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6月16日に、iriが【iri Hall Tour 2025 “Seek”】の東京・国際フォーラム ホールA公演を開催した。7月21日に東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催される追加公演まで全国10か所を回る同ツアーは、彼女にとって約2年ぶりのホールツアー。どんなステージが繰り広げられたのか、16日公演の様子をレポートしたい。なお、一部ネタバレを含むため、ご注意いただきたい。
バンドメンバーがステージに上がると暗転。5月21日にリリースされたニューEP『Seek』と同タイトルの公演ということもあり、幕開けは『Seek』収録曲「harunone」だ。一気にiriの歌声が響き渡り、会場を包み込む。楽曲の雰囲気、そしてボーカルエフェクトも相まって、どことなく神秘的な空気を感じる。渾身の歌声を聴かせると、すっとステージの前方に出て、手を振るiri。衣装はピンクのシャツにグレーのパンツというシンプルでナチュラルなものだ。その衣装のごとく、軽くリズムに乗りながらステージを歩きつつ、リラックスして歌う姿がかっこいい。
一息ついて「こんばんは」と挨拶をすると「国際フォーラムは3年前に一度やらせていただいて。、節目のような感覚。特別な気持ちです」と語る。そのままアップテンポな楽曲が続いていく。「ニューEP『Seek』は、自分から変わりたいというか、避けていた場所や環境にも足を踏み入れて、その先に新しい自分がいるんじゃないかなと思い、いろいろトライした中で作りました。その一歩踏み出した時にちょうど書いていた曲を」と語ってスタートしたのは、「Butterfly」。温かなサウンドに乗りながら、観客に言葉を届けるように歌っていくiri。途中、ゆっくりとステージ上を歩いたり、寄り道するかのように客席のほうに近づいてみたり。その姿はまるで散歩しているかのよう。同曲を語る時に言っていた、「東京をひたすら歩きながら書いてました」という彼女の言葉が可視化されたかのようなステージだった。
その後、代表曲「会いたいわ」を経て、同ツアーで初披露となる「Faster than me」へ。照明の光が広がり、その中から響いてくる歌声がオーディエンスたちを包みこんでいった。その雰囲気のまま「river」へと続く。もちろん、同曲の特徴のひとつでもある子どもたちのコーラスもしっかり流れていたのだが、音源で聴くよりもiriの声との対比が際立って聴こえ、改めて同曲の良さを味わうことができた。
彼女の音楽に引き込まれていると、「もう後半戦に入ってきているんですけど、まだまだいけますか?」というiriからの問いかけ。オーディエンスたちも声を出し、拍手を送り、準備は万端だ。アップテンポのナンバーが続いたこともあり、会場のボルテージは上がりっぱなし。iriも「ホールのライブとは思えないテンション。最高です」と笑顔を見せていた。
さらに「Wonderland」などで緩く身体を揺らすナンバーも披露され、iriの音楽を余す所なく楽しんだところでラストナンバーの「otozure」へ。アップテンポで景色が見えてくる楽曲でありつつも、どこか静かに滲むような感覚も受ける。会場もじっとその世界観に浸っていた。そんなiriらしい美しい楽曲で魅了すると、「ありがとうございました。すごく特別な時間になりました。また会いましょう」と、ライブの幕を下ろした。
彼女らしい唯一無二の音楽性がたっぷり楽しめたことはもちろん、キュートさが垣間見えたのもライブならでは。パブリックイメージとして「クール」というワードが出てきがちなiriだが、彼女の飾らないナチュラルさ、音楽に溶け込みつつも輝きを放つ存在感、それこそが多くの人を惹きつける理由なのかもしれない。そんなことを感じたライブであった。
Text:高橋梓
Photo:後藤壮太郎
◎公演情報
【iri Hall Tour 2025 “Seek”】
2025年6月16日(月) 東京・国際フォーラム ホールA
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