<ライブレポート>Jun. K (2PM)、音楽愛とリスペクトを込めた【Jun. K Solo Tour 2025 “O/N”】ツアー最終日 J-POPカバーは驚きと感動のステージに

2025年4月3日 / 12:00

 3月19日に7曲のJ-POPカバーを収録したアルバム『O/N』をリリースした2PMのJun. Kが、1月にスタートさせたツアー【Jun. K Solo Tour 2025 “O/N”】のファイナルを3月23日に神奈川・横浜BUNTAIで迎えた。

 1月に名古屋、2月には大阪で2日間、そしてリリース週に横浜でラストステージを飾るというスケジュールで行われた本ツアーでは、O(オールドスクール)とN(ニュースクール)の対となる音楽の対決がJun. Kスタイルで繰り広げられた。バンドの生演奏とエコーがかかった<It’s automatic>のフレーズ、ニュージャックスウィングのビートが会場を包み、サングラスをかけたJun. Kが大きく腕を広げて登場すると大歓声が起こる。宇多田ヒカルのR&Bデビュー曲を“N”にアレンジした「Automatic」は、バラードとヒップホップを主流とするJun. Kの楽曲に非常に馴染む仕上がりだ。自身初のカバーアルバム、そして今回のツアーの世界観を鮮烈に印象づけたスタートナンバーに続いて、ラップや転調が炸裂する「LOVE & HATE」ではダンスと歌がノンストップで繰り広げられ、会場の温度を一気にあげた。

 乱れる息を抑えながら「こんばんは、皆さんのJun. Kです。会いたかったです!」と元気いっぱいに挨拶するJun. K。「(『O/N』は)日本で7枚目のアルバムです。なんだか年配の歌手みたいですが……14、15、16……20歳です!」と、“おとぼけ”で笑いを誘ったあと、「皆さんの心のドアをノックしてみたいと思います」と、シティポップの代表曲となった1979年11月リリースの松原みきのカバー「真夜中のドア~stay with me」へ。こちらも大胆にアレンジされたJun. Kスタイルで、会場の心をガッチリと掴んだ。ランニングマンやロジャーラビットといったヒップホップの基礎ステップはもちろん、ここ最近のK-POPナンバーのコレオグラフィーで見られるステップもミックスして、まさに全身で“O/N”を表現。さすがK-POP第二世代を代表する2PMのメンバー、〈Baby〉のパートでにっこりピースを披露して、クールもスウィートも思いのままだ。

 ここでサングラスを取り、にこやかな表情が見えるとHottestたち(2PMのファンネーム)は大喜び。冒頭の縦揺れから、「Good Morning」「Paint this love」を通じて、横揺れへ自然に移り変わる。キーボードやギターの音色が響く、ロマンティックで柔らかなステージへと変化したのも印象的だった。

 「挑戦、新しさを恐れないこと」「時を超えた関係に限界はない。自由で無限な想像が可能だから」「ありのままで輝くことが大切」と、Jun. Kの信念が表明されると、聞き覚えのあるきれいな口笛が響く。そう、2021年の2PMの日本カムバック曲「僕とまた」だ。本ツアーでライブ初披露となった本曲は、オールホワイトのスリーピースにギターの強い音色、華麗なステップに、楽曲を制作した当人のスモーキーで情熱的なボーカルのどれもすべてが完璧だった。濃厚でグルーヴィーなメロディが心地よい「NO SHADOW」は4人のダンサーとともに、こちらも華麗なフォーメーションチェンジで視覚も聴覚も刺激された。

 この日は最新作に収録されたカバーがすべて披露された。「NO SHADOW」のグルーヴを引き継いだ「プラスティック・ラブ」(Original Artist : 竹内まりや)はマイクスタンドを使って都会な雰囲気を醸し出し、「夏になると思い出す、よく聴く楽曲」と紹介された「Remember Summer Days」(Original Artist : 杏里)は、ビーチやハイウェイ、パームツリーを背景に夏を先取り。シティポップを愛聴するJun. Kの原曲へのリスペクトと愛が詰まったパフォーマンスでもあった。「原曲の感性を守ろうと努力したものもあれば、思いきってアレンジしたものもあります。先輩方の曲なので(カバーが)一番緊張します」と、その愛が大きいからこそ、1970年代~2010年代のJ-POP(O)を新しい感性(N)で表現することには多少の不安もあるという。実際、MC中に何度か「大丈夫でしたか?」と私たちに確認する場面があったのだが、Hottestが持つピンク色のライトスティックの光の波は、Jun. Kが奏でるメロディと共鳴するように呼応していたし、彼に向けて送られる温かくて大きな拍手や歓声を通して、そんな心配は不要だと伝わったはずだ。

