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2025年2月8日と9日に、SHINee・ミンホのソロコンサート【2025 MINHO CONCERT in Japan】が千葉・幕張イベントホールで開催された。パールアクアグリーンの光が会場を埋め尽くした初日の模様をお伝えする。
メンバー5人の中で最後にソロデビューしたミンホは、自身初のソロコンサートをバンドスタイルで届けることで、SHINeeのライブに何度も足を運び、ミンホの楽曲を何度も耳にしてきたシャヲル(ファンの愛称)に新鮮さと新しい発見を与えた。ミンホがソロで表現する音楽性を十二分に伝えるものでもあった。
ドラムのビートに合わせてセンターから堂々たる出立ちで登場したミンホは「Would You Mind」でショーをスタート。波がうねる映像を背景に、昨年のトレンドでもあったアフロビートが体を自然と揺らす「Affection」、ギターの音色が切なさを奏でる「Came And Left Me」が続く。SHINeeで見せることの多い軽快なステップや激しいフォーメーションチェンジとは違い、R&Bやバラード向けの重心低めのコレオグラフィーには丁寧さとしなやかさも求められるものだが、ステージにかける思いが人一倍強いミンホは、なんのその、指先にまで意識を集中させ、長身を活かしたダイナミックさも兼ね備えていた。R&Bを好む彼のソロ作品の多くには、その嗜好が色濃く反映されており、この日のステージにはダンスを得意とする彼の真骨頂が随所に散りばめられていた。
パフォーマンスを食い入るように見つめていたシャヲルに向かって、クールに決めていたミンホが「皆さん、楽しんでますか?!」と一声かけると、会場の雰囲気は一気に明るくなり、後輩グループのRIIZEのソヒが参加する「FIREWORKS (feat. SOHEE)」でミンホは笑顔全開。オープニングから打って変わって、ポップでファンキーなステージが繰り広げられた。一呼吸置いて、今度はハードモードのミンホが登場。「Round Kick」は、赤い照明と攻撃的でスパイスの効いたビートが会場を行き来し、ホイッスルの音が鳴り響く中、終盤に向けてスワガーさも増していった。
5曲連続で歌い踊ったミンホだが、体力に自信のある彼はケロッとしていた。「僕の1stソロコンサート、やった!!」と、デビュー17年目にして初めて日本でソロコンが実現したミンホに大きな拍手と歓声が送られる。日本より前に韓国、台湾で公演を行ってきたミンホは、長年応援してくれる日本のシャヲルのために、「ほんのすこし、違うバージョンを用意しています。このくらい」と小指の第一関節を見せて、特別な体験が待っていることを期待させた。
コンサートでは、昨年11月発表の1stアルバム『CALL BACK』と、2022年発表の1stミニアルバム『CHASE』の楽曲がすべて披露された。オープニングを飾った「Would You Mind」は最新アルバムの中で一番好きな曲のため、コンサートの1曲目に選んだという。〈Na, nanana, nanana♪〉のコーラスに合わせた大きなストライドが特徴的な「CALL BACK」はハイウェイ、「Slow Down」はモーテルを舞台に、ダンサーと意気揚々と踊るミンホ。しかし、「I Don’t Miss You」は、一人夜道を歩きながら、言葉と反対に、目の前にいない相手の残像に囚われている男性像が浮き彫りに。続く「Runaway (feat. GEMINI)」でも、二度と交わることのない両者の気持ちを、ラップも交えて全身で表現するミンホに歓声が上がった。「Chase」や(今回のセットリストの中で一番好きな曲だという)「Runaway (feat. GEMINI)」はバンドアレンジによってトーンダウンし、演技の世界で磨いた表現力をじっくり鑑賞する時間に。
切なさを残してステージを去ったミンホだが、軽快なイントロとともに白いセットアップで再登場した彼は、「Prove It」を今度は青空の下、花が舞う映像とともに明るく華やかに演出することで、シーンを見事に切り替える。ここからは扉を用いながら様々なストーリーが描かれていった。丘の頂上に置かれた扉の先はホテルのロビーらしき場所で、少しずつ部屋へと近づいていく。そう、ミュージックビデオで心に穴がぽっかりと空いた仕事人間を演じた「I’m Home」だ。心に抱えた寂しさをステージ先端に座って目の前のシャヲルに伝えるミンホ。寝室のドアが閉まると、今度はそれがアパートの大きな窓に変わり、カップルやワイングラスを片手に談笑する二人の男性、一生懸命に仕事する女性など、いろいろな日常が映し出されていく。様々な暮らしが共存して成り立つこの地球で、ミンホは思い人と再び過ごす時間を願うバラード「Stay for a night」を甘く優しい歌声で体現した。
各パフォーマンス中に完璧なレスポンスと掛け声をしてくれるシャヲルに感心するミンホだったが、「Prove It」のサビをすべて韓国語で歌わせるパートは、さすがのシャヲルにとっても至難の業だとわかっているようだ。楽観的で前向きな性格で知られるミンホから、「僕も日本語(を話すのが)難しいです。だから皆さん大丈夫です! 一緒に歌ってくれてありがとうございます。もっと自信を持って!」と、励ましの言葉をもらったシャヲルたちはたいそう嬉しそうだった。
ここで近況トーク。「毎日運動して、運動して、コンサートの準備をして、運動して、日本に到着して、ランニングしました」と、トレーニング漬けの毎日を送っている様子(こまめにSNSでその様子を共有しているため、シャヲルたちも既知である)。日本に着いた後、好きな牛丼を超特盛で食べたそうだが、「それでも足りませんでした。(シャヲルたちの驚愕の反応に)驚かないでください」と、新しい情報を教えてくれた。また、日本語の勉強のために映画『PERFECT DAYS』を観たのだが、役所広司演じる主人公のセリフがかなり少ないため、あまり勉強にならなかったという面白エピソードも。「とてもいい映画なのでおすすめします」と紹介しつつ、「次はもっと上手に日本語で話せるように頑張ります」と、すでに十分すぎる日本語で意気込んだ。
aespaのニンニンが参加する「Because Of You (feat. NINGNING)」で再び憂いの帯びた表情を浮かべたミンホ。自身のカラーで、この日のステージ全体も覆った青色は、楽曲を視覚的に補完する効果を持っていた。「Waterfall」は、それが特に表れたステージ。まるで水中にいるような世界観の中、ステージ中央に浮かび上がるLEDステージに途中から横たわりながら歌うミンホは、水底に沈み込んでいくようだった。相手に溺れることに抗わず、身を委ねる姿と重なり、どこか安堵に似た感覚があった。
ドラマティックなバンドイントロで始まった「Heartbreak」は、段差を活用しながら、原曲よりビート抑えめに、言葉もひとつひとつ丁寧に届けられていったのだが、哀愁漂うメロディから一転、炎のカリスマの異名を持つミンホに変身。スムーズに「Something About U」へと移り、攻撃的な赤いライティングのもと、ドラムビートやベースも盛り上がっていく。途中でジャケットを脱ぎ捨て、普段のトレーニング効果が浮かび上がる完璧なボディラインを見せつけながら、感情のすべてを踊りに込めるミンホに会場がどよめいた。
「チェ・ミンホ、サランへ」のラブコールが響いたあと、ミンホはサッカーユニフォーム風のトップスに着替えてSHINeeの人気曲「View」を日本語でパフォーマンス。爽快感あるメロディとステップ、はじける笑顔が眩しかった。そして、ミンホの“チラ見せ”に世界中のシャヲルたちが熱狂した「Body Rhythm」も忘れていない。腹部の裾をそっと持ち上げるお馴染みのシーン(今回は肌を見せないが)を再現し、シャヲルの視線を一瞬たりとも自分から逸らさせない。ファンもそうだが、彼自身もこの楽曲を非常に楽しんでいるのが遠くからでも伝わってきた。
「楽しいですか?(イエーイ!)本当?(イエーイ!!)僕も楽しい!!! この雰囲気が本当に大好きです!」と、アドレナリンMAXのミンホ。日本のために準備した日本語歌唱のサプライズは、冒頭で見せた小指の何十億倍もの喜びを生み出し、シャヲルも言葉にならない気持ちを、歓声やライトスティック、全身を使って本人にアピールしていた。名前を呼ぶ声を聞きたいがために、アンコール前の着替えは3分かかるところ、2分で済ませたという。
ミンホが特別に用意したプレゼントはこれだけじゃなかった。「皆さんが好きな曲だと思います。今日のために準備しました」と、日本初のオリジナルソロ曲「Romeo and Juliet」の贈り物には、シャヲルから「最高!」「ありがとう!」という声が。さすがミンホ、シャヲルの気持ちを熟知している。マイクスタンドの前で言葉を噛み締めるように熱唱するミンホの気持ちを受け取った。
ラストは、シャヲルの前に立てば、自分が選んできた選択は何ひとつ間違っていなかったと思えるという、シャヲルへの感謝も込めたナンバー「Choice」。お決まりの指の“グー”と「皆さんがいつも僕の希望です!」に、シャヲルも「チェ・ミンホ、サランへ!」と大声で返答、約2時間にわたるコンサートの幕が閉じた。年々強くなっているミンホとシャヲルの絆、素敵な関係性を体感した一夜だった。彼のキャラクターと音楽の趣向をより理解するソロコンサートだったが、「次は僕ひとりじゃなくて、SHINee全員で(日本で)歌うのもいいですよね。期待してください、皆さん」と、ミンホも再び4人で日本のファンの前に立つ日を楽しみにしている様子。この日の思い出に浸りながら、その日が来るのを楽しみに待とう。
Text by Mariko Ikitake
Photos by 田中聖太郎写真事務所
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