THE ORAL CIGARETTES、HYDEやSKY-HIらも集結した大阪城ホールで6年ぶりのアリーナツアー終幕 オフィシャルレポート到着

2025年4月24日 / 17:00

 THE ORAL CIGARETTESが、4月19日に大阪・大阪城ホールでアリーナツアー【AlterGeist0000 ARENA TOUR 2025】の最終公演を開催した。

 オーラルは1月に6thアルバム『AlterGeist0000』をリリース。同作を携え全国9か所のライブハウスを巡った【AlterGeist0000 LIVE HOUSE TOUR 2025】を経て、4月12日と13日に神奈川・横浜アリーナ、18日と19日に大阪・大阪城ホールで約6年ぶりとなる本アリーナツアーを実施。地元関西で満員のオーディエンスと共にファイナルを迎えた。

 開演を告げる恒例の“4本打ち”が鳴り響き、アメコミ調のオープニングムービーが流れたかと思えば、1曲目の「Bitch!!」から吹き上がる炎と強烈な重低音で攻め立てるド迫力の幕開けとなったこの日。山中拓也(Vo/Gt)が「椅子があっても関係ない、思いっ切り遊べ!」とぶち上げたアルバムのリード曲「DIKIDANDAN」、ノイジーでインダストリアルな「BUG」といい、次々に繰り出す楽曲群と巨大なモニターに映し出されるディストピアな映像とのシンクロ具合は完全に世界標準で、もはやライブの域を超えたハイパーエンターテイメント。序盤からすさまじいエナジーで見る者を巻き込んでいく。

 山中が「ツアーファイナル、今日はありがたいことにソールドアウトです!」と切り出せば、誇らしげな表情を浮かべるメンバー。続けて山中が、「僕たちも昔はそっちで見てましたから。めっちゃ覚えてるわ。今、手を挙げてる白Tシャツの君ぐらいのところでONE OK ROCKを見ましたよ(笑)。そこにこうやって立てること、すごくうれしく思います。今日はちょっとヤバい日になりそうで……初っぱなからこんな切り札、使っちゃっていいんですかね!?」と投げ掛け、それに応えて現れたのは山中のルーツであり敬愛するボーカリスト、HYDEだ。千秋楽ならではの豪華共演で送る「BLACK MEMORY」には場内大興奮で、演奏後も一向にどよめきが収まらない。

 その余韻に溶け込むような中西雅哉(Dr)のドラミングが導いた「ワガママで誤魔化さないで」、ダークでアシッドな「OD」を経由し、山中が「みんなの声が聴きたいな」といざなった「SODA」は、広い会場を包み込む清廉なシンガロングに心が浄化されるかのよう。一転、「GET BACK」では再び疾走感たっぷりに駆け抜け、鈴木重伸(Gt)の軽快なカッティングがけん引する「UNDER and OVER」では、見渡す限りが手を振る絶景をいとも簡単に作り上げてしまう。

 ここで山中が、「一人一人が一歩外に出たときに待っている世界は息苦しいかもしれない。俺もそうやったから、その世界を変えたくて音楽をやってきましたけど、それは違うなと気付いたんです。世界を変えるんじゃない。俺たちは俺たちで新しい世界を作るんです。ここにいるみんなやチームや仲間たちと、自分たちの気持ちが幸せになる場所を一緒に作っていきたい」と現在の心境を吐露。さらには、主催イベント【PARASITE DEJAVU 2024】で発生した事故と向き合った、約3カ月間のライブ活動休止にも触れていく。

 「【パラデジャ】でけがをさせてしまった方たちのことを俺たちはずっと考えているし、その方たちがまた安心してライブに来られるようにこれからも努めていきたい。でも、この日に至るまで、みんなが作ってくれたフロアの空気感を見て、すごく安心したんです。あとは俺らがしっかりするだけやって。今日来てくれた人、ライブハウスやアリーナツアーに来てくれたみんな、俺たちの復活を願ってくれた仲間たちに、歌いたい曲があります。待っていてくれてありがとう!」

 切実な思いがその言葉に、音に、声に宿っているのがひしひしと伝わる「愁」を、息をのみしっかりと受け取る大観衆。信頼という見えない絆を感じた同曲でライブも折り返し地点となり、山中が「さぁここからもう一発楽しんでいきましょう!」と呼び掛けるや再びグルーヴが走り出した「A-E-U-I」、レーザーを駆使した深紅の照明もろとも複雑なビートをキメまくる「PSYCHOPATH」と畳み掛け、その到達点となる「Savior Of My Life」では、圧倒的高揚感がもたらすエクスタシー、視覚と聴覚を刺激する総合芸術たるパフォーマンスに心地良くノックアウトされる。