 2PM「My House」のホットな演出は、特に忘れられない瞬間と言っても過言ではない。800人以上の応募の中から選ばれた一人のHottestをJun. Kが客席まで迎えに行き、手を添えながらステージへエスコート、中央に置かれた椅子に座らせて、至近距離で歌い踊るJun. Kに嵐のような歓声が沸いた。壇上の幸運なファンとそれを見つめるHottestたちの隠しきれない感情はJun. Kにも伝わり、クールに決めつつも、ほんのり照れくさそうにしているのは見逃さなかった。最後に「僕の部屋に行きましょうか」という甘い言葉をかけ、2人はステージ奥へと消えていった。

 ほてった会場を冷ますように、ここでインターミッションに入るのだが、「Jun. Kよりお客様へご案内申し上げます。一緒に歌うことが大好きなので、ぜひ一緒にお楽しみください。段差にお気をつけください。なお、次の曲は3分後を予定しております。お早めにお戻りください」と、まさかの本人による場内アナウンスが入り、会場はどっと大笑いに包まれた。

 ツイードジャケットに着替えたJun. Kは「接吻」(Original Artist : Original Love)を歌い終えた後も、目の前いっぱいに広がる笑顔を見て嬉しくなったのか、気持ちよさそうに何度もフレーズを歌ってくれた。「今回、日本の有名な曲をたくさん聴きましたが、この曲の歌詞の内容にとっても感動しました。僕の声でお届けします」と大きく息を吸って始まったMISIAのカバー「アイノカタチ」では、ブレスの長い難曲を感情豊かに歌い上げる姿に誰もが聞き入った。

 Hottestたちの歌唱と一緒に完成させた「Better Man」で会場はたくさんの愛に包まれたのだが、終わりが近づいている現実は避けられない。「えぇーー」と惜しがるHottestとJun. Kの気持ちも同じだ。「愛とは何かを考えさせられる曲です。皆さんにとってLOVEとは何ですか?」と問いかけると、すかさず「Jun. K!」と叫ぶ声が発生。心の叫びを歌声に込めた「NO LOVE」、真実の愛を見つけた彼の情熱が天にものぼる勢いの「HIGHER」で本編は終了した。

 愛のステージから一変、アンコールは彼のスワガーな姿勢が前面に出たステージに。「Alive」はディストーションの効いたハンドマイクの2本持ち、「Mr. Doctor」と「EVEREST」のメドレーは、感情の起伏と不安定さを映す、ジェットコースターのような展開が行ったり来たり。そこに刺激的なライティングと自身を鼓舞するラップ、差し抜きが絶妙なダンスが差し込まれ、MC Jun. Kの顔が垣間見られた。

 「声が?」「小さーい!」のお馴染みのやり取りのあと、「今回のアルバムの収録曲の歌詞を使って僕の気持ちを表現したいと思います」と言って、「桜が舞うこの季節に、皆さんと僕がここでひとつになる。何万回も大好きだと伝えたいです。皆さんが僕のそばにいることで、僕は強くなれる気がします。皆さんと僕の思いは重なり合い、長く甘いこの時間は過ぎ去りました。ここで皆さんと少し離れるとしても、またここに戻ってくることを約束します!」という愛のメッセージと再会の約束が届けられた。

 そのお返しをするかのように、Hottestたちはサプライズのメッセージを用意していた。Jun. Kから絶え間なく癒しや感動をもらっていること、ずっと歌っていてほしいという願い、そして誰もが共通するのは「これからも大好き。ずっと応援している」という気持ち。Jun. Kが客席を振り返ると「何万回もJun. Kが大好きだと伝えるよ。約束のキス!」というスローガンを持った光景が広がる。感動した面持ちでJun. Kは「7枚目のアルバムを作れたエネルギーの源は皆さんです。ずっと応援してくれている方、新しくファンになってくれた方、今ここにいる皆さんが全員、ずっと幸せでいてほしいです。僕が皆さんのエネルギーでもあるので、僕ももっと頑張って戻ってきます」と、深い関係性をもっと強くさせる。

