エンターテインメント・ウェブマガジン
2025年5月15日よりスタートした星野源の全国アリーナツアー【Gen Hoshino presents MAD HOPE】が7月13日の沖縄アリーナでファイナルを迎えた。去る5月31日のさいたまスーパーアリーナにて、星野源が織り成す珠玉にして極上のエンターテインメントの数々に私は完膚なきまでに叩きのめされてしまった。ここにその体験をレポートしようと思う。
まず驚かされたのはその客層の幅広さだ。紳士淑女、若者にお子様、ありとあらゆる年齢層が同じ会場の同時刻に星野源のエンターテインメントを体験すべく集まっている。本人にとって約6年ぶりのツアーとなる今回、その間の多岐に渡りまくる大活躍は語るに及ばずであるが、その全てがこうしたライブ、すなわち音楽の場へと結実しているということに何を隠そう開演前からすでに感動してしまっており、なんならちょっと泣きそうですらあった。場内はもちろん満員御礼、に加えてその大観衆が本人の登場を待ち侘びる間、なんとBGM(曲はAmber Markの「Foreign Things」)に手拍子で参加。その圧倒的な一体感と場内に満ちる期待感やピースフルな熱気でこちらはさらに泣きそうに。
さあ、場内が暗転、いよいよ開幕……かと思いきや、ボイスドラマが展開。「人生に意味などない」「音楽にも意味なんかない」などという諦観(“あきらめ”ではなく目前の物事を「あるがまま」に受け容れる心理状態)や無常であるからこその万物への愛おしさ(筆者はそう感じた)のメッセージと同時にバンドがオールイン。カオスに鳴らされる楽器たちは次第にまとまりを見せ「地獄でなぜ悪い」のイントロと同時に星野源の登場。なんという完璧な登場シークエンスであろう。バンドもオーディエンスも冒頭からまさに狂騒と言える大盛り上がり。その美しき光景にまたまた泣きそうになってしまう。
そんな狂騒のあとに鳴らされる温かみのある四つ打ちのリズム。「SUN」だ。サビ後のコーラス部で共に歌い、踊り、揺れるオーディエンスたち。こちらの光景もなんと美しきことか。といった強力なヒットチューンで上がりきった場内の熱は最新アルバム『Gen』からの「喜劇」と2019年リリース、トム・ミッシュを共同プロデューサーに迎えた「Ain’t Nobody Know」にて心地よく冷まされる。
そこで投下される「Pop Virus」の破壊力がまた凄まじかった。というのもなんと曲中盤でスクリーンにMC.waka(オードリー若林)が登場したのだ。これにはたまらず再びブチ上がるオーディエンスたち。その後はまたしっとりと『Gen』より「Eden (feat. Cordae, DJ Jazzy Jeff)」「不思議」をプレイし、「10年以上前の曲と9年前の曲を続けてどうぞ」と、2013年リリースのアルバム『Stranger』からの「夢の外へ」、続けて「恋」を披露する。間奏では少々恥ずかしげに恋ダンスを一部再現して見せるなどの仕草がなんともキュート。有無を言わさぬキラーチューンで一つのハイライトをオーディエンスと作り上げたのち、本人はセンターステージへ移動。たまアリの大観衆のど真ん中に立ち、弾き語りで「ひらめき」「暗闇」「くせのうた」と、デビュー作からの2曲に最新作からの楽曲を挟むという形で披露。デビュー当時から変わらない曲の力と歌詞の強さを聴かせてくれる。特に弾き語りブロックの最後として演奏された「くせのうた」は本当に素晴らしい楽曲、歌詞であり、会場真ん中に立つ星野をオーディエンス全員が抱き締めるような思いで聴き惚れ、噛み締めていたように思う。
再びメインステージに戻った星野はバンドと共に「Sayonara」、そしてツアータイトルともなった「Mad Hope (feat. Louis Cole, Sam Gendel, Sam Wilkes)」をバンマス長岡亮介率いるアンサンブルで華麗にプレイ。そこでは、エレクトリックギターをかき鳴らす星野の姿があった。ドラマーである筆者はどうしたって石若駿のドラミングに釘付けだ。続けてプレイされた「Star」の極上のグルーヴには取材を忘れ思わず身体が動いてしまう(笑)。
「2 (feat. Lee Youngji)」ではスクリーンに大きく映し出されたイ・ヨンジがオーディエンスを激しくアジテーション。そしてここからの2曲がまた強烈であった。突如暗転した会場に再びのアナウンス。なんと特別ゲストにドラえもん、のび太、しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫が声のみの登場(とはいえ当人たちも会場でライブを楽しんでいたらしい。筆者は見つけられなかったのだが)。オーディエンス一同割れんばかりの歓声で「助けて~! ドラえも~ん!」の声と共に「ドラえもん」、そして星野による「本ツアー最高の難易度を誇る曲です。食らえ!」としてプレイされた「創造」のコンボである。人懐っこいメロディの「ドラえもん」と『スーパーマリオブラザーズ』35周年テーマソングとして制作されながらもカオティック極まりない「創造」。ドラえもんとマリオを持ち前のセンスで全く別のベクトルで調理(但し両曲共に極上のポップソング)し、それをライブで続け様にやってのけるだなんて。そんな圧巻の一幕を経ての「Week End」と「Eureka」で本編はクロージング。
アンコールの主役は星野源、ではなく彼の友人(?)であるニセ明による「異世界混合大舞踏会」。そしてニセ明待望のメジャーデビュー(??)曲である「Fake」。こちらは『Gen』初回限定盤「Box Set “Visual”」にのみ収録されているニセ明6年半ぶりの新曲とのこと。ぶっちゃけた話ではあるのだが、客演として16歳のアイドル雅マモル(宮野真守)、ニセの長年の友人ウソノ晴臣(ハマ・オカモト)に加え、“新たな仲間”としてパーソナルアシスタント上白石まね(上白石萌音)をも巻き込んだ幾多のブラックミュージックの名曲たちに対する愛情たっぷりなソウル/R&B調の楽曲に爆笑必死の歌詞(サビは〈Fake it〉、〈パンケーキ〉や〈ショートケーキ〉を連呼するのみ)という当曲が深く刺さってしまうくらい筆者のツボを付く内容であった。その後のアップテンポな「REAL」も含めた余りにもクオリティの高いおふざけ(とは言えないくらい本当にいい曲なのがマジでずるい(笑))でオーディエンスを沸かせに沸かせ、ラストは「Hello Song」の大シンガロングにて大団円を迎えた。
触れないわけにはいかない幕間に映像出演し場内を爆笑の渦に巻き込んだ赤えんぴつ(バナナマン扮するフォークデュオ)も然る事ながら、終演後のエンドロールにて冒頭のボイスドラマも『ドラえもん』の面々のやり取りの脚本までもが星野源本人の手によるものだったことが明かされる。エンドロールの最後の「企画・構成・演出 星野源」には拍手や畏怖や徹頭徹尾に楽しませてくれたことへの感謝や様々な感情が入り混じり、しばし呆然と立ち尽くしてしまっていた。
冒頭にも記した通り、ありとあらゆる活動の全てを結果として自身が愛してやまないであろう音楽の場へと注ぎ込んでくれた星野源氏に、この場を借りて僅かばかりの賛辞を贈れることを心から誇りに思います。素晴らしい一夜を、本当に、ありがとうございました。
Text by 庄村聡泰
Photos by 田中聖太郎、藤井拓
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