 MCでは、先日結婚を発表したあきらかにあきら(Ba/Cho)に幾つも祝福の声が掛けられるなか、山中が「このアリーナツアーでみんなが作ってくれた景色を見て言いたくなりました。俺たちTHE ORAL CIGARETTESはスタジアムバンドになりたいです! そのためにも、ここをライブハウスにすることが次のフェーズやと思ってるし、アリーナでもそういう遊び方をしたい。それの第一歩のファイナルですから、思い残すことなく全部置いていってほしい。後半戦、アリーナはライブハウスと化す!」と高らかに宣言。

 有言実行の「狂乱 Hey Kids!!」で大阪城ホールが揺れに揺れたその後、盟友SKY-HIが駆け付けると客席のテンションは一気にピークへ。大合唱が巻き起こった「カンタンナコト feat.SKY-HI」では360°どこを見てもヘドバンという圧巻の光景を生み出し、「THE ORAL CIGARETTESと、THE ORAL CIGARETTESを愛する全ての人に、心から愛と感謝とリスペクトを!」と、去り際まで粋なSKY-HI。加えて山中が「ロックシーンからもう一人友達を連れてきたぜ!」と叫ぶと、事を察した場の熱量はまたも増大。coldrain のMasato(Vo)の刺すようなシャウトに切り刻まれた「DUNK feat.Masato(coldrain)」では、もうどうにかなってしまいそうなぐらいの熱気がトドメの特効を引き金に爆発し、そのフィードバックノイズにまみれながら突入した「Red Criminal」では、山中が「もうタガが外れました(笑)」と舞台を降りアリーナのど真ん中へ。飛んで跳ねての熱狂の真っただ中、ライブはいよいよ終盤へと差し掛かる。

 息も絶え絶えの山中は、「めちゃくちゃライブハウスやん、ありがとう!」と感謝を述べた後も、「今年は恩返しをしていく一年やと思ってます。俺たちがあなたたちを励ませるように頑張るから、ライブハウスでもアリーナでもフェスでもいい、しんどくなったらマジで遊びに来いよ」と優しく語り掛ける。そして、「俺たちの活動休止中にたくさんの仲間が奏ででくれた、俺が20代の一番つらかったときに作った楽曲が、こんなにもみんなに歌ってもらえる曲になるとは思いませんでした」と続けた「5150」では、1万人の歌声が大きな感動とともにステージ上の4人に降り注ぐ。本編ラストは山中が、「次の曲で最後です。笑って帰ろう」とささげた「See you again」でエンディング。銀テープが広大な空間に舞い、充実感いっぱいにバックヤードへとはけていくオーラル。

 アンコールでは、「今日が絶好調で、あと20年ぐらいはやれる!」と意気込んだ中西によるグッズ紹介『まさやんショッピング』でも和ませ、最後に山中が「あなたたちの存在をライトで証明してもらってもいいですか? うわ……すごい。これ、今度スタジアムでも見ような、頑張るぜ。一緒に歌える人は歌ってほしい。俺も声がかれるまで歌うから」と誓い「YELLOW」を届け、バンドの背中越しに観客がスマホの光を照らした美しい風景がスクリーンを埋め尽くす。フィナーレにふさわしいドラマチックなラストシーンで、アリーナツアーを締めくくった。

 なお、THE ORAL CIGARETTESは、9月17日の大阪・Zepp Osaka Baysideを皮切りにスタートする全7公演の対バンツアー【ALL MY LIFE TOUR 2025】を新たに発表。coldrain、SPARK!!SOUND!!SHOW!!、go!go!vanillas、SCANDAL、The BONEZ、HEY-SMITH、SiMと各地でツーマンライブを行う。また、7月より日本テレビ系金曜よる11時『FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)』枠にて放送予定のアニメ『桃源暗鬼』オープニング主題歌に、新曲「OVERNIGHT」が決定。アニメPV第2弾映像では楽曲の一部を聴くことができる。

Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by Ryotaro Kawashima、SHOTARO

◎公演情報
【ALL MY LIFE TOUR 2025】
2025年9月17日(水)大阪・Zepp Osaka Bayside w/coldrain
2025年9月19日(金)広島・BLUE LIVE広島 w/SPARK!!SOUND!!SHOW!!
2025年10月2日(木)宮城・SENDAI GIGS w/go!go!vanillas
2025年10月6日(月)東京・Zepp Haneda w/SCANDAL
2025年10月8日(水)福岡・Zepp Fukuoka w/The BONEZ
2025年10月14日(火)北海道・Zepp Sapporo w/HEY-SMITH
2025年11月18日(火)愛知・COMTEC PORTBASE w/SiM


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