<ライブレポート>HAGANE、新体制で見せた固い絆と未来「これからも信じてついてきてください!」

2024年12月21日 / 12:00

 HAGANEが、2024年12月12日に東京・下北沢シャングリラにてワンマンライブ【HAGANE Live Tour「Phoenix Journey 2024 Last Rampage」】を開催し、圧倒的な歌と演奏で超満員のオーディエンスを熱狂させた。

 今年4月にボーカルに凪希、ドラムにJUNNAを迎え、新メンバーで再始動したハーモニック・メタルバンド、HAGANEは、6月に行われた再始動ライブ、7月に行われた追加公演、さらに9月に行われた【HAGANE Live Tour「Phoenix Journey 2024」】各公演と、ライブはすべてソールドアウト。その大きな反響を経て、当然のようにこの日も満員札止めとなり、開演前から熱気が渦巻いていた。

 EP『Life Goes On!』の冒頭を飾るSE「Victoire」が流れると、JUNNA(Dr)、Sayaka(Ba)、Sakura(Gt)の順にメンバーがそれぞれお立ち台に上がり歓声に応える。最後に凪希(Vo)が登場して始まったオープニング曲は、1stアルバムからの「GunRock」だ。鋭角的なギターリフ、強烈なバスドラ、野太いベース、ブリティッシュHM/HRを思わせるマイナーなメロディ、硬質なサウンドの中、凪希が圧巻のハイトーンボイスを放つ。聴く者の体を震わせる轟音で一気にフロアを掌握した。「こんばんは、HAGANEです! 盛り上がる準備はできてますか!?」と凪希が呼び掛けると、「SuperVillan」へ。「ハイ!ハイ!」とお立ち台に上がり扇動すると、拳を上げて応えるオーディエンス。間奏でSakuraがタッピングを交えて披露したギターソロは、オリエンタルなフレーズが耳に残る長尺のソロだった。続く英詞曲「GoGoKart」では、凪希が「ブンブン振り回してください!」と煽って、疾走する演奏に合わせて回されるタオルでフロア中が埋め尽くされた。

 「みなさん改めまして、HAGANEです! すごい、めっちゃいる!」とフロアを見渡して驚く凪希。メンバーがそれぞれ自己紹介するコーナーでは、同じくフロアを見渡したSakuraが「いいね! 人がゴミのようだ!」と、映画『天空の城ラピュタ』の名セリフをオマージュして笑わせた。

 まさに鋼のごとき強靭な凪希の歌唱力、楽器隊のハイレベルな演奏で、次々と曲を繰り出す。JUNNAのドラムソロでは、一斉に「Hey! Hey! Hey!」と掛け声が起こるなど、終始熱烈なレスポンスを返す剣士(HAGANEファンの総称)たち。ドラムソロに続いたインスト「Train」では、ギターソロからベース、ドラムとリレー。5連符のフレーズをビシッと決めてバンドの一体感を示した。凪希がステージに戻った「BlackCult」でさらにステージは白熱。JUNNAのツインペダルによる怒涛のバスドラ、Sayakaの5弦ベースが弾き出す太いビート、縦横無尽なフレーズを繰り出すSakuraのギター、その怒涛のノリの上を凪希がハイトーンとコーラスで駆け抜けて壮大な世界を魅せた。

 MCでは、新体制後に初めて発表した「天下五剣」のミュージック・ビデオが、YouTube再生回数100万回を突破したことを報告して称賛を集め、今後は200万回を目指していこう、と意気込んだ。「私たちにとって初めてのコンテンツが、こうやって世界中の人たちに観てもらえて嬉しいです。これからもHAGANEは新しいコンテンツをみなさんにお届けできればと思って、日々頑張っています。これからもよろしくお願いします。」(凪希)

 勇壮な「BRAVE」から、エフェクティブなギターのアルペジオに乗せたコーラスがフロアにも広がった「Connect」を経て、「天下五剣」が飛び出した。凪希が〈満月に舞い降りる 炎を斬り裂いて 大切なものを全て守るために〉とアカペラでサビから歌うアレンジで、そこから一斉に演奏に突入する楽器陣の、凄まじくも一糸乱れぬアンサンブルは圧巻。メロディアスな旋律を叫ぶように歌う凪希、Sakuraは幾何学的なリフからタッピングソロを炸裂させて興奮を掻き立てた。曲が終わるとスポットを浴びながらギターソロへ。左手を大きくストレッチした高速フレーズを聴かせると、ドラムの重低音が響きインストナンバー「DATT」へ。音階を反復するキメフレーズで息の合ったところも聴かせつつ、それぞれのパートがテクニカルなプレイを披露。さらにSayakaがどっしりとしたベースソロで次曲への空気を作ると、戦争をテーマとした歌詞が緊張感を持つ「Labradorite」へ。凪希の熱唱を3人が力強い演奏で支えた。曲が終わると、それぞれが2024年の振り返るMCへ。

「4月に加入してツアーを回って、サイン会とかでみなさんと話す機会もあったんですけど、みなさんがあたたかく迎えてくださったのがすごく嬉しかったです。それまではフリーのドラマーとして活動してきたんですけど、ドラムのことを毎日考えている中で、今はHAGANEのことも毎日考えていて、この1年本当に楽しかったですし、すごく幸せでした。」(JUNNA)

「新体制の4人で活動していく中で、“One for all All for one”を感じた1年でした。みんな、“このメンバーたちのために”という気持ちで活動しているし、私自身も、みんなのために頑張ろうって思えることがすごく幸せ。今日もこんなにたくさん人が集まってくれて、本当にありがとうございます。必ずこのメンバーで、今まで見たことのない景色を見ることができると思っています。」(Sayaka)

「今日演奏しながらみんなの顔を見て、自分自身が一番、みんなとやれて嬉しいなって、ジワっときました。本当にストイックなメンバーが集まったと思っていて、楽しいのはもちろん、レコーディングしていても仕事として向き合ってくれているのがわかるんです。このメンバーとやっていて、ハコがどんどん大きくなったり再生回数が増えたり、大きなことも些細なことも全部嬉しいなって思う瞬間が多い1年でした。この1年間待っていてくれて本当にありがとうございます! 新しい剣士の人たちも、どんどん私たちのことを推して行ってください。頑張ります!」(Sakura)

「『メタルなんてやったことない』って、最初のライブで言いましたけど、レコーディングしたり過去の曲をやったりすると、今もビックリの連続なんです。でも、本当にやりたいことだったら、新しいことに挑戦するときってめっちゃ楽しいと思うんです。今、『私って本当にこれがやりたかったんだな』って、自信を持って言えます。夢って何歳になっても叶えられるし、いつでもスタートできるものだと思ってます。私は、絶対にこの4人は離れないと思ってます。みなさん、これからも信じてついてきてください! よろしくお願いします!」(凪希)

 熱いMCに大きな拍手がステージに向けられると、凪希はオフマイクで「盛り上がる準備はできてるかー!?」と叫んで「Life goes on!」へ。再びオーディエンスが回すタオルでフロアが埋め尽くされた。ステージを動き回り、お互いの絆を確かめ合うようにプレイするメンバーたち。凪希がフロアにマイクを向けて「Let’s go!」と声を合わせて、会場中が一体となった。

 アンコールでは、Tシャツ姿で登場した4人。「新曲持ってきました! なんと今回は凪希が書きました!」と伝えると大喝采が沸き起こる。作詞・凪希、作曲・Sakuraによる新曲「Start Our Journey」を初披露した。タイトルに相応しく爽快に疾走するスケールの大きな演奏とポップなメロディが印象的な楽曲。凪希がサビでお立ち台に上がり、身振り手振りを交えて歌い、早くも剣士たちは拳を突き上げて応えていた。間奏では大きなリズムにチェンジしてベースがリードするなど、展開の面白さも楽しめる1曲だった。曲を終えると記念撮影をして、4人で肩を組み、生声で「ありがとうございました!」と感謝を伝えてステージを降りた。

 4人がステージを去ると、プロジェクターが降りてきて「Start Our Journey」のMVがサプライズ公開された。さらに、この楽曲が12月13日に配信リリースされること、MVもYouTubeにて公開されていることが告知された。さらには、2025年春にフルアルバム『TOP OF THE TOWER』を発売すること、リリースに伴う全国ツアーが13会場で開催されることも発表となった。尚、ツアーファイナルは、12月25日に東京・新宿 Zepp Shinjukuで行われる。

Text by 岡本貴之
Photos by 唐澤友美

◎セットリスト
【HAGANE Live Tour「Phoenix Journey 2024 Last Rampage」】
※2024年12月12日(木)東京・下北沢シャングリラ公演
1. GunRock
2. SuperVillan
3. GoGoKart
4. Hero Time
5. Train
6. BlackCult
7. BRAVE
8. Connect
9. 天下五剣
10. DATT
11. Labradorite
12. Life goes on!
<アンコール>
1. Start Our Journey

◎リリース情報
「Start Our Journey」
2024/12/13 DIGITAL RELEASE


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