【米ビルボード・アルバム・チャート】シザ『SOS』が約22か月ぶりに首位返り咲き、TOP10中6作をホリデー・アルバムが独占

2024年12月30日 / 09:45

 シザの『SOS』が約22か月ぶりに返り咲き、通算11週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 『SOS』は、2022年12月9日に23曲を収録した通常版がリリースされ、同年12月24日付で1位に初登場した後、2023年3月4日付まで非連続で通算10週間の首位を獲得。その後も上位にランクインし続けたが、1位に到達したのは今週(2025年1月4日付)が22か月ぶりとなる。

 22か月という長い期間を経て1位に復帰したのは、1956年3月から集計が始まったアルバム・チャート“Billboard 200”史上最も長い記録で、本作は107週間連続でTOP20にランクインするというロングラン記録も達成し、2023年の年間チャートでは3位、今年の年間チャートでは6位に、2年連続で年間TOP10入りした。

 今週各ポイントが上昇したのは、12月20日に『SOS』のデラックス盤に位置づけられるアルバム『LANA』(ラナ)がリリースされたからで、その反響により週間ストリーミングは前週から341%増加の167,000(2億2,022万回再生)、週間セールスは44%増加の10,000、トラックによるユニットも1,744%増加の1,000にそれぞれ大きく数字を伸ばし、累計178,000ユニットを獲得した。ストリーミング・チャートでも1位に復帰して、セールス・チャートでは前週の39位から23位に上昇している。

 23曲が収録された『SOS』の通常版と、15曲を追加したデラックス盤『LANA』の各ポイントは統合されて、チャート上では『SOS』というタイトルで引き続きランクインしているが、『SOS』を除いた『LANA』のアルバム・ユニットだけでも105,000を獲得したことになり、今週2位にランクインしているマイケル・ブーブレの『クリスマス』が記録した100,000ユニットを上回り、1位を獲得していたことになる。

 『SOS』のデラックス盤は2023年の2月から制作が始まり、同年9月に『LANA』というタイトルが発表された。『LANA』からリード・シングルとして発表した「サターン」は、2024年3月9日付のソング・チャート“Hot 100”で6位に初登場して、年間チャートでは19位にランクインしている。

 『SOS』は、R&B/ヒップホップ・アルバム、R&Bアルバムにカテゴライズされる作品として、2016年5月から10月に非連続で13週を記録したドレイクの『ヴューズ』以来、女性アーティストの作品としては、1991年3月から5月に同11週連続を記録したマライア・キャリーの『マライア』以来の首位獲得最長記録を達成した。なお、R&Bアーティストの故ホイットニー・ヒューストンが主演を務めた映画『ボディガード』のサウンドトラックは、1992から93年に通算20週(非連続)という大記録を打ち立てて、現時点でR&Bアルバムの最も長い首位獲得記録を保持している(ジャンルの定義はR&B/ヒップホップ・アルバム・チャート、R&Bアルバム・チャートにランクインした作品とする)。

 前述の通り、マイケル・ブーブレの『クリスマス』 (100,000ユニット/47%増加)は前週の5位から2位に上昇。本作のリリースは2011年10月で、同年12月10日から2012年1月7日付まで非連続で5週間1位を獲得し、過去6年間では4度TOP2にランクインした。ストリーミングが集計に加算されるようになった2014年12月以降では、今週獲得した100,000が週間ユニットの最高数値となる。

 マイケル・ブーブレの『クリスマス』を筆頭に、ホリデー・シーズン最後のチャート(2024年12月20日~12月26日)となる今週のチャートには、ホリデー・アルバムがTOP10中6作がランクインした。

 3週間前に64年ぶりのTOP10入りを果たした故ビング・クロスビーのホリデー・アルバム『アルティメット・クリスマス』は、先週の6位から3位に上昇して、1959年1月5日付で『メリー・クリスマス』が2位にランクインして以来の最高位を更新した。なお、『メリー・クリスマス』は1958年1月6日付で1位を獲得している。

 先週11位にランクインしていたナット・キング・コールの『ザ・クリスマス・ソング』 (84,000ユニット/56%増加)は4位に上昇して、ケンドリック・ラマーの『GNX』(76,000ユニット/24%減少)は2位から5位にダウン。マライア・キャリーの『メリー・クリスマス』 (76,000ユニット/36%増加)は先週の10位から6位にランクアップして、テイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(74,000ユニット/13%減少)は3位から7位に順位を下げた。

 映画サウンドトラック『ウィキッド ふたりの魔女』(71,000ユニット/9%増加)は7位から8位にワンランクダウンして、9位にはフィル・スペクターによるクリスマス・アルバム『クリスマス・ギフト・フォー・ユー・フロム・フィル・スペクター』 (70,000ユニット/60%増加)が前週の16位から上昇し、約1年ぶりにTOP10復帰している。

 続いて今週10位には、故フランク・シナトラの『アルティメット・クリスマス』(63,000ユニット/55%増加)が先週の17位から上昇して、2017年12月に登場52週目で記録した12位を上回る最高位更新と初のTOP10入りを果たした。それ以前にTOP10入りしたのは、値引きセールとプロモーション効果によりベスト盤『ナッシング・バット・ザ・ベスト』が3位にランクインした2012年8月25日付で、約12年ぶりのランクインとなる。なお、『ナッシング・バット・ザ・ベスト』は2008年5月31日付で最高2位を記録した。

 フランク・シナトラは、本作で通算33作目のTOP10入りを果たし、男性ソロ・アーティストとしてはTOP10作品数の最多記録を更新した。全体では、ローリング・ストーンズ(38作)、バーブラ・ストライサンド(34作)に続く3番目で、今回ザ・ビートルズの32作の記録を上回った。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは1月3日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『SOS』シザ
2位『クリスマス』マイケル・ブーブレ
3位『アルティメット・クリスマス』ビング・クロスビー
4位『ザ・クリスマス・ソング』ナット・キング・コール
5位『GNX』ケンドリック・ラマー
6位『メリー・クリスマス』マライア・キャリー
7位『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』テイラー・スウィフト
8位『ウィキッド ふたりの魔女』サウンドトラック
9位『クリスマス・ギフト・フォー・ユー・フロム・フィル・スペクター』フィル・スペクター
10位『アルティメット・クリスマス』フランク・シナトラ


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