 「来てくれた皆さんにエネルギーの拍手を送ります。ずっと元気でいてください。膝も肩も足も、足の裏も気をつけて! また必ず戻ってきます。約束のキス! 以上、皆さんのエネルギー、Jun. Kでした」と挨拶をして、ステージを後にするJun. K。このまま終わってしまうのは、なんだか物足りない雰囲気だったのだが、光の速さで戻ってきてくれた。「日曜日の夜、もっとミダレテみましょう! 明日のことは忘れて今を楽しみましょう!」の掛け声で2PM「ミダレテミナ」がスタート。アコースティックから徐々にハイプアップしていき、文字通り、誰もがクレイジーになった。

 またここでステージを去ったJun. Kだったが、今度は彼を呼ぶコールがすぐさま追いかける。ギターが鳴り響くと、中島美嘉の「桜色舞うころ」のカバーが始まった。オーケストラアレンジで終盤に向けて盛り上がっていく展開、会場全体が桜色に染まったその光景は今でも忘れられない。最後の最後に、2PMの人気曲でJun. Kが制作もした「Hot」のイントロが流れると、Hottestたちに残っていた最後のエネルギーが呼び起こされる。韓国語歌詞ながら全員ジャンプしながら完璧に歌い上げた。会場のボルテージを上げたJun. Kは最後、客席に向かって何度もお辞儀をし、全フロアの隅々にまで丁寧に手を振る。「今日は横浜まで来てくれて本当にありがとうございます。今回のアルバムで準備した曲がまだまだあります。もっと準備して、次回歌います」と、最後に飛び出した胸躍る発言に期待が募る。

Text by Mariko Ikitake
Photos by 田中聖太郎写真事務所

◎セットリスト
【Jun. K Solo Tour 2025 “O/N”】
※2025年3月23日(日)神奈川・横浜BUNTAI公演
1. Automatic(宇多田ヒカル)
2. LOVE & HATE
3. 真夜中のドア~stay with me(松原みき)
4. Good Morning
5. Paint this love
6. 僕とまた
7. NO SHADOW
8. プラスティック・ラブ(竹内まりや)
9. Remember Summer Days(杏里)
10. Comma
11. Falling in love
12. My House
13. 接吻(Original Love)
14. アイノカタチ(MISIA)
15. Walking On The Moon
16. Better Man
17. NO LOVE
18. HIGHER
19. Alive
20. Mr. Doctor + EVEREST
21. ミダレテミナ
22. 桜色舞うころ(中島美嘉)
23. Hot


音楽ニュースMUSIC NEWS

MISIA、5月発売ニューアルバムのタイトル曲「LOVE NEVER DIES」先行配信へ

J-POP2025年4月4日

 MISIAが、ニューアルバム『LOVE NEVER DIES』より新曲「LOVE NEVER DIES」を4月25日に先行配信する。  5月28日に発売される本アルバムのタイトル、そして現在開催中の全国アリーナツアー【THE TOUR O … 続きを読む

大原櫻子、日テレ『ぶらり途中下車の旅』テーマ曲を担当&ニューAL発売決定

J-POP2025年4月4日

 大原櫻子の新曲「風の冒険者」が、日本テレビ『ぶらり途中下車の旅』テーマ曲に決定し、同曲も収録したニューアルバムが6月11日にリリースされる。  ニューアルバムには、先行して配信リリースしていた、絢香提供の「Collection」、水野良樹 … 続きを読む

メイ・シモネス、妹や愛犬が登場する新曲「Zarigani」のMV公開

洋楽2025年4月4日

 米ブルックリンを拠点に活動する24歳のシンガーソングライター/ギタリストのメイ・シモネスが、ニュー・シングル「Zarigani」のミュージック・ビデオを公開した。  「Zarigani」は、明るく活気のあるトラックで、双子の妹への愛情を懐 … 続きを読む

郷ひろみ、“111枚目”のニューシングル『最強無敵のDong Dong Dong!』発売決定

J-POP2025年4月4日

 今年70歳のメモリアルイヤーとなる郷ひろみが、通算111枚目のニューシングル『最強無敵のDong Dong Dong!』を5月28日にリリースする。  表題曲はそのタイトル通り、“最強無敵”なエンターテイナー郷ひろみの真骨頂を感じさせる熱 … 続きを読む

緑黄色社会、初のアジアツアー開催決定

J-POP2025年4月4日

 緑黄色社会が、アジアツアー【Ryokuoushoku Shakai ASIA TOUR 2025】を9月より開催する。  緑黄色社会はこれまで、台湾【2023 SUPER SLIPPA】や、韓国【Incheon Pentaport Roc … 続きを読む

Willfriends

page top