<ライブレポート>anoとマキシマム ザ ホルモンが音楽でぶつかり合った【ニャンオェちゃん vs チュープリくんツアー】千秋楽、コラボあり&新曲も披露

2025年2月19日 / 18:00

 2月13日、anoが東名阪Zepp対バンツアー【ニャンオェちゃん vs チュープリくんツアー】の千秋楽を東京・Zepp Hanedaにて行なった。同公演の対バン相手は、マキシマム ザ ホルモン。これまで様々な形で関係性を築いてきた2組のアーティストが、観客を狂喜乱舞させた同公演の様子をレポートしたい。

 開演前からすでに腹ペコ(マキシマム ザ ホルモンのファンの呼称)たちは準備万端。1~2分開演時間が遅れた時に上がった「押してるぞー!」という声が、その証拠だろう。まず登場したのはマキシマム ザ ホルモン。「シミ」が始まると雄叫びに似た歓声が上がっていく。ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)の「全員頭振れ!」で、ヘッドバンギングしたり、全身全霊で掛け声を上げたり、ナヲ(ドラムと女声と姉)の歌に合わせてクラップしたりと、実に楽しそうだ。続く「恋のメガラバ」で、さらにヒートアップ。ステージ上もフロアも関係なく踊り狂っている様子に、ベテランラウドロックバンドの真髄を見た気がした。

 その盛り上がりに、「すごいね! 君たち、今日に向けて合宿でもしてきた?」とナヲ。「初めてです。『押してるぞー!』って言われたの。まだ演ってもないのに」(ナヲ)、「うるせぇ! 人生押してなんぼやろが!」(ダイスケはん)と続け、観客を沸かせていた。さらに「今日ははじめましての方も多いと思うんですけど、ポップでいくとか考えてないんで」、「全員泣かせて帰るつもりなんで、よろしく!」と叫び、「三度の飯より飯が好きー! マキシマム ザ ホルモンです!」と気合を入れて挨拶。そのままゴリゴリのラウドロックを演奏していくかと思いきや、鳴り響いたのは「ロックンロール・チェーンソー」。もちろん腹ペコたちは大歓喜で、大合唱! エンジンをかけると「令和ストロベリーバイブ」へ。さらに、イントロだけで大歓声が上がった「絶望ビリー」まで飛び出し、フロアはぐちゃぐちゃだ。それに負けじと、マキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)と上ちゃん(4弦と歌とDANGER×FUTOSHI)もステージ上で暴れていた。

 ここでステージ上にお菓子を設置して、anoを捕獲する罠を仕掛けるメンバーたち。「大好きなお菓子だぁ~」と姿を表したanoを捕獲すると、昨年リリースしたanoとのコラボ曲……ではなく、「ぶっ生き返す!!」を披露! フロアからも「えー!?」という声が上がったところで、anoがデスボイス全開で歌って腹ペコたちを沸かせていった。さらに「全員、あの曲でぶっ壊れろー!」と「チューチュー ラブリー ムニムニ ムラムラ プリンプリン ボロン ヌルル レロレロ feat. ano」へ。タオルもミラーボールも回り、anoの「亮君がギターソロ弾きます」でギターの音が鳴り響いていった。「最高やわ~!」とダイスケはんがanoのデスボイスを褒めようとするも、「バイバーイ!」とステージから去ってしまうano。この自由奔放さもかっこいい。そして、ラストは恒例行事の「麺カタコッテリ!」。反っていない人はしっかり怒られてからの「恋のスペルマ」へ。最後の最後まで盛り上げて、4人はステージを後にした。

 続いてanoが登場。自身がボーカル、ギターを務めていたパンクバンド・I’sの「Past die Future」でライブをスタートさせる。「ぶち上がっていくぞ!」とシャウトして、エンジンをかけると「anoです、よろしく」と「デリート」へ。ハードでありつつもキャッチーな音が空間に広がっていく。anoは腕をスタンドマイクに掛けつつ歌に思いを乗せていたが、そのアクティングもかっこいい。フロアの熱気も高まったところで始まった「普変」では、掛け声が鳴り響く。anoもオーディエンスを煽ってニヤリ。一段と歓声やクラップが大きくなり、それに呼応するかのように歌も熱を帯びていった。

 「はじめまして、anoです。対バンツアー、ファイナルがやってまいりましたー!」と挨拶。「今日は一生懸命楽しんでください!」と叫ぶと、「愛してる、なんてね。」へ。ギターを下ろしてハンドマイクを手に持ち、ジャンプしたり、くるくる回ったりしながら歌う様子が実に楽しそうだ。「涙くん、今日もおはようっ」とタイトルを叫び、会場に手を振っていくano。途中「おはよー! 2階も後ろもおはよー!」と笑顔で手を振る姿が印象的だった。〈らららららん らんらんららん〉と大合唱で曲を終えると、ダンサーが登場。「スマイルあげない」だ。ポップな同曲では会場からはコールも聞こえてきて、また一段と熱気が強まっていく。さらにano自身もダンスを披露して、多才さを見せつけていった。

 「さすがファイナル、めちゃくちゃいいわ~。最高ですね」と満足そうな表情を見せるano。「マキシマム ザ ホルモンと対バンということで、うまく言葉にできないですけど嬉しい。『ぶっ生き返す!!』を歌ったのも頭の中で整理ができないくらい。その瞬間は帰ってこないからね。今日のライブは今日一瞬だけ、今だけなので」と語っていく。ナヲとバラエティ番組で共演することも多いという話をしつつ、「今日は音楽と音楽でぶつかり合える。共通しているのは音楽ですから、(一緒に)ライブができるのが嬉しいです。音楽をしに来ました。よろしゅう」と続けて「YOU&愛Heaven」をスタートさせた。ガラリと雰囲気が変わり、anoの歌に聴き入るオーディエンスたち。作詞作曲を手掛けたanoの気持ちを、噛み締めているかのようであった。

 「僕、マキシマム ザ ホルモンに素面で狂えるのが一番かっこいいと教わってきたので。今日ここで素面で誰が一番狂えるか!」とシャウトすると、「猫吐極楽音頭」へ。anoのデスボイスに合わせて騒ぐオーディエンスは、anoの手振りに合わせて揺れたり、かと思えばモッシュにダイブ、大合唱したり。まさに狂ったようにその場を楽しんでいた。今度は「誰が一番かわいく踊れるかなー?」と「許婚っきゅん」。ano自身もキュートに踊っており、思わず「anoちゃんが一番かわいいよ!」と言いたくなってしまう。ここで、「F Wonderful World」がスタートし、“anoワールド”が会場を包んでいく。お立ち台でオーディエンスを煽り、最後に中指を立てると会場からは大きな声援が返っていた。

 ここで、「いじめられている時に、マキシマム ザ ホルモンに出会ったんですね」と語り始めるano。「それがなかったら今日はないなと思って。そう思うと、あの時の自分を少し肯定できるなって思いました。みんなも僕との出会いもあるし、ホルモンとの出会いもあると思うんですけど、とにかく君たちが絶対ここにいたことは紛れもない事実です。この瞬間がとてもとてもとてもとても嬉しいです」と思いを伝え、ラストナンバーの「絶絶絶絶対聖域」へ。青い光の中歌う彼女に、多くの人が熱狂している姿を見るとグッときてしまう。そして最後の最後まで全力の歌を届けると、「バイバーイ」とステージを去っていった。

 アンコールでは、黄色のジャージを着たナヲを呼び込んで「ちゅ、多様性。」が飛び出した。ちなみに、ナヲは自分で黄色のジャージに黒いラインを書いてきたそう。楽しそうに歌って踊る2人は、会場中にハッピーな空気を広げていった。ナヲを見送った後、夏頃にアルバムを出すこと、2月14日0時に新曲を配信リリースすることを告知。「2年前くらいに僕が作った曲なんですけど、全員いなくなっちゃえって思いながら、邪魔してくる人はみんな嫌だなって。その時に作りました。そして、今から披露します」と宣言して、「この世界に二人だけ」を初披露。渋い歪んだエレキギターの音が印象的な同曲でオーディエンスを魅了すると、「また会いましょう!」とライブに幕を下ろした。

Text:高橋梓
Photo:横山マサト/浜野カズシ

◎セットリスト
【ニャンオェちゃん vs チュープリくんツアー】
2025年2月13日(木)東京・Zepp Haneda
〈マキシマム ザ ホルモン〉
1. シミ
2. 恋のメガラバ
3. ロックンロール・チェーンソー
4. 令和ストロベリーバイブ
5. 絶望ビリー
6. ぶっ生き返す!!(Guest Vo.ano)
7. チューチュー ラブリー ムニムニ ムラムラ プリンプリン ボロン ヌルル レロレロ feat. ano
8. 恋のスペルマ

〈ano〉
1. Past die Future
2. デリート
3. 普変
4. 愛してる、なんてね。
5. 涙くん、今日もおはようっ
6. スマイルあげない
7. YOU&愛Heaven
8. 猫吐極楽音頭
9. 許婚っきゅん
10. F Wonderful World
11. 絶絶絶絶対聖域
12. ちゅ、多様性。(Guest Vo.ナヲ)
13. この世界に二人だけ

◎リリース情報
シングル「この世界に二人だけ」
2025/2/14 DIGITAL RELEASE


ano

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