し出されて、メンバーは並んで腰かけたままそれを見つめる。「3年目突入おめでとう」との言葉から、すぐに映像が転換。“史上最大級の祝宴”、“禁断の5文字”と煽りに煽ってから映し出された文字は、「東京ドーム」。2026年2月1日に初の東京ドーム公演が開催されることがサプライズ発表され、一斉にどよめくSSA。6人はステージ上で輪になって声を出して号泣している。真中があらためて、「東京ドーム公演、決定しました! 半年後、東京ドームついてきてくれますか~!?」と呼び掛けると、もちろんとばかりに大きな拍手と歓声が寄せられた。「前回のSSA公演からどう成長した姿を見せられるかとか、7人というピースが揃っていない状態でどれだけみんなを満足させられるかと、すごく不安だったんですけど、昨日やってみて『ライブってこんなに楽しかったんだな』って感じて、今日さらにそれが確信に変わって。私たちは普段からみなさんのおかげで生きられているなあと心から思いました。これからもFRUITS ZIPPERいろんなことがあるかと思いますが、まず2026年2月1日の東京ドーム、みなさん絶対についてきてください!よろしくお願いします!」と真中が呼びかけると、全員で「よろしくお願いします!」と、360度ぐるりと囲んだ客席に向き直りながら一礼した。
これ以上ない多幸感溢れるムードに包まれたステージで、「みんなで一緒に歌いましょう!」と最後の曲「完璧主義で☆」が始まった。仲川が「みんな! 東京ドーム決まったぞ! 大きな声出していくぞ!」と呼びかけて、会場中がものすごい大音量の合唱で一体となった。3周年への祝福と、さらなる夢の舞台へと続いて行く歓喜に満ちた最高のエンディングで、3時間半にわたる祝祭は終演となった。
Text:岡本貴之
◎公演情報
【FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY 超超超めでたいライブ -さん-】Day2
2025年8月3日(日)
埼玉県・さいたまスーパーアリーナ
<セットリスト>
1. かがみ
2. NEW KAWAII
3. うぇるかむとぅ~ざ▽ ふるっぱー!
4. ふれふるサマー!
5. ぴゅあいんざーるど
6. RADIO GALAXY
7. さん
8. ふるっぱーりー!
9. Spotlight(櫻井優衣ソロ)
10. ぱーすとめいみー(鎮西寿々歌ソロ)
11. 末っ子パラドックス(早瀬ノエルソロ)
12. Chill Out (仲川瑠夏ソロ)
13. すーぱーかれんたいむ(松本かれんソロ)
14. マナカマナカマナ(真中まなソロ)
15. CO-個性
16. Going!
17. Re→TRY & FLY
18. We are Frontier
19. スターライト・ヴァルキリー
20. ピポパポ
21. 好き、お願い
22. ハピチョコ
23. わたしの一番かわいいところ
24. フルーツバスケット
25. ずっと、ずっと、ずっと!
26. 君の明るい未来を追いかけて
27. 超めでたいソング~こんなに幸せでいいのかな?~
EN1.ピポパポ
EN2. BABY I LOVED
EN3. 虹
EN4. 完璧主義で☆
※▽=正式表記はハートマーク